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妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
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第38話~筋肉集約~

決勝戦はスルマvs槍聖だ。

魔法弓士のお陰で筋肉達磨も完璧じゃないのが

分かったからね。

槍聖なら勝てるかも知れない。

ただステータスを見ると、筋力だけが物凄い多い分

HP・物攻・物防はスルマの方が

勝っているんだよね。

スピードで掻き乱せば行けるか?


「あの槍使いはかなり強そうで楽しみだ。」

「分かるのかい?」

「筋肉がヒリヒリするからな。」

「ヒリヒリね。

 その感覚は分からないけど、強いのは確かだよ。

 上級職の槍聖だからね。」

「上級職?

 良く分かったな。」

「ボーナス能力のお陰で

 ステータスを見れるからね。」

「そんなボーナスが合ったのか。

 全部筋力に振ったから知らなかったな。」

「それは勿体無い事をしたね。」

「ゲームなんかだと一点極振りが

 常識なんだけどな。」


ゲームって全宇宙共通なのかな?


「上級職か・・・ダージー以来だな、戦うのは。」

「ダージー?」

「紅のリーフのリーダー、ダージーだ。

 有名だから知っていると思うが。」

「知っている・・・というか助けて貰ったよ。」


ダージーさんか。

俺以外の転生者に会ってたんだね。

2人共気付いていないけど。

孔雀眼がなければ気が付かなくても当然だけどね。


「あの時は負けたが、

 修行を積んだ今なら勝てる・・・

 これは前哨戦だな。」


スルマに勝つなんて、凄いなダージーは。


「舞台の準備も整ったみたいだな。」

「あぁ。見事だね。」


土魔道士達が大きな土壁を作り、

それを倒すことで土台が出来上がり、

金魔道士達が岩石を次々と作り、

そして石の刃で綺麗に整えていく。

それを並べて舞台が完成。

まさに職人芸だね。

舞台が粉々だったのが嘘の様だよ。


「楽しんできてくれ。」

「あぁ。楽しむとするよ。」


さて、まずはどう動くかな。

今までの戦いを見ていると、

スルマは相手の攻撃を受けきった後に

反撃しているからね。

今回もきっとそうだろう。

となるとまず動くのは槍聖だね。

槍聖が前のめりになって行く。

飛び出したぞ。

早い!

一瞬でスルマの前に行ったと思ったら

横に移動して突きを放った!!

でもスルマも見えてはいるみたいで、

ギリギリで交わしたぞ。

槍聖もそれまでの試合と違い、

ギアを上げてきた様だ。

これは面白くなりそうだね。

観客も大盛り上がりだ。


どうやら槍聖はスピードで掻き回しての攻撃を

選んだ様だ。

右に行ったり左に行ったりと

不規則な動きをしているから

スルマも目で追い辛くなって来たみたいだ。

となるとそろそろ隙も出来そうだね。

思った傍から槍聖がスルマの後ろを取ったぞ。

まずは一撃・・・と思ったら突きを流す様に

体を回転させたスルマがそのまま槍聖に攻撃・・・

を交わすと。


また槍聖が不規則な動きを始めたぞ。

更にスピードを上げた!?

これならスルマもって、

槍聖の動きにぴったりくっついている!?

毎度の事ながらステータス上では追い付ける訳が

ないんだけどね。

地面が削れている所を見ると、

踏み込む力が凄く、

反動でスピードが上がっているのかな。

そしてスルマがパンチを当てて、

槍聖の動きが止まったぞ。


「中々のスピードだが、所詮は平面。

 ワシを掻き回したいなら立体的にしないとな。

 こうやって!!」


スルマが前後左右に加えて

空中も飛び回り始めたぞ。

確か空気を踏んで移動するって言ってたね。

槍聖は止まったまま動けないでいる様だ。

いや、動かないで待っている?

違うな。

槍にエネルギーが集まり始めている。

何かをする気だ。

スルマは恐らく気付いていない。

孔雀眼を持っていないしね。

となるとそのまま突っ込ん・・・だ。

槍聖が舞台に槍を突き刺した瞬間、

無数の槍が地面から飛び出したぞ。


「ぐぁ!?」


勢い良く突っ込んだスルマは、

避けきれずに当たったみたいだ。

そしてそのまま舞台に突っ込んだ。

その間に更に槍聖が槍にエネルギーを

貯めているぞ。

槍聖のHP・MP・EPが減って行っている。

オーラフラッシュ?

いや、あれは物理攻撃が効かない敵への攻撃だし、

MPは減らないはずだ。


「フレッシュ!!」


HP・MP・EPを闘気に変えて槍に蓄積後、

突進しながらの強烈な突き攻撃で、

通常の5倍の威力がある様だ。

スルマの体勢は崩れたままだぞ。


「キ・ン・ニ・ク!!」


ギリギリ筋肉を強化した防御が間に合ったぞ。

でも


「グゥ・・・」


右肩に刺さり場外ギリギリまで下がらされたぞ。

槍聖が後ろに下がってまた同じ体勢になった。

次で決めるつもりだ。


「さすがは上級職だ。

 じゃが、この程度ではわしは倒せ」

「フレッシュ!!」


台詞を言い終わる前に槍聖が止めの一撃を放った。

ご自慢の筋肉じゃ、もう耐えられないぞ!?


「筋肉集約!!喰らえ!!」


そんなアホな。

左腕の筋肉が全て右腕に集まったぞ。

そして槍先を殴って止めた!?


「おぉぉりゃぁぁぁーーー!!!」


更に吹き飛ばしたぞ。

というか槍に刺された傷は・・・塞がってますね。

これは勝負ありだね。

槍聖のMPは尽きたからあの技はもう撃てないし、

他にスキルも無さそうだしね。

いや、まだ諦めてないね。

他に何かあるのか?

HPとEPがどんどん減って行っている。

死霊魔道士に使ったオーラフラッシュとは

明らかに減って行く速度が違う。

どんなスキル・・・ん?

スキルが増えたぞ!?

スキル名は


「アン・ドゥ・フレッシュ!!」


HPとEPを限界まで闘気に変えて槍に蓄積後、

フレッシュを放つ。

避けられる、止められる等、

攻撃が命中しなかった場合、

闘気を槍に変え、自動的に追撃する。

ということは、さっきと同じ様に

殴って止めたとしても追撃でやられるぞ。

どうする、スルマ!?

槍を殴・・・らず右に僅かに避けて交わしたぞ。

そして来るのが分かっていたかの様に、

追撃を右拳で殴って掻き消し、更に体を回転させて

槍聖のがら空きの胴へ蹴りを当てた。

HP・MP・EPがほぼ空な槍聖は、

そのまま吹き飛び場外に落下。

スルマの勝利だ。


本当に強いね。

それに戦闘の感も凄いらしい。

ダージーにも勝てるかもね。

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