育成期間0年5ヵ月2週間
火傷の治りが思ったよりも遅い。
以前、ブラストベアーから半殺しの目に合った時と比べ、ダメージ自体は小さいはず。
にも関わらず、今だ完治には程遠い状態だ。
やはり薬草と回復薬は、同種であっても同列ではないらしい。
しかし、この状態では遠出ができない。
いつもの平原で訓練ができないとなれば、学園内の育成所へ向かうしかないのだが・・・。
・・・・・・
何を、躊躇している?
暫くの間、踏ん切りがつかず、時間を無駄にしてしまった。
全く、らしくないな。
あんな連中、無視すればいいだけのこと。
そう、居ないものと思えばいい。
あいつらには、何であろうとそれを向けること自体、無駄だ。
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育成所に着くと、何か違和感を覚える。
見覚えの無い顔触れがちらほらと見えているのが原因か。
周囲を見渡し、情報を収集。
そして、自身の記憶と知識に照らし合わせてみる。
どうやら、何体かの魔獣が「存在変異」したらしい。
魔物は、ある特殊な条件を満たし、相応の経験を積むことでより強固な存在へと変化する。
その変化は千差万別。
魔物の生態が記録され始め、すでに何百年もの月日が経ったにも関わらず、
今だに亜種・新種の発見報告は絶えることが無いそうな。
この存在変異は、当然魔獣にも起こり得る。
まあ、魔物を模範して創り出されているのだから当然と言えばそうなのだが・・・。
ちなみに、今のところ存在変異しているのは下級の魔獣だけのようだ。
見える範囲で、俺が知っている魔獣を挙げるならば。
戦闘訓練を施し、幾度かの戦闘を経てゴブリンから「ゴブリンソルジャー」に。
鳥系魔獣のハーピーに毒物を摂取させ続けることで「ポイズンハーピー」に。
不意打ちによる殺傷を続けさせることでコボルトから「コボルトキラー」に。
蟲系魔獣であるソードビートルをひたすら
人型の魔物と戦わせることで「ヒューマノイドビートル」に。
同じソードビートルでも、「突く」ことに
特化した訓練を積ませることで「ホーンビートル」に。
変わり種としては、ゴブリンに腐肉だけを与え続け、瀕死の状態を数日キープ
することで、獣系から不死系に変化した「ゴブリンゾンビ」という魔獣もいた。
こんなところか。他にも見覚えの無い魔獣が何体か確認できる。
それらについては、そのうち図書館で調べておくことにしよう。
・・・にしても、もう存在変異する魔獣が出てきていることには驚いた。
夢に向かっているのは俺だけではないことを再認識。
同時に、俺の魔獣がどういう存在なのかも、再認識させられた。




