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Journal Journey ~魔王罪として処刑する~  作者: 柚須 佳
第7章 印刻の鎧 真暦1498年10月
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5.ヒトノコ

 不思議な子だ。と言っても、人魚の子を、人の子と比べて良いのかは分からない。

 先ほど、祝福の儀式を終えると、体力を使い切ったのか、単純に睡魔に負けたのか、アンは腕の中でスヤスヤと眠ってしまった。

 寝顔だけ見ていれば、可愛い少女なのだが、足元に目をやると、やはり、そこにあるはずの脚はなく、赤い鱗で覆われている。

 紛れもなく人魚なのだ。

 傍らで、話をしていると、つい忘れてしまいがちだが、やはり、この子は人ではない。

 しかし、だから、なんだって言うのだ?

 下半身が鱗に覆われているだけで、他の部分は人と同じではないか?

 例えば、片足を失った人間だっている。指は? 腕は? 目は?

 体の一部を失った人は、人ではなくなってしまうのか?

 そんなことはないだろう。

 であれば、両脚を失った人間と、脚が鱗なアンとの違いは、どこにあるのだろうか?

 人というのは、どこまでが、人の形をしていれば、それを人と認識するのだろうか?

 強いて言えば、人魚だから……そんな、悲しい理由だけで、あんなにも酷い目に遭う世界を許してしまって良いのだろうか?

 しかも、ここは、フッカ王のユガレスだ。

 あの寛大な王が治める国でも、この有様なのか?

 世界というのは、こんなにも不寛容なのか?

 王子は、改めて、この旅の過程で、フッカ王に会うべきだと思った。

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