おまけ のんべんだらり2
おまけの後編です!他にもおまけもちょくちょく書いています~
何かの機会があれば、掲載していきたなっと思っておりますので!
応援の程よろしくお願いします!コメントも待ってますので!お気軽にどうぞ!やる気が漲りますので!
おかみー!っと元気よく中に入ると女将が暇そうにしてたので、その勢いのまま抱き着く
華奢な私が、勢いよく抱き着いたとしても女将は一ミリも動くことがないくらいがっしりしている、たまらん!このがっしりぐらい!たまらん!
「姫さんじゃないか!久しぶりに来てくれたねー!」笑顔で私の両脇をもって高い高いをしてくれる!最高!この力強さたまらん!!好き!
「えへへ~!お酒がゆっくりと飲める日じゃないと来れないからさー」蕩けた笑顔で言うと、すっと地面におろしてくれる
「なら、今日は飲める日だね!まってな姫さんの為に取っといた良いシャンパンがあるのさ、好きな席でまってな!」
女将はのしのしとカウンターの奥へ進んでいく、私達は馴染みのカウンター席に向かう、なんやかんやと女将と、団長と私の三人で飲むことが多い。
「おかみー!私も今日は飲むよー!」団長が席に向かいながら女将に上機嫌で伝えている、その声に「なら、私も今日は飲むよ!」どうやら女将も飲む気分になっているご様子だった。
カウンター席に座ると三人の宴会が始まった。
三人で楽しく飲んでいたら、気が付くと、お店の中も人が増えてきたけれど、女将はいつの間にか応援を呼んでいて「今日の私はオフ!女子会を楽しむよ!」ってガハハハッと豪快に笑っていた。
料理の仕込みは、オープン前に予め終えているので、後は焼くだけ!面倒なオーダーが入らない限り大丈夫だそうだけど、この店に来る常連さんは女将がお酒を飲んでる時点で察してくれる、その為、簡単な料理しかオーダーを、しない気遣いをしてくれる、皆の優しさが凄くありがたく感じる。
そうは言っても、簡単なお摘み程度なら、女将以外も作れるし、このお店でガッツリ食べたい人の殆どが、女将の得意料理ブーメランを頼むのが殆どだから、ほんっと後は焼くだけ!って状態、焼くだけなら誰でも出来る!酒の提供なら、誰でも出来る!
そして、私が飲みたいときに飲めるようにするのがこの店を開ける条件さ!って女将は常日頃周りに言っているのを見たことも聞いたこともある。
後、骨付き肉にリブロース?の煮込み?とかもよそるだけだから、今頼むと女将が作らないといけない料理って何だろう?…今度それとなく聞いてみよう、うっかり頼んじゃうと気遣いの出来ない女になってしまう。
女子会を楽しんでいたら、気が付くと恋バナにも自然と繋がっていくのが女子会!ふふふ、これさ、この時を待っていた!
丁度、団長もお酒が良い感じに回ってきたのか目がとろ~んとしてきている、この状態であれば、大抵の事は本音でしゃべってくれるだろうけれど場の雰囲気が大事!
一番手は経験豊富な女将の恋バナからいこうじゃないか!!
「女将の旦那様って、こっちにこないの?」そう、気になっていたの!こんな筋骨隆々な女将を抱ける猛者の事を!
抱かれる側としては女将の肉体は最高だよぉ?でも、男性の立場からするとどうなの?って気になってたの!
「ぁ!それ、私もきになるー、女将のーご主人って、どんな方~」を?団長も乗り気じゃないの~いいねぇ、、、
「旦那の話なんて聞いてどぉするんだい?」ちょっと照れた顔が意外とキュートだった、こういうギャップに旦那さんはやられちゃったのかな?かな?
にやにやと話を聞いていくと、旦那さんは、元々ここの研究塔で働く学者さんでお互い良く知らない間柄だったんだって
ある事件をきっかけに出会ってそこから、ちょっとずつちょっとずつ、お互いを意識してー結婚したんだって
旦那さんは、子供達と一緒に近くの街で学者として研究しながら、女将のお店に卸すための牛や野菜などの農業や畜産を営んでいるんだって、
ブーメランってあまり量が取れないのにどうして、いっぱい用意出来るのかって?それの答えは簡単、ブーメランの部位が大好物な女将に全部まわしているからなんだって!職権乱用なのかな?って思ってたらね、普通に売ると高くつくから、売れ残ることが多いっていう理由もあるんだって!…経営が上手いじゃないのさ、旦那さん研究だけじゃないやり手だねぇ…
話は戻して、元々の研究が敵である獣を研究していて、そこで得た研究結果を、畜産や農業に活かせれないかってのが研究テーマで、旦那としては生涯のテーマに尽力出来るし、愛する奥様の手助けも出来るから、今の環境が、最高だそうだ、それに、野菜や、お肉を納品する際にこっちまで旦那さん自身が運んでいるので、女将の酒場に食材などを搬入する作業を毎朝、毎日、一緒に仲良く作業してるみたいで女将としては離れて暮らしている感覚がないって、お店が休みの日はそのまま、街で早朝デートしてたりするって、早朝だからお会いしたことがなかったのか、なるほど。
自慢の娘も定期的に遊びに来たり、たまに、ここで給仕もしている、因みに、娘だと誰にも教えていないので、どの娘が私の娘か当てて見なってことだけど~。
たぶん、皆知ってる、あの子が、女将の娘なんだろうなぁって何となく気が付いているから誰も手を出せないし、迂闊に声をかけることが出来ない。
迂闊にナンパなんてしてみなさいよ?
潰される未来しか感じれないよ、そんな命懸けの遊びなんてする勇気がないよ!女将って過去、かなり上位に食い込む歴戦の戦士だからね?この街で戦う兵士諸君ならみんな知ってるよね~どんな戦果を上げてきたのか。
まぁそれだけじゃなく、目の前に母親が居るのだもの、手出し辛いって!
なお、へべれけになって、のんべ~だらりとなっている団長はね、娘さんがこの酒場に居ることに気が付いていないご様子。
っというかね、女将が応援を呼ぶときってさ、こうやって一緒に飲んでいる時が殆どだからね、【女将が飲む=私達】って感じだから、たぶん、団長は周りを見てても、覚えていないから気が付いていないんだろうな。
この瞬間だって、ちらちらとたまーにこっちに視線を向けているお嬢さんが居るからね~お母さんが心配なのかな?手を振ってみると笑顔で振り返してくれた。旦那さん似なのかなー?体型が普通の女の子だな~って声に出したら叩かれそうだ、ふへへ
団長はお酒に弱いからねーふふふ、だからこそ、本音を引き出しやすいのさ、ぐへへ
私がさー、悪い男だったらさー、団長落とすのならお酒飲ませて既成事実作るのが一番早いかもね、ぐへへ
まぁ、いざって時にお互いびっくりするんだろうけどねー、ぐへへ
一通り、旦那様の惚気話を聞かされるけど、不思議と嫌じゃない、団長はどうしてるのかなーって見ると、ふわふわとした相槌を打っている、たぶん、これは記憶飛んでそう、聞くなら今かなー?ふわふわ夢心地なら語ってくれるかも?
団長に話を振ろうとしたら「そういう姫さんは浮いた話を聞かないけど、いるのかい?愛い人が」っぐ!?こっちに飛び火してきただとぉ!?
「女将さ~、知ってるでしょ~私の好み!」女将には結構、私の愚痴を聞いてもらっているので当然知っているはず
「・・・ぇ?あれって冗談だとばかり思っていたけれど、本当のとこはどうなんだい?」ぁ、ぇ、ガチです、けど?私の好み
ふぅ、やれやれっとリアクションを取った後に
「ガチです」真剣なまなざしで伝えると
「ぁ、ら~本当だったんだねぇ、そんな人いるのかい?」ぅ、確かに居ないと思うけれど
「居る!絶対に居るの!」こればっかりは譲れない絶対的条件なんです!
難しい顔をした女将が「確認だよ?前に愚痴ってた内容そのままでいいならこうだよね?」
筋骨隆々な笑顔が眩しいナイスガイで、自分と同じくらいの大きな大剣を片手でグルグルとぶん回せるくらいの膂力があって、
どんな術式でも、展開できる究極の人並外れた魔力器官の持ち主で、姫が危なくなった時に絶対に駆けつけてくれるヒーロー?
HEROだけどHをぬいてEROくても構わない?なんだいそりゃ?英雄は色を好むものだから?有名な童話の主人公でいるけどねぇ?童話の読みすぎだよあんた・・・
はぁっと頭を抱えている女将。
だってさぁ、女将みたいなすっごい肉体美を持っている人を見たらさ?居ると思うじゃん?そんな漢!
後、別に一途じゃなくても私は構わないよ側室でも全然OKOK!!そんな理想を体現したような人が現れたら一生思い人になるくらいなら妾でも良し!側室でも良し!抱いて欲しい!…そんな理想の男がいればね?
それにさー、私の実家がある国は普通に一夫多妻制だし、ってか、ここもそうだから、別にね?複数の奥様が居るのは気にならないかな~完璧な雄が複数の雌を持つ、自然の摂理だと私は思うよ?
「ねぇ~いるよね~?私の理想の王子様♪」へべれけ一歩手前の団長のほっぺをぷにぷにしていると「そうだね~いるとねーいるねー」えへへ~ってはにかんでる、可愛いなぁ。
あちゃーこれはもう潰れちゃったかなー、せっかくだから聞き出したかったけれど、これはもうダメかなー
「女将ー団長が限界だから帰るね」お会計の支払いをする為に、プレートを出して女将に渡そうとするけれど、お代はいいよっと首をふるがそうはいかない!ってかお金なら、いっぱいあるから経済まわせてよ!私ばっかり持ってちゃ意味ないんだからね!
「だーめ!いくら三人女子会って言ってもこういうのはちゃんとしないと!」むぅっと困った顔をしているので、娘ちゃんにプレートを渡して問答無用でお会計を済ましてもらう
「それじゃおかみー!帰るねー!また三人で飲もうね!」団長を起こして、団長の腰に手を当てて団長の腕を肩に回してがっちりとホールドして連れて帰る、身長が団長の方が高いからちょっと引きずるような感じになるけど、まぁ、なんとかなるっしょ!何時もの事!
それにしてもさー、人の事をさー、華奢だー、だのなんだの言う前にさー、君だって人の事~言えないよ~?
君ももうちょっとがっしりしても良いと思うんだけどなぁ、いやなんだろうな、骨格はがっしりめだけど、男性からしたらすっごい華奢だからねー?
月夜に映るうら若き乙女二人、知らぬ人が見れば、、、ね?いらぬ噂が立つかもしれないけれど、幸いに、新人達が来るのはもっと後。
すれ違う人はみんな、知ってる人たち、変な噂がでることもなし、君だけだよ?気にしてるの。
団長、もっと心を開いても良いと思うんだ
団長が思っているよりもこの世界は、ううん、この街の人たちは君の全てを受け入れてくれるよ。
団長の私室へ到着し、団長の服や靴、それらを脱がして、ベッドに寝かしつける、下手に酔って吐いちゃってさ、お気にの服が汚れるの嫌だよね?
私もベッドに腰をかけて、ふと団長の方をみる。
窓から薄っすらと覗くお月様の光に照らされる団長の肌は妖艶で美しくて触ったら消えてしまいそうなくらい儚げで、私が雄だったら、歯止めが利かない自身がある、これ程までに美しい人を愛さないなんて雄失格だよ。
そっと、前髪の毛を整え、頭を撫でていると私も眠たくなったので、団長をベッドの奥に押し込み布団の中に入り込み寝ることに。
お酒もはいっているので、睡魔に一瞬で負けてしまう、今日はぐっすりと眠れそうだぁ、寝れない時は術式を使って強引に寝るけれど、今日は、きもちよく、、、ねれ、そう、、、、
地面が揺れている感覚がする、誰かに揺らされているの?もうちょっと寝てたいなぁだれー?
「?団長どうしたの?」目を覚ますと団長が困った顔でこちらを見ている襲撃とかがあったような感じもしないし、外を見るとまだ夜だよ?
それにどうしてシーツで上半身を隠してるの?別に私は気にしないのになぁ、
「・・・ねぇ」
どうしてそんなに困った顔で今にも泣きだしそうな顔でこっちを見てるの?どうして、そんなにか細くて弱弱しい声を出すの?
「ひめ、だめだよ」
涙はダメだよ?どうして泣くの?何が悲しいの?
「こんなの、誰かに見られたらかんちがいされるよ?」
かんちがい?なにそれ?誰がするの?誰もそんなこと思わないよ
「だって、だって僕は!、、、ぼくは、、、、」
泣かないの、悲しそうな顔をしないの、、、
「ぼくは、、、、、おとこ、、、なんだよぉ、、、、、」
シーツが床に落ちる、シーツの中に隠されていた男の姿をあらわにしていく。
そんなのこの街に住む誰もが知ってるよ、それくらいで泣かないの
そっと団長を抱きしめ「だからなに?そんな事、知ってるよ、それがなに?私達の関係はそんなことで変わったりはしないわ」
私の胸の中で泣き崩れていく、今までもきっと、人知れず泣き崩れてきたのだろう、この娘は、ずっと苦しかったのだろう。
まだお酒も抜けきっていない今だからこそ、感情を全部、全て吐き出すことが出来る、叫びなさい、消音の術式は既に展開済みよ。
泣き叫ぶ声が夜空に響き渡ることはないわ、今まで叫べなかった分、叫び続けなさい、貴女は貴方は、強くないの、弱い、か弱くて可憐な乙女なのよ。
抱きしめていた団長は今まで泣けなかった分、泣き叫び続ける、静かになったと思ったら、泣き疲れたのか眠ってしまったようだ、そのままゆっくりとベッドで横になり私も一緒に横になって寝る。
張りつめていた風船が割れるような感じだったけれど、きっと、今で良かったんだと思う、これが、取り返しのつかない場面でこんな状態になっていたら
きっと、貴女は人知れずこの世を去るか、誰も知らない場所へと旅立ってしまうと思っていたから、聞けて良かった。
暫く後ろから抱きしめるように横なっていると、目が覚めたのか頭を動かしている「おきたの?」と優しく声をかけると、うんっと小さな返事が返ってくる。
「さっきはごめんね、泣いちゃって」骨格は男性なのに、その背中は小さな小さなか弱い子供の様に思えてしまう。
「気にしてないよ、誰だって、泣きたいときってあるよね」後ろから抱きしめながらもポンポンと優しくお腹を叩いてあげる、怒ってないよっと意味を込めて。
すんすんと鼻を鳴らしている、泣き虫だなぁ、根っこの部分はきっと、か弱い乙女なんだよね。
それから、静かに語られていく、団長が幼い時からずっとずっと悩んできたことを
団長の家庭はそこまで貧しくなく、ごく普通のありふれた家庭だった、貴族でもなく、王族でもない、上流階級の家庭ではない。
普通に、染め物や、衣服をこさえては街の服屋に卸す。何処にでもある、裁縫を生業とした家庭。
その為、団長は小さなころから色んな洋服に囲まれて育ってきた、だからこそ、貴族が着るドレスには強い憧れがあった、可愛くてかっこよくて気品があって
いつか自分も着飾ってみたいと憧れを抱いていた。
でも、それを着ることが許されているのが女性であると彼は知っていた。
男が着る服はこれ、女が着る服はこれと決まっていた、そんな事は、誰もが知っている常識だった
小さな頃は、単純に綺麗なものが好きなんだろうなと思っていた、でも違った、育っていく過程で自分の中で違和感がどんどんと強くなっていった。
父親の様に、屈強な肉体には嫌悪感があった、父親の様になりたくない。
出来るのなら、母親の様にしなやかで細やかでスレンダーな肉体が美しいと感じるからこそ、自身もそうありたいと願っていた。
父親の家系は代々戦士としてずっと戦って生きてきた一族で、母は、染め物とか服を作って生計を立ててきた一族
父親の家系から考えると、男が生まれたら自然と父親と同じように屈強な体となって、戦場へ行くのだと母も思っていたそうだ。
だから、私の食卓にはいつも肉が出ていた、父と同じように屈強な漢へと育ち、大きな体へと成長して、父親と一緒に戦場で戦うのだと母は思っていたそうなんだ。
でも、母は見てしまったんだ、私が母親の作ったドレスを見てる目が、男性の目とは違っていて、綺麗に着飾りたい乙女の目をしていた、自分も綺麗になりたいと願う乙女の顔をしているのを母は知ってしまった。
それからは、食卓に肉が出ることが減った、大好きだった牛乳もなくなり、豆から作った飲み物に変わっていった、
どうして、食事の内容を変えたのかは大きくなって医学の知識を知った後に理解したの。
母はね、私の事を少しでも、女性の肉体に近づけるように試行錯誤してくれていたんだと理解したの母がずっと私の事を考えて思っていてくれたってことを知ったの。
そんな母の思いが嬉しかった、私の事をちゃんと見てくれて考えてくれていたのだと、それが分かったのが大きくなってからだったので、変な反抗期とか無くて本当に良かったと心の底から安堵した、だからなのかな?私って自分を性別じゃなくて、私の本質で真っ直ぐに心を見てくれる人を好きになるの。
好きな人もそうなの、私を性別で判断しないで、ちゃんと一人の人間として見てくれているから、好きになってしまったの
幼い頃も、憧れを抱くのが殆どが、男性だった、好きだと感じたのが男性だった、初恋の相手も、男性だった。
こう見えて惚れやすい性格で、直ぐに恋が燃えてしまうタイプ、なんだけど、自分が惚れる相手が全員男なのが、問題だった、当時は自身の心が女性だと知らなくてずっと悩んでいた、これは友達としての好意であって、物語にあるような好きだの、嫌いだのでは無いと思っていたの。
ある日、好意を寄せていた一番の友達が、女性と付き合うことになったと聞いたときに物凄いショックを受けて、立ち直れなくて何日も何日も泣いて、どうしたらいいのかわからないと母に打ち明けたら、それが恋だというのを教えてもらった。
この時に、初めて男の肉体に女性の心が宿ってしまっているのだと理解した。
それからだった、人の肉体について、心について、医学について、医療について、どんどんと人の体に関係することに興味がでたのは、これがきっかけだった。
お父さんが帰ってくるたびに、医学書をねだり、母もそれを見て、私に色んな医学書などを買ってくれた、ボロボロになるまで読まれていた栄養学の本も私に快く譲ってくれた。
私が大きくなって、最前線で働けるくらいになったときに父親に、自分の事を打ち明けると、知っていたと、どうしてわかったの?と聞いてみると男にしては、お上品すぎると教えてもらったの。
だから、私はこっちに来てからは少しガサツで、ちょっと怖めの荒々しい部分を強く出していったの、元々、医療の現場とはいえ、ここでは多少は荒くないと生きていけなかったので何も問題は無かった。
問題があるとすれば、こっちにきて、初めて人を好きになってしまったっということ、それが悟られないようにするのが本当に困難だとわかっているけれど、私の目的が達成されるまでは隠し通したかった、自分の心の事、体の事を、そう考えて、行動してたら
知ってしまったの
そんな彼にも思い人が居ることを、そして、その思い人もまた、彼の事を少なからず好意を感じていることを知ったの、だから、少しでも気持ちを落ち着かせたくてハンモックで寝てたの、彼もねよくハンモックで寝るのが好きな人だったから、まだ、二人が付き合っていると決まったわけじゃないから、少しでも彼のことを感じたくて、普段は眠らない場所で寝てたの、、、
思い人の話を聞いて該当する人物が一瞬でわかってしまう、最近、妙に二人の反応が初々しかったのを覚えている。
確かに、あの人と団長はちょ~っと仲がいいなぁっとは思っていたけれど、そうだったのかぁ、んんんんんこれは、応援しづらいなぁ、、、
「団長は一夫多妻制はあり?」と聞くと「あり!」との元気な返事が返ってきた、成程、そこの辺りは問題ではないのね。
問題は、やっぱり体か~、誰も居ない場所でひっそりと暮らすなら問題ないけれど、彼はある街の御曹司だもんなぁ、ちょっと世間体があれするかなー
・・・もしかして、団長の目的って
「なんとなくだけど、気が付いてそうだけど、私の口から貴女に聞いて欲しいの、私がね、お金が欲しいのと技術が欲しいのは」
自分の肉体を女性に変える方法、もしくは、自分の組織から、女性の体を培養して、自我をそちらに移すこと。
そして、晴れて女性の体となってから、恋を愛を感じたい、肉体的な接触だけじゃなく、心も繋がれるような恋がしたい。
愛が欲しいの
その為には、お金と技術が必要だった
「だから、私に近づいてきたの?」こう見えて、私は技術の姫様と呼ばれている、一見ちゃらんぽらんなあほな子だと思われがちだけれど、術式の構築や、魔道具を作る才能は世界中から見ても誰にも負けないと思っている。
「最初はね、そのつもりだったんだけど、今は純粋に姫の人柄が好きだからかな」照れくさそうに言われると私も照れちゃうじゃない
ぎゅっと強く抱きしめて背中に顔をうずめると「私も好き、貴女の心が好き。人として好きだよ。異性としては見てないけどね」にししと笑いながら
それから二人は色々と語り合った、姫はいつから自分の事を女性だと思っていたのかとか、本当に、筋骨隆々な人が好きなのかとか
ぶっちゃけると、団長のお父さんを初めて見たときは惚れそうになったのは内緒。まぁ、写真だけどね、もうこの世に居ない人だからね。
この日を境に私はもっともっと、人体の構造について勉強することになったし、団長も、より一層技術を高めていった、お互いのわからない部分は質問しあって、お互いの目標に向かって切磋琢磨していった。
私、研究馬鹿できっと、ここでも友達なんて出来ないだろうなって思っていたけれど、人生で一番の友達が出来たよ!
だから、私を遠い遠いお星さまになっても見守っていてね、お母様…
いつか、天にも、過去にも、未来にも届いて見せるから。
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