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育成期間0年4ヵ月3週間

『マニカル候補生、入れ。』


ようやく俺の順番が回ってきた。

部屋に入り、担当の教官が待機している席へと足を運ぶ。


俺達、従魔士候補生の卒業試験に教官は基本的に干渉しない。

要するに、勝手にやれ。ということだ。


しかし、だからと言って何も知らないというのは、それはそれで不味いらしい。

というわけで現在、候補生達が各々の教官へ途中経過を報告している最中だ。


俺を担当している教官は、髭を蓄えた小太りの男。

正直なところ、この教官とは反りの合わない部分が多々ある。


だがまあ、こればかりは諦めている。

自分と相性の良い人間に師事してもらえるなんて事は、そうそう無いものだ。


教官の前に置かれた椅子に腰掛け、まずは現状の報告を行う。

魔獣のステータス、能力アビリティ、俺自身のスキル、

そして近況について事細かに説明していく。


説明を終えると、今度は教官からのお小言だ。

これは、適当に相槌あいづちを打ちつつ、聞き流しておく。


内容は掻い摘んで言うと『お前は一体何をしているんだ。』とのこと。


周りはすでに、ただの訓練からより実戦的なものへとシフトしているらしい。

なのに、今だ魔獣への基礎訓練すら満足にできていない俺は、

怠けているように捉えられたようだ。


・・・一応、反論しておく。


だが、相手には言い訳にしか聞こえないだろう。

案の定、教官もそう切り返してきた。



『マニカル候補生。お前は自身の無能を棚に上げ、魔獣のせいだと言い張るのか?

 自分の魔獣が非力だから、何もできませんと?

 我々従魔士は、どんな魔獣であろうとそれを1人前に鍛え上げるのが仕事だ。

 それを知っているならば、今後そのような言い訳を使うのはやめろ。』



・・・・言いたい放題だな。無理なものは無理だ。


俺の魔獣が、ゴブリンとそう大差ないものだと思っているんだろう。

実際のところ、致命的な差があるのを分かっているのだろうか?


俺だって、好きであの魔獣を鍛えているわけじゃない。

他に代わりがいないから、あれに賭けているだけだ。


交換が利くなら、今すぐにでも・・・・・。



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