581, この総攻撃を止めるには、そこしかない気もしてきたわ……。どんな作戦でも「儲け」は絶対条件。そこが、闇の弱点なのかもしれない。
どうやら、闇の精鋭と呼ばれる下僕だけじゃないわ。その「手下ども」まで、完全に動き始めたみたいね。すぐにわかるわ。彼らは前に出ない。精鋭の補助役に回るのよ。情報を操作し、空気を歪め、闇が勢力を広げる場面では、怪しげな術で民を惑わせる……。
この規模で暴れ始めたのは、ほんとうに久しぶりなはず。それだけ闇も追い詰められている、そう考えていいのかしらね。
「うわ……この雰囲気。俺が……な銘柄で蹂躙されたときと同じだよ。この闇、あいつらと同じ臭いがする。間違いない。ただ、あれは局所的な話だった。今回のこれは……規模が大きすぎる。正直、怖いな……。」
「ちょっと。あんたがどんな銘柄を好んで触ってたかは知らないけど……。そんな……な銘柄と一緒にしないでくれる? どうせ二桁年、連続下方とか、そういうのなんでしょ?」
「まあ……そうだな。ははは。」
「な、なによ?」
「……それが聞けて、少し安心したよ。闇の総攻撃はさすがに堪えるからね。でも、その様子なら……。」
「そ、そうね。大丈夫よ。」
心配してくれていたのね。ええ……大丈夫よ。この「アリスのお守り」を握りしめていれば……。こんな状況の女神だなんてね。でも、これで助かるなら、恥でも何でも受け入れるわ。
「それにしても、このままだと本当にジリ貧だぞ。この攻撃……闇も、儲け以外の目的があるな。」
「あら。勘が鋭いじゃない。そうよ。闇は……存続の危機なの。だから持てる力を、全部出し切ってくるわ。」
「……まじで?」
「うん。もちろん闇の精鋭でも、手下クラスになると儲けしか頭にない。にやにやしながら、SHA-256をちらつかせていたわ。……そこは、やっぱり闇よ。でもね、邪神に忠誠を誓う精鋭は違う。儲けと存続への焦りが、半々ってところかしら。」
「……精鋭でも、儲けは気にするんだな。それなら、ちょっと安心した。」
「あら? そうよね。安心材料よ。つまり……精鋭でも、損をするなら、動かない。そこは間違いないわ。」
……そう。それは確かにある。この総攻撃を止めるには、そこしかない気もしてきたわ……。どんな作戦でも「儲け」は絶対条件。そこが、闇の弱点なのかもしれない。
「しかも、ピンポイントでネゲートの周辺を狙ってる感じだな。」
「そうよ。わたしを支える精霊たちに、総攻撃を仕掛けているのよ。必死に守りを固めて、防御に徹しているけど……いつまで持つか。ううん、今が踏ん張り時だって、励まし合っているわ。」
「……。」
「……言いたいことはわかる。闇は、わたしを討ちにきているの。だから、その精霊たちが倒れたら……次はわたし。このクリプトの塔そのもの。それを邪神イオタへの手土産にして……まず、時代の半分を取り戻すという算段。そんなところかしら。」
闇を甘く見ていたわたしは……本当に甘かった。でも、ここは必ず耐えるわ。……絶対に。




