455/509
2章 111
どうしても行きたい場所があった。
色んなタイミングが合えば鈴城さんと行きたかったけど、そうはならなかった。
大好きな作家さんが名古屋に来ると聞いて、絶対に行くんだと決心を固めたのが前日。
それはまでは正直ウダウダと悩んでいた。
そんな私を見て和氏さんが教室で、
「ど、どうしちゃったのかな?」
と顔を覗き込んできたので、説明をしたところ手をぽんと合わせて、跳ねて、飛びっきりの笑顔で「行こうよ」と言ってくれたのだった。
そして、いつもの如く何も知らない白狼さんが和氏さんに引っ張られて困惑している。
「え、なに?なんで?」
「海戸ちゃんも行くよ」
「だから、何に?」




