兄と弟
前回は仲良し兄弟のほっこりエピソードだったね。
今回はまた現在に舞台が戻るぞ。
宇田川榕は、再びコフィアに出会うのか?
出会わないのか?
まぁ…出会うんだろうね。
前回のエピソードから25年が経ち、また舞台は現在に戻る。
俺は母親が経営している小さな喫茶店の手伝いをしながら、のんびりと暮らしている。
「そういえばさ…昨日の夜、イオリ兄の夢を見たよ。なんでだろうな」
「えっ!あ、そうなんだねぇ…イオリくんもう長いこと会ってないのにね…」
なんだか母親は、奥歯に物が挟まったような言い方をしている。そう、俺には3つ上の兄がいた。だが、俺が高校に入る前の時、イオリ兄が高校卒業した時かな、アイツは急にいなくなった。
小さな頃から、俺はヒーローになる、ってずっと言ったよな。熱血漢で、俺が同級生とかにいじめられていた時も、イオリ兄はすぐ助けにきてくれた。
ただ…アイツ弱かったんだよな…。めちゃくちゃ弱かったんだよ。たぶん俺のほうが腕っぷしはあったんじゃないかな。
「そういえば、昨日みた変なGみたいなやつ。母さん知ってるの?なんか反応変だったよね…?」
「えっ?そ、そんなことないよ。またもし見かけたら母さんに教えてね。母さんも見てみたいわ」
「うん…まぁいっか。あ、今日は配達はないのかな?ちょっと商店街の本屋さんに行ってきてもいいかな?」
というわけで、俺は近くの商店街の古びた本屋に、本を見に行くことにした。外はまだ少し風は寒いが、日中は気温も上がってきて、ぽかぽか暖かい。
商店街はホントに歩いてすぐのところだから、あっという間につく。ん?なんだか本屋が騒がしいぞ。
「おい、オッサン!この汚い本のホコリが俺のジャケットについちまったじゃねえか!!」
「え、えぇっ!そんなこと言われても…」
明らかにチンピラっぽい風体のヤツに本屋のオヤジが絡まれている。その時…
「ドリップ!オン!!」
ん?この声はもしや…
「なんだお前は!!気持ち悪いGみたいなお面つけやがって…」
「なんだ君は、と聞いたか…?私の名前は…あっ!」
今、あっ!て言ったよな。俺の方見て、あっ!て言ったよな。なんか素の声だったよな。やはり昨日のG仮面だった。
「気を取り直そう。私の名前は…珈琲ライダーコフィアだっ!とぅっ!」
どえい、じゃないのか。とぅっは飛ぶ時だろうが。
「コーヒーライダーだとぉ…?気持ち悪いお面かぶったやつが何を偉そうに。おらこっち来いよ!」
チンピラがコフィアを捕まえて、本屋の外に連れていく。おいおい、大丈夫かアイツ…
「コフィアさん!悪いやつをやっつけてやっておくれ!」
いや、本屋のオヤジも知ってるんかい!
「ちょっと待つのだ。温かいコーヒーを飲めば心も体も温まるぞ。ほら…あつっ!!」
コフィアというやつは、どこかからコーヒーを取り出してチンピラに差し出そうとしたが、チンピラはそれを払い除け、コフィアにかかった。
「ふざけてんのかてめぇ。とにかくこっち来い」
商店街の路地に連れ込まれるコフィア。んー…しゃあないアイツ弱そうだし見ていくか。
「私は困っている人をみたらほっておけないタチなのだ。お前は何に困っている?」
「ん〜そうだな。俺はお金に困ってるな。100万くらい必要かな。助けてくれるのか?」
アホだなあいつ…しょーもないチンピラなんかほっておけばいいのによ…
「100万円なぞ無理だな。ホットコーヒーならあるぞ」
「俺はコーヒー嫌いなんだよっ!」
すかさずチンピラがコフィアを殴ろうとした…
「やめとけ」
しゃーないから俺はそのチンピラを止めた。殴ろうとした腕を掴み、逆向きに曲げる。
「な、なんだよおめぇ…この変態仮面の知り合いかよ?」
「知り合いかどうかは関係ないだろ。困ったやつがいたらほっておけないのがヒーローなんじゃないの?」
俺は一発チンピラにお見舞いした。おもいのほかチンピラは弱く、地面に倒れ込んだ。
「くそっ!覚えてろよ〜!!」
すぐ、忘れるよ、お前なんか。というか…どうするよコイツ…。
「何してんだよ、イオリ兄」
「なっ、なにっ!ヨウちゃん…気づいていたのか…?」
「気づくも何も…お面から目が透けてるよ」
まさか、まさか!
コフィアは宇田川榕のお兄ちゃんの菴だった!!
あ、バレバレか。
というか、長いこと行方不明だったのに、なんで今更あらわれたの?何しに来たの?
それに弟に助けられてカッコ悪いな〜。




