173/509
173
「分かった」
鈴城さんは以外にもあっさりと了承したけど、何かしてくれる気配は無い。どういうつもりか分からなくて首を傾げる。
「今じゃない。少し時間をちょうだい」
「いいけど」
鈴城さんはクローゼットやカラーボックスを漁り始めてブツブツ何か言いながら服を引っ張ってきた。
「これは?」
「私の寝巻き。風呂行ってくる」
そうしてポツンと取り残された私はどうしようかと途方に暮れる。
部屋を漁りたい気持ちはあるけど、良心が待たをかける。
これは良心に従った方がいい。
「お」
意外や意外。ゲーム機だ。しかも最新のヤツ。
鈴城さんは裕福な部類だと思う。
私もゲームやるからわかるけど勝手に触って欲しくないんだよね。
だからお預けかな。となると、やることが無くなって勝手にベットに寝転がるしかない。
眠気なんてなかったけど、鈴城さんが普段寝ている場所で、微かに花のような香りがする枕に顔を埋めているとだんだん眠くなってきた。
睡魔に抗えそうにない。瞼がじんじんと痛い。
瞬きの回数が増えて、次第に微睡みに身を任せる。
私は今、鈴城さんだと言っても過言じゃないかもしれない。
馬鹿げたことを考えてるうちに私は眠りに堕ちた。




