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Journal Journey ~魔王罪として処刑する~  作者: 柚須 佳
第七章 印刻の鎧(真歴九九九年一月)
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5.シロクマ

 王子は勢いよく幻真の剣を抜くと大声を上げて白熊に切りかかった。

 が、幻真の剣が空を切る。

 白熊は素早く避けると、すぐさま二本足で立ち、前足を振り下ろしてきた。

 王子も素早く白虹の盾を小さく展開し、前足の一撃を受け止めた。

 しかし、白熊の一撃は力強く、王子はその場に倒れてしまった。

 間髪いれず白熊はとどめをさそうと、もう一度前足を振り下ろす。

 王子は横に転がり、この攻撃を上手くかわす。


 白熊は放った前足を地面につけ、今は四つん這いになっている。


 王子が体を起こそうと、雪の中に左手を着くと、そこに何か硬いものが当たった。

 王子は白熊の挙動を見つめながら、静かにそれを拾った。


「これは! ジェニーのレインボーガンか?」


 王子はゆっくりと右手の剣を地面に置き、左手にあるレインボーガンを右手に持ち替えた。

 白熊がゆっくりと近付いて来る。


 王子は白熊の眉間に狙いを定め、指先に集中した。

 発射してると思え!

 王子は自分にそう言い聞かせるように心の中でイメージを膨らませた。

 その時、パンっと手元で何かが弾けたかと思うと、次の瞬間矢が吹き出し、白熊の眉間を貫いていた。


 ドサっと白熊が雪の中に倒れ込むと、辺りが白熊の鮮血で赤く染まった。


 王子は一息つくと、レインボーガンのあった辺りの雪を掻き始めた。

 ジェニーは直ぐに見つかった。

 が、白熊にやられたのか左足の太もも辺りが大きくえぐれていた。

 王子が倒れているジェニーを抱きかかえると、左腕の辺りにも引っ掻き傷のような痕があった。

「すまない、ジェニー」

 王子は目を瞑り、ジェニーに祈りを捧げると、ジェニーの身体を担ぎ上げイソダムの家へ戻って行った。

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