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大好きな妻と歩む道  作者: ゆき


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70日目 思い出のバイク


9月9日(水)

午前8時頃

昨日深夜に足つりで起こされ動画配信で覚えた対処法を実行した。

程なくしてつりは取れたがまたこのまま寝ると酷いつりが襲うので仕方なく1階で足がこ慣れるのを待つ。

再び寝たが中々寝れず起きたら珍しく8時になっていた。

慌ててゴミをまとめゴミ置き場に行きゴミを整理して自分のゴミを収める。

手を洗い妻に挨拶をする。


おはようムッチぃ〜

今日はね兄さんがバイクの下見に来るよ

見守っていてね

今日も一日よろしくね


神棚に行き神様に仁礼仁拍手一礼をし祈りを済ませる。


キャブが被り動かなくなったバイクがある。

既に2年は動いていない。

2年前に義母の徘徊捜索で使って以来キャブが被って動かなくなった。

本来治しておけば良かったが自身の糖尿病が酷くなった時期も重なり直せずそのままになった。

可哀想だがもう乗れない。

下半身の痺れも心配だがバイクは足がつる。

小さなスクーターぐらいなら問題は無いが大きなバイクは無理だろう。

仕方なくバイク乗りの義兄に頼んで引き取ってもらえる様頼んだが家に置けるスペースが無いので無理だと断られた。

それでも頼み込む

何故そこまでするのか、それは妻を後ろに乗せ走った過去があるから

その時の情景を思い出すだけで泣けてくる。

出来れば知っている人間に乗って頂き大事にしてもらいたい。

それが私の願いだから義兄に一度断られても何度も頼み込む

兄は言う


「ウチのバイク仲間の連中に聞いてみるか」


ありがとうございます。

そして今日バイクの下見にやって来る。

問題は気に入ってくれるかどうかだ。


午前10時

昨日の申請書類をまとめているうちにすっかり朝食を忘れていた。

お腹が空かないからすっかり忘れていた。

もう諦めよう。


午後12時

兄と共に大柄な男性が一人私の家にやって来た。

挨拶を済ませ先ずはバイクを見せる。

カバーを外し現れたのはカワサキのエストレヤ

スペシャルエディションだ。

私はコレを気に入って購入した。

とにかくレトロでカッコイイ!


それを見るなり大柄な男性は興味を注いだ。

これはいい…カッコイイなぁ

状態も比較的いい

サビもほとんど無い理由も話し俄然欲しそうな流れになっている。

また修理にあたっては既にパーツや洗浄剤に保護液と購入済みなのでそれも渡せる話もした。


おいくらで譲れますか?

と聞かれたので、いえお代よりも大事に乗って頂けるのならばお代は結構ですよと答えた。

それでも兄の知り合いなのか申し訳無さそうにそれでも多少でもお払いしたいと言ったので何故知り合いに乗ってもらいたいのか話した。



「このバイクにね妻を乗せた事があるんです」


もう既にウルッとしている。


「その思い出があるので大事にして頂けるのであれば…」


何か声に詰まって上手く話せない。

多分言いたい事は伝わったと思う。

ダメだな私はまだ妻の話しがまともに出来ない。


この場での返事は無かったが廃車手続きの書類と売ろうと思っていたフロント、リアバック類と修理キットを渡して後日また連絡する運びとなった。


エストレヤへ

欲しくて買ったバイクだけど乗り手がバイクをいじれぬど素人でほんとごめんな

今度の人は大事に乗ってくれそうだし色んな所へ連れてってもらえると思う。


『キノの旅』と言う不思議なアニメがある。

元々は文庫からのアニメ化なのだろうが私はアニメ版しか知らない。

主人公キノの相棒が人と話すバイクのモトラドで一人と一台で話しながら旅をする物語だ。

そのアニメが私は大好きでウチの子エストレヤも何だかそのモトラドみたいな感覚になっていた。


可愛い相棒エストレヤ、主人が代わってもいつまでも可愛がってもらってね

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