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「目をつぶりなさい」
岐阜さんは言われるがまま目をつぶる。
鼻筋の通ってまつ毛が長くて、薄い唇。
ただ触れるだけ。
目を閉じろと言ったのに、超至近距離で目が合って、瞳孔までよく見える。
この目に映る世界がどんなものか、その目に通る私の姿はどんなふうに移るのか。こんなに近くてもそんなことは分からない。
「貴女キスしたことはある?」
「な、ない」
口を抑えて、何が起きたのか理解するまもなく問うと首を振る。
有るくせにと薄ら笑いが込み上げる。
「私も無かったわ。同じ日にファーストキスもセカンドキスもするなんて思わなかったけどね」
「え、それって」
「さあ、帰ってちょうだい」




