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「おまたせ」
「ありがとう」
凄いと思った。ちゃんとオムライスだった。
お店とかのライスに卵が乗っかってるやつじゃ無いけど、半熟で美味しそう。
「凄いね」
「た、たべて美味しかったからにして」
ガチガチになってる岐阜さんは私が食べないと、岐阜さんも食べないだろうなって思ったから1口掬って食べる。
「美味しい」
「ほ、ほんと?よ、良かったあ……」
鶏肉や野菜が食べやすいサイズで食感も良かった。
人が作ってくれたご飯がこんなにも美味しいなんて忘れていた。
岐阜さんも自分で作ったオムライスをたべて安堵していた。
食べるまで信じれなかったのだろうか。私が言ったことがお世辞だと思ってたのか。
会話らしい会話なんて無いけど、悪くないと思った。
カチャカチャと食器の擦れる音だけ。
あっという間だった。
「片付けはやっておくから帰りなよ」
「え、ありがとう」
時間は結構遅いからって言うのもあるけど、作らせて、洗わせる事までさせたくは無かった。けど、素直にそんな事を言うのも恥ずかしいから時間を理由にした。
岐阜さんが私の部屋から荷物を持ってその背中を送る。
「じゃあ」
「ご飯、美味しかった……。じゃあまた」
岐阜さんが何か言う前に背中を押して追い出した。
何を言うにも気恥ずかしさが付き纏って、少し嫌だ。
食器を洗う為にダイニングへ戻ると、2人分のお皿。
1人だけの細かな音だけ。
洗い終わるとなんとも思わなかった夜に寂しさがある事に気付いた。
「……1人が少し寂しいだけ」




