表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最前線  作者: TF


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/843

長引く戦いの裏で

加筆修正完了!


誤字脱字の見逃しあれば教えてくださいませ~><;


後、後書きにネタバレなどが含まれてる設定資料とかも残していこうかと思っていますので

初見さんは見ないようにしてくれますと嬉しいです!

─ 死の大地、前線仮拠点 セーフティエリア 医療班テント内

医療舞台として全身を包む服を着た団長が暇そうにテントの中にある椅子に座っている。

そんな人物は暇を持て余していた。


これから先、現場は忙しくなるのだと予想し怪我をしているのにも関わらず街へと戻らず皆を支えるのだと心を燃やそう!そう思って全員から帰ってくださいと言われても頑なに首を横に振り続けて居座ったっというのに…


テントの中には私しかいなかった。


…うーん、士気が高いのか、指揮が高いのか、怪我人が居ない。

ちょっとした怪我とか休憩とかで、ここに、そう医療班のテントを利用するくらいで…選択を間違えたのかもしれない、寧ろ、初手で大怪我をした人たちが多くいる病棟へと向かうべきだったのかもしれない。

病棟には頼りになる先輩達がいるから、其方を任せて、先輩達に更なる患者を増やさせないように!っと残ったんだけど…予想外に誰も怪我をしない、怪我をしないのは良い事なのだけれど…

そう、私の予想としては、あのような魔道具を持った強敵であれば次々と兵士達が、運ばれてきてもおかしくないって予想をしていたのに、予想が外れてしまった。


身構える事、みがまえること?もう何日目だろうか?

戦いが始まって、から、えっと、もう三日?…えっとね…うん、3日?三日も経ったっけ?

この三日の間に起きた些細な出来事を思い出しながら、日付を数える。


うん、怪我をしてから、三日!間違いない!三日も経つけれど未だに!

敵に対して決定打となる攻撃が出来ていない!何が有効なのか判明していない。


休憩に来る戦士達に戦況がどうなっているのか話を聞くけれど、未だに膠着状態。

本当に色々と試しているみたいで、火炎瓶を投げてもすぐさま、その場から離れられて上手く当てれないと愚痴を零していた。

動き回るのなら動きを鈍らせるために体温を下げる作戦が開始された、水をかけて術式を使って全身を凍らせようとしても…結果は先と同じ、すぐにその場を離れて水を払い落とされてしまう。

俊敏性が高いので捕まえないといけないが、人型として、力もあるしスタミナもある、作戦が難航している、そもそも、敵の動きを封じること自体が難しい。


攻め切れないもう一つの理由もある。


固定砲台魔力特化型は、稀に奥の手を、、、稀じゃないな半々だね、持ってることが多かった。

今まで出てきたあの手の魔力が無尽蔵じゃないかって思うくらいタフな奴は、凄く厄介なのしかいなかった。


その為、解析班が敵の近くで解析・分析などの危険を伴う行為が出来ない。

っというか、認識阻害の術式を使っても相手が無尽蔵に動き回るから下手に近づくと見つかりかねないので近くで観察が出来ない。


命懸けで近づけなんて誰も言えない、理由は簡単、危険性が高すぎるから。

そんな命がけの作戦を強要する事なんて絶対にできない。


近くにいても騎士部隊や戦士部隊がいれば対処できるのではないか?っという疑問なら捨てた方がいい。

何故なら、過去の経験則で非戦闘員を見かけたらここぞとばかりに、奥の手を披露してきた外道もいたからだ。


その他にも、必殺の一撃が最も効果的で効率的で一番最悪なタイミングで使ってくる外道も過去にはいた。

今回もその可能性がある限り、非戦闘員である彼らに命を捨てるような行為はさせられない。


そういった過去の経験則が二の足を踏ませてしまっているのも事実。

過去の失敗から、非戦闘員が狙われない様にどのようにかして、相手の観察、分析、解析を行うのかが議題にあがり、解決策を模索した結果、遠見の術がより改良された、だったかな?

かといって遠見も術式の弱点として視野が狭くなるっという問題は解決…出来ていなかったはず。

遠距離からでも視野を広く保ち、安全圏で観察分析できるようになれば打開策も講じれるのか?


講じるで思い出した。

研究塔の一部では、こういった猿とは思えれない土壇場での知恵を発揮するのは偶々だという人もいる。

えっと、確か…一部の人は偶々、現場の人数が増えたから危機感を感じて偶々、鎧を着ていない怖そうでもない弱そうな人を見つけたから、人型は切り札を使ったのではないかという説を唱える人もいれば、あいつらを遠距離で動かしていて、状況判断もしっかりとしていて、確実に最も効果的な場面を見極めて奥の手を決めてくる!っという説を提唱する人もいた。


何時だって研究塔の皆様は私では見えない角度で人型達を分析し話し合っている。


今回の固定砲台タイプとなれば、ううん、三日も悪戦苦闘する時点で敵のタイプは魔力特化型として間違いないだろうね。

この手の魔力特化型は本当にタフなのが多い、魔道具を奪ってしまえば敵の魔力が尽きるのを覚悟して長期戦へとシフトすることが多い。

そんなわけで、今回の仮拠点には、普段なら持ち運ばない様な物資、色々と豊富に持ってきてくれている。

後は、普段ならたかが人型程度で、医療班のテントに護衛としての騎士部隊を在住させない、でも、今回は敵が敵なので、護衛目的で騎士の方達が逗留してくれている。

お陰様で非常に安心して医療行為が出来るので、その影響もあって現場がピリピリしていない。


あ~そうそう、何時も護衛が居ないってわけではない、色々な事情で護衛が居る時もある。

学生がいる時とか、新人が居る時とか、騎士部隊の新人が研修としては位置されたりとか、危険な場所を仮拠点にする時とか、その辺りは臨機応変に配置されてます。


ここで、ちょっと小話、昔、姫様から教えてもらった説明を一つ。


最前線の街で働く戦闘部隊について説明だよ!


最前線の街では古くから戦士達の部隊が大きく三つに分けられていて、最初に分けられた組み合わせが今も名称は続いているけれど、中身は大きく変化したの。


①各国の貴族や王族等のお偉いさん達が作った精鋭?である騎士達の部隊

②農民や、農村で育ち、戦いとは無縁だったけれど、徴兵によって参加させられている人達や、戦いで戦果を上げて成り上がりを目的とした、戦士、または衛兵が集まってできた部隊。

③術式等の広域殲滅を目的とした殲滅部隊


7年ほど前までだったかな?もっと前だったかな?そんな感じの枠組みがあったみたい。

段々とその括りも関係なくなってきていて、各々が好きな部隊に所属して、連携なんて無かった時代があったの。

私も伝え聞いた話だから、間違ってるかもしれないけどね。

初期の結成時、大昔はこのように三部隊に分かれていたんだけど、派閥争いなんかもあったらしいよ。

だけどね、今では先ほど述べたように7年ほど前かな?

各々好き放題しちゃっていて、部隊の中身が、もうしっちゃかめっちゃかでごっちゃごちゃだったの。


まぁ、私がこの街に来た時は既にある程度、体制が整っていたけれど、もっとわかりやすくする為に、より明確に各々の役割を分けたの


ってね、私がこの街に来た時の説明会で教えてもらいました。

え~っと、どうしてそういう風に整えたのかっていうと、その方が運営方法が楽になるのと、部隊同士の統率が取りやすいからだったかな?各々がしっかりと与えられた役割がある方がそれに集中しやすいから?だったかな?


それから~、姫様が元々の呼称をベースに新しく役割と枠組みを作った、って言ってたかな?


①の騎士部隊

主に護衛任務が多く、一番前で苛烈に戦うのではなく、私達の様な部隊を守ったり、戦士部隊を戦場に連れていくために護衛したり、そう、戦士部隊の体力温存を目的とした護衛も行ったりしている。

当然、騎士だから戦うことは出来るけれど、戦士部隊に比べて個の力は弱く、連携を主として攻撃するので、学生上がりのまだまだ未熟な部隊として構成されることが多い。

現在はティーチャーが学生の指導を担当したり、隊の指揮を取ったりしている、前々はベテランさんがしていたのをティーチャーが後釜として勤めている。


②の戦士部隊

主に単独撃破を目的とした戦闘特化部隊、騎士からこちらに繰り上げられるとお給金も跳ね上がるので、歴戦の猛者たちは基本的にこちらへと所属していることになる。

姫様が仰るには、単独で人型くらい楽々と倒せれるほどの豪傑無双が最終目標らしい…

なので、戦士部隊は、単独で死の大地を偵察に出ても問題ない人が所属する部隊。


現在の統率者は不在で一番強くて長生きしているのがベテランさんだから彼がその席に座るべきなのではないかってこの街に来た時の私は思ったりもした。

でも、後々、この部隊の癖の強い人達を見て感じました。


この部隊を統率出来るのは姫様くらいじゃないかな?ってね。

彼らも姫様の意見を尊重するし、何かあれば姫様に助言を求めているのを何度も目撃している。

逆にベテランさんの意見は突っぱねられたりしているのも何度も目撃している。


だったら、姫様部隊って名前でも良いのでは?

ん~全部隊、姫様の号令が出たら奮起するから、そうなると、全部隊が姫様部隊になるだろうし、姫様直属の部隊!ってのは無いのかなー?っていうか、分ける必要性が無い?

うん、姫様だったら全ての部隊を自由に扱っても誰も文句言わないと思う。


③の殲滅部隊

戦士部隊、騎士部隊に向かって走ってきて、衝突するような敵を遠距離から削ったりする部隊。

主に術式を使った攻撃がメインかな、弓を使う人もいるけれど、遠距離の弓は決定打にかけるから弓で戦う人の多くは戦士部隊や、騎士部隊にいる。

でも、道具を組み合わせて放たれる弓の攻撃は非常に有効なので、いないわけではない。

でも、数は少ない、長距離で確実に弓矢を狙った場所にタイミング完璧に放てる名手は少ない。


例えば、弓先に起爆譜を大量に魔石と一緒にくっつけて放ち、着弾と同時に広域爆撃なんてことも出来るので、要は使い道って姫様が言ってたね。まぁ、その爆音で獣が集まってくるから滅多にしないって言ってたけどね。


っとまぁ、大体、こんな感じでみんなが連携が取れてしっかりと戦線を維持しているわけで、人型が出ればそれはもう、総動員で一致団結して応戦する。

最前線の街で人同士で啀みあったりなんて無い、はず。

過去に会った派閥争いなんて今は無い!私はそう信じてる!無くなった理由も至極当然!人同士で争っていたら生き残れないもの。


現に!読ませてもらった報告書?歴史書?

過去にあった派閥なんて人型に蹴散らされてそれどころじゃなくなったって書いてあった。


私達は一致団結して、死の大地から溢れ出てくる白き獣達を外へと!

私達の街から一匹たりとも出させはしない!


そう!最も死が近い街!最前線で戦う人達を死なせない為に私達医療班がいる!

そして!現在の医療テントの中どうなっているのかと言うと!


ちょっと、やる事が無い。

こうやって、物思いに耽っていたら、誰か来るかと思ったら…天蓋の中へと入ってくるのは医療班の皆…


周りの皆も暇だからかな~…今もテントの中では医療班の皆が談笑しあったりするレベルで暇


まぁそれのおかげでさ、なかなか聞けない色んな質問の応答をしてたりしてた!

そして今も!周りの皆は暇そうにしている。座って女子会を開いてしまう程に全員が緩んでる…せめて医療の話をしてくれると団長としては嬉しいかな~…


普段だとはこうもいかない!もっと忙しい!あれ?普段の方が忙しくない?

護衛の騎士達がいない時は、警戒するために見張り班とかが巡回してるし、色々とあるからそれらを掃除する班が駆けまわっているし、魔力担当班とかは…陣に魔力を注いだりしていて魔力が切れたら休憩テントで雑魚寝して、回復したら戻ってきてで全員顔色が真っ青だったりする。

そう!普段なら!各々が仕事でいっぱいいっぱいなんだけど!

今回は護衛もいるし、いつの間にか、近隣の街から商店で働いている人達がわざわざ命がけで応援に駆けつけてくれていたりするから、雑用などの仕事もない!


普段はお店で働いている方達も警報が鳴っている間は基本的に非難しないといけないので、こうも長引くと手持無沙汰になる方が多い。

お店の食べ物を腐らせない様に飲食店の人は炊き出しとかに参加してくれたりする。

畜産の方達は平常通りだったりする、畜産がある場所は街から少し距離があるので、基本的にそこまで敵が行くことは無い、寧ろそこまでいかれたらこの街は…って状態だろう。


今までも城壁を突破されたことが無いので、畜産の人は警報が鳴っていたら普段よりも注意するくらい。

鳥とかが城壁を超えて街に下りてくることがあるけれど、私達の街よりも向こう側へと行くことが無い。


なので、街中が一丸となって戦線を維持するから、この時ばかりは人手が足りる。

掃除班とか、魔力担当班とかの誰でもできる仕事が奪われてしまっている。


認識阻害とか、回復術式を展開している陣とかに魔力を通すのが魔力担当班なんだけど、魔力を流すだけだから、街にいる非戦闘員でも出来る仕事なので、率先して手伝ってもらっているって状態なんだけど、それでも、誰かが傷ついて運ばれて来たら急がしくなる、んだけど…誰も怪我をしない、しても軽症…暇すぎる。


天蓋を見つめても何も変わらない、聞こえてくる音は、楽しそうな女子会の声…

私の我慢も限界だ…


椅子から立ち上がり、女子会を楽しんでいる人達の後ろに立ち

威厳ある一言を!…


言うつもりもなく「私も会話に入ってもいい?」低姿勢で中へと滑りこむ。

だって暇すぎる!やることがない!私も混ぜて!!一緒に話したい!!!


そんな時間が過ぎていけば私も話しに混ざりたくなる!

団長として踏ん反り返るだけっていうのもつまらない!!

流石に緊張の糸はもう切れてます!


ってわけで、私も女子会に参加させてもらっちゃった。

勇気出してよかった…




女子会の内容は色んな内容で凄く楽しかった。

街の皆ともこんなにゆったりとお話したことが無いから、凄く楽しい。

こんな緊急事態中なんだけど、申し訳ないけれど、楽しい。


なんだろう?どうしてかわからないけれど、凄く素で居られている気がする…

きっと、全身包帯だらけで男性か女性かわからない恰好しているからなのかも?


外からの視線を気にしなくていいって、こんなに気持ちが穏やかになるものなんて知らなかったなぁ


・・・ん?でも姫様と一緒に遊びに行く時もこんな気持ちになるときあるけれど、姫様と一緒にいるときは基本的にテンション上がってるから穏やかじゃないかな?

自分の中の小さな変化、違和感を感じつつも、女子会の楽しさに直ぐに忘れてしまう。




まったりゆったりと過ごしていると、テントの入口を勢いよく開かれ周りが急患!?かと緊張するが、そんな感じではなさそうだった。


勢いよく入ってきた女性には見覚えがある、何処だったかな?


あの子は、確か、新人達?学生たち?のグループにいてた、はず…ぁ、そうだ、思い出した!

女将のお店で酔いつぶれた新人二人組じゃないの!脇に抱えて運んだ片割れの…名前知らない、えっと、三つ編みが特徴的だから三つ編みちゃんだ!


今日は三つ編みしていないから頭の中で一瞬で=に繋がらなかった、最初に覚えた印象って大事。

天蓋の中に入ってきた女性は眉毛を八の字にして何処か、張り詰めた雰囲気があるように感じてしまった。

そんな彼女が私達を見て小さくお辞儀をしてから近くに駆け寄ってくる、伝令だろうか?

「ぁ、あの、こちらに、こちらにこんな感じの見た目の方はいらっしゃっていませんか?」

どうやら、伝令ではなかった、見せられた紙からして、この街では珍しく誰かを探している?

探している人の似顔絵を医療班にいる人達に見せて尋ねている、あんまり、場を乱されるのは良くないので対応しよう


「もし、そこの貴女」トントンっと肩を叩くと

こちらに振り返ると、今にも泣きそうな程に目に涙をためていた…

そして、私の姿を見た瞬間に動きが止まってしまう、その表情がより険しくなったように感じてしまった。

これは、ちょっと怯えているような感じだろうか?視線を上下にうごかし…っは!?


思い出す、学生二人を蹴飛ばしたことを…


…私って新人さんから怖い人って思われてるのかな?

…それはショックだなぁ、ちょっと泣きそうになる。あんなにやさしく接してあげてるのに。


「ぉ、驚いて、もも、申し訳ありません、その、見た目が凄くて」

見た目?…ぁ、そうか医療班のテントに全身包帯が居て、話しかけてくるなんて想定してないよね。


コホンっと咳ばらいをして

「そちらの紙を見せていただいてもよろしくて?」

紙を見せてもらうと見覚えがある、絵が上手だね…記憶を頼りにひねり出すと、新人の中で会議の話題になった根性のある子に似てるね。もしかして、その子かな?


試しに特徴を伝えると

「ぁ、はい!そ、その人です!」

どうやら当たりみたい、こんな非常時に探しているなんて、友情なのか、訳ありなのか?


どうしようかな?事情か何か聞いてあげたいけれど、どうしたものかと悩んでいると

「大丈夫ですよ、長い事、休憩とっていらっしゃらないじゃないですか、休憩に出ても、問題ないですよ」

隊員が私の迷いを察してくれて後押ししてくれる。

そうね、折角の新人が勇気を振り絞って非常事態真っ只中の最中に人を探しているのだ、助けてあげてもいいよね。


「それでは、休憩の程、頂きますわ、何かあれば人伝にお願いしますわね」

ヒラヒラと手を振ると隊員が可愛く声をそろえて、はーいっと返事を返してくれる。

切磋詰まって、緊迫した状態でなければ皆も愛想のいい器量よしの淑女ばかり、戦場モードになると全員ピリピリして怖くなる。…私も含めっね…


二人で仲良くテントを出ると生暖かい風が出迎えてくれた。耳を澄ますと何処か遠くで金属か何かがぶつかる音が僅かに聞こえ、ここが死の大地であるのだと警告してくる。

気を弛め過ぎていたと少し反省する。


それに、彼女の張り詰めた表情、この非常事態だというのに私用でこの場所までやってくる丹力、っというか、たぶん、誰からも許可を取っていない可能性が高い、街の人達に紛れて潜り込んだのだろうっと察することが出来る。

そうなると、話は別、規律を重んじる私としては、こういった勝手な行動は咎めないといけなくなる。

だとすれば、彼女の事情を考慮なんて出来なくなる、なので、テントの中で話を聞くのは良くない。

っとここまで、珍しく頭が回ることが出来ました、姫様みたいにね!


そんなわけで、テントの外で周囲に誰もいないのを確認してから、話を聞くことに…


話を聞くついでにどうしても気になってしまう、彼女の髪の毛…

三つ編みが綺麗だった彼女の髪はあの時と比べて焼けたのか、チリチリと捻れている。手入れをする余裕もなく、探していたのだろうか?


テントの外に置いてある椅子を持ってきて、彼女を椅子に座らせ、身だしなみを整えるセットが入っている乙女ポーチから櫛等を取り出し、彼女の髪の毛を整えてあげながら話を聞いてあげることに。


椅子に座っている彼女は、そんな、大丈夫です。っと恐縮していたけれど、いいからいいからと押し切って、手入れをしていく、女の子なんだから綺麗に出来るタイミングがあれば綺麗にしてあげないとね。


話を聞くと、予想通り。彼女の配属先である隠蔽部隊に、探している女性と一緒に働いていたのだけれど、急な襲撃で部隊が吹き飛んでしまった。

その爆発がある直前に、探し人の彼女は何かを察知したのか、爆発の衝撃を庇う様に三つ編みの彼女を爆発から守ろうと身を前に差し出した。


そして、大きな光と、音と共に両者ともに吹き飛ばされてしまった…

気が付いたら泥の中にいて、朦朧とする意識の中、庇ってくれた友人を探したのだけれど、視界の中に見当たらず、探そうにも力が入らず、声を出そうにも恐怖で声が出なかった、視界の端にずっと、あの化物と相対する一人の戦士様が居るのだけがわかった…

あの戦士様がいらっしゃらなかったら、きっと私の命は無かった、後でその戦士様にもお礼を申し上げたい。

っと鼻をすすりながら語ってくれた。


その戦士様の事はきっと私だと思う、っていうか私以外、居なかったから確定でいいと思う

…ここで名乗るのは、恩着せがましいから、止めておこう、皆を助けたい一心だったから、君一人を助けたいってわけでもなかったし、いつか気が付いたときに声をかけて貰えたらいいかな?


鼻をすすりながら語ってくれた話を、要約すると、吹き飛んでしまった友人の安否の確認って事だよね?

なら一緒に探してあげよう、私が一緒じゃないと探しきれない、あの場にいたのであればきっと、彼女は一般人立ち入り禁止の場所にいる可能性が高い。

だったらね?私が一緒にいれば、彼女もそこに入れるからね。


そう、集中治療室とかね。


うん、私自身も集中治療室とかの状態を把握しておきたいし、一度、街に戻った方がいいタイミングなのだろう、一緒に行こう。


話が終わるころには、彼女の髪も綺麗になって、初めて見た時の様に綺麗な三つ編みにしてあげた。


はいっと手鏡を渡してあげるとポロポロと涙を流しながら感謝の言葉を述べている。

感情が表に出やすい子はいいなぁ、社交界とかで擦れていないから。


手を差し伸べて椅子から立たせてあげる、この子自身も結構ボロボロで傷だらけだ。

爆心地にいたのに、これだけですんでいるのはきっと、庇ってくれた友人のおかげだろう。


彼女を守った勇気ある根性のある人物、その友人は直撃を受けたのだ…

内心、生きていないのじゃないかって彼女も思っているだろう、だから、情緒も不安定になるというものだ。ポンポンと頭を撫でてあげるとさらに泣き出したので胸の中で泣かせてあげることにした。


こうしていると何となくだけど感情が伝わってくる、怖くて、悲しくて、友を心配して、不安で寂しくて、でも、殆どの感情は友達を思っての感情だ。


彼女の抑えきれない心の高ぶりが落ち着くまで頭を撫で続ける。

何時までもいつまでも、私がして貰ったように、彼女にも慈しむ心をもって撫で続けていると、泣き声も小さくなってきたので、ハンカチで目元を拭ってあげた。

落ち着いたので、移動するよと声をかけると頬を染め小さく頷いてくれるので、不安にならないように傍にいるのだと、気持ちを繋ぐように手を握って転移陣がある場所へと連れていく。


手を握る理由は他にもある、怪我をしている彼女の足幅に合わせやすくなるから、ふらつく彼女を支えてあげる為に手を繋ぐのが一番支えやすい、だから、転送の陣を起動させるためにいる魔力要員を担当してくれる人達が小声でつぶやいたような、その様な…それ以外の他意はない。


病棟に戻る前に、一度自分の状態を軽く再確認を行う。


私自身の怪我は主に火傷と、打撲と、骨にひびと、あと肋骨が折れてたかな?

あの爆発をこの身で防いだのにこれくらいですんでいるのは…姫様のおかげ。

あんな高性能な戦闘服を一緒に作り上げてくれてたからであって、その性能を最大限に活かせれなかったら…

考えたくない、五体満足では確実に…


それ程までにあの爆発の威力は恐ろしい程だった。

…改めて思い出すとよく生きてたなぁ私。ぁぁダメダメ、考えたくない考えたくない。

そう、考えたくないほどの威力を…三つ編みちゃんの友人は彼女を守るために装備も何もないの庇ったのだ。

病棟で彼女が崩れたとしても支えてあげないと…だから、手を離してはいけない。


転移陣で広場へと飛ばしてもらうと…広がる光景に胸が締め付けられてしまう。

ぁぁ、そうか、そういうことか、もう、判定されているのか…


陣から少し離れた場所で泣く声が聞こえる、苦しく胸が締め付けられ喉の奥が締め付けられる様な悲しい声が聞こえてくる。


あの場所は戦闘時に死んだ尊き方達の遺体を安置する場所だ…

助けれなかった…ギリっと奥歯を噛み締めてしまう。


非情ではあるが、私は先達者として、彼女に非情な決断をさせないといけない。

心をきつく縛り上げ、手が震えないように…あそこは確認したの?と、指をさすと…


首を振り手が震え膝が笑っている。

歯もカチカチと小さく鳴らしている。


握られてた手が強くなり、立っているのも辛くなったのか、腕にしがみついてくる。

腰に手を当てて支えてあげないとね、どんな時だって受け入れがたい真実はある。


震えも収まり、覚悟が決まったのかコクリと頷く


遺体の安置所に彼女を連れていく、安置されている遺体の中に探し人が居るのか見ていく、遺体を見ていると医療班の皆が最後まであきらめずに頑張った痕跡が、遺体から察することが出来る。飛び散った肉片をしっかりとかき集め、出来る限り繋げてあげていた。


顔だってそうだ、爆発でぐちゃぐちゃになってしまった者もいるのに、見れる程度には綺麗に整形されている、これ程の熱意と愛情と死者に対して深い敬意を示すのはきっと、No2だ、彼女くらいしかここまでの熱意をもってやろうとは思わないだろう。


安置されている全員を見て回ると、探し人が見つからなかった。

ひと先ずは安心といったところだろう…

三つ編みちゃんが口元を抑え大粒の涙を流しながらも私にしがみついている。

彼女はこの惨状を見たとしても吐かずに耐えしっかりと一人一人にお別れを告げていた、表面は弱そうに見えて心の芯は強いのかもしれない、医療班に向いていそうだね。


そんな彼女とは違って、震えている二人組がいる。

遺体の近くで絶望し涙を流し、この惨状を見て胃の中の全てを吐き出している…


この二人には見覚えがある。

前の会議でやらかした新人の二人組だ、自分たちが起こしてしまった些細な出来事がバタフライエフェクトとなって、今回の事件に繋がってしまったと普通の人なら考えるだろう、だからこそ、今起きている現実を目のあたりにして人として成長しなさい。


…隠蔽部隊の隊長も、同じように反省させないとね、迂闊すぎる、露見した場所を間髪入れず使うなんて襲ってくれといっているようなものだよ。


吐いている二人組に、支給されている鞄の中にあるフローラルな香りがする、うがい薬を渡してあげた。

瓶を受け取った際に見えた顔は…今にも精神が崩壊しそうなほど追いつめられた顔をしていた。

「男ならしっかりと現実を受け止めて立ち上がりなさい、貴方達が起こした出来事の先の事です、自暴自棄にならず、貴方達が出来ることで彼らに償いなさい」

その言葉を聞いた瞬間に二人組は更に激しく泣き出した、聞こえてくる声は


学校では、楽しく遊んでいたんだ!とか…

ついこの間、一緒に遊ぶ約束をしたんだ!とか…

明日の事を、わらい、あいながら話してたんだ!とか…


そんな日常の事を吐露する。


「そうだよ、いきなり死ぬ、それがこの街だ、誰だって例外じゃない」

この一言で二人は更に胃の中を吐き出し咽び泣いた。


「ここから立ち上がってこれたら君たちは強き戦士になれるよ。お姉さんが保証してあげる。今は泣きなさい、吐き出しなさい、そして、いつか彼らの無念を晴らしてあげれるくらい強くなりなさい」

二人組に別れを告げ、三つ編みの彼女もまた惨状に眩暈がしているようで、目が、瞳孔が、落ち着かないでいる。


そうね、誰だってそう、知り合いの死は、深く関わっていない人でも、堪えるもの、彼女もまた新人、恐らく、ここに並んでいる人達の殆どが顔見知りだろう。


当然、私だって知っている顔が並んでいる、隠蔽部隊で働いていた数名、彼女らも共に連れていかれたのね、安静なる永久の安らぎを、死者には安寧を。戦士には勇敢なる月の裏側へとお導きくださいませ。

祈りを捧げ、今にも倒れてしまいそうになっている三つ編みの彼女を連れて離れていく。


目的の探し人が見当たらなかったので、次に一番可能性があるとすれば、未だ治療中であるという可能性が高い。つまり、医療班の集中医療室にいる可能性がある。


もしくは、跡形もなく…あの爆発だ、その可能性だって僅かにある。





少し離れた場所まで歩くと、彼女が歩くのも辛そうにしているので近くのベンチに座らせてあげる。

座っていても顔が真っ青で辛そうにしているので、ベンチで横にならせてあげる、固いベンチに寝かすのもちょっと配慮が欠けるので私の太腿で良かったら使わせてあげようと、彼女の頭を太腿の上に乗せ頭を撫でてあげる


頭を撫でてあげると先ほどの惨状を思い出したのか、またスンスンと鼻を鳴らしている。

泣きなさい、死を悼むことは当然だもの、私だって、泣けるのなら泣きたいよ。

でもね、立場的にも人前で泣くわけにはいかないからね。


彼女がまた、落ち着きを取り戻すまで付き添ってあげる。

人の心のケアは大事。




少し落ち着いたのか頬を赤らめながら何度も何度もみっともないところ見せてしまい申し訳ないですぅっと謝るが…そんなこと気にすることは無い。

今回の事件は慣れている人でもけっこうくるものがある、現に今回の作戦に参加している人達の憤りが凄い、私でもあそこまで熱を持てないくらいに…持ってたかもしれないけれど、落ち着いちゃったかな?


次の目的地に行こうとベンチから立ち上がり、気丈に振舞おうとする彼女の足は、まだ、ふらついている、すっと腕を組みしっかりと立たせてあげる、この状態でもし、集中医療の治療中で人に見せられないような状態だったら、彼女の心は


耐えられるのだろうか?


お酒に負けてしまう様な経験の浅い、まだまだ若い子にこんな辛い現実がどんどんと襲い掛かってくる悲しくて辛い出来事に心もまだ未熟な覚悟の決まっていない彼女に、次に待っている辛い現実に耐えられるのだろうか?



でも、こんな状態で探し人が見つからない方が…嫌な想像ばかり掻き立てられて鬱になってしまいかねない。

それであれば、先の事を考えてあげるのであれば…次に進ませるのが良いと思う。


それに、誰かと一緒に知ることが出来たらどんな結末だろうと痛みは分かち合える。

連れて行こう集中治療室へ


感想、評価、いいね、Xのフォローよろしくお願いします。

感想は一言でもいいので、頂けると嬉しいです。

お気持ちだけでも励みになりますので、よろしくお願いいたします。


▼XのURLはこちら

https://twitter.com/TF_Gatf


───────────────────

追記:

完結してから、一度、見直して修正するところとか、読みにくい所があれば修正してます。

当時の目標が完結優先で、急ぎ足で書いていたので見直していなかったのです。

完結後に見直し訂正する予定でしたので!

ゆっくりと修正して行こうと思います。




─※ 完結まで読んでから見てね ※─ 

─※ ネタバレ注意 ※─ 


───────────────────

なんだろう?どうしてかわからないけれど、凄く素で居られている気がする…

きっと、全身包帯だらけで男性か女性かわからない恰好しているからなのかも?

───────────────────

この素で居られている気がするっというのは、実は、彼がこの戦いで大きく傷ついた体を修復するために全力を尽くしたため、一時的影響力が低下しているのも影響しています。

後、彼もこの魔道具とは因果と因縁が深く絡みついているので、彼自身もそれを乗り越えれたことにより気が抜けており、彼の意識がユキさんに混ざっていないからっという伏線でもあります。



───────────────────

こうしていると何となくだけど感情が伝わってくる、怖くて、悲しくて、友を心配して、不安で寂しくて、でも、殆どの感情は友達を思っての感情だ。

───────────────────

実はこの時、団長は自然と、自身の魔力と彼女の魔力を重ね合わせ魂の同調を行っており

彼女の感情を理解することが出来たっという伏線でもあります。

後々で、団長は空気が読めない、人の感情がわからないっと言われるのも当然


彼女の魂が歪だからです。


現時点では、彼女の中にいる彼がある程度、彼女の成長を促す為に色々とサポートしてくれているから人の心を察することが出来るし、魂の同調を通して、心を理解させようと補助してくれています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ