588, いよいよ、その本性が現れた。今回の問題は、政が大きく絡んでいると……。そんなの、わかっているわよ。
そう。いよいよ、その本性が現れた。それが……2500量子ビットという数値よ。
一見すると、何の変哲もない数字。ところが、この数値ひとつで、あらゆる問題を都合よく抽象化できてしまう、恐ろしい性質が潜んでいたの。
まず、出所が不明瞭。どこから出てきたのか、誰が根拠を示したのかもはっきりしないわ。だから怪しい。でも同時に、どこか現実味があって、しかも妙な悲壮感まで漂わせている。それが、この「2500」という量子ビット数よ。
もしこれが数万なら、「まだ先の話」で片づけられる。逆に数百なら、「それは無理でしょう」と一蹴される。ここに理屈なんて存在しないのよ。そう……民の感情を、ちょうどよく揺らす場所。そのために選ばれたのが、この2500という、絶妙に「現実感のある数字」だった。
そして、これは……ええ、政が大きく絡んでいるわ。
闇の勢力やブルーステートの存続が懸かっている。だからこそ、ここにきて一気にカードを切ってきた。ただし、直接は見せない。間接的に、闇のように、ゆっくりと侵食する。民を惑わせるには、それがいちばん効果的だからよ。
そのための道具として、これほど使いやすいものはない。そう……2500量子ビット。
案の定、この数値が投げ込まれたことで、コミュニティにも亀裂が生じた。「急がなければならない」という声と、「まだ時間はあるはずだ」という声。きれいに二手に分かれたわ。
ところが、その議論の中心は……ショア。完全に的外れよ。ショアが、現実の暗号スケールで、こんな少数の量子ビット数で実用化されることなんて、あり得ないわ。それなのに、その点には踏み込まれない。勘違いしやすい場所を、見事に突かれているわ。
一方で、グローバーには触れてくる。ただし、それでも曖昧。そこにさらに、「二年から九年で破綻」という、出所不明の期間を結びつける。すると……急に、それらしく見えてしまう。
どうかしら? 少し並べただけでも、これだけ無理のある関係を、強引につなぎ合わせてくる「2500量子ビット」という影の存在。こんな概念を思いつき、しかも実行に移す者たちには……正直、恐怖すら覚えるわ。でも、これくらいのことを平然とやる。それが闇なのよ。
そして、あの「梯子を外す」という件。どうやら、全部外すつもりのようね。ハッシュレートが絡むから、そこにもこの2500量子ビットを絡めてくるのでしょう。使いやすいのよ、本当に。でも……すべて的外れ。
テクニカルに見れば、「いったい何を言っているの?」という話。でも、理屈は関係ない。感情を動かせれば、それで十分。まさに……政と化しているわ。
内からも、外からも、わたしを引き裂こうとする。それが本性ってことね。もう、隠してもいない。剥き出しで、本気。
……ほんと、久々よね。そう……。




