表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

第4話 お姉ちゃんと初めて会った時の話

 皆が集まっている所に向かおうとした時に

「ねぇ」

 後ろから声かけられて、振り返った。


「えっ?」

 そこには、すらっと背が高く、凄く美人のお姉さんが立っていた。

 ボクと同様に白いタイツに、レオタードは黒だ。

 ボクと顔を合わせた瞬間、とても魅力的な笑顔を見せてくれた。


『うわっ』

 その笑顔にいきなり、胸がドキンと鳴った。肖像画のお姫様みたいなお姉さん。いきなりで目をらせられなかった。


「ねぇ、あなた。今日が初めて?」

「え、あ、そうです……」

 声も、とても綺麗。少しおっとりとして、でも綺麗に透き通っていた。


「やっぱり。ここはチケット制だから、毎回必ず同じ人が来る訳じゃないけど、でも多分これまで見た事無かったから、初めてだと思ったの。それに貴方あなた、とても背が高いし」

「い、いえ……」その後『アナタ程じゃナイデス』と言いかけたけど言えなかった。

 実際、ボクは身長155cmくらいでクラスでも男子含めて1・2争っているが、彼女はさらにそれ以上、おそらく165cmはあるんじゃないかな。


「姿勢も良いわね。中学生?」

「い、いえ。今度、中学になります」

「そう……」

 そう言って彼女は、ニコっと大きく笑った。


「私は今度3年生。だからここじゃ最上級生。この教室は中学生までだし、今年の3年生は全員受験勉強で退会しちゃったから」

「あ、ああ、ソウナンデスカ……」

 何か動揺して、自分で何を言っているのかも自覚できない。


「とても歩き方の姿勢が良いからびっくりしたの。やっぱりバレエ経験者?」

「え、いえ。今日が初めてです」

「うわぁ」

 そのお姉さんが目を丸くする。


「そうしたら凄い素質ね。ぜひ、続けてちょうだいね」

「あ、いや……」

 ママに騙されて、今回限りと言えない。

 でも、ちょっと気になった事を聞いてみた。


「あの、ここチケット制なんですか?」

「そうよ。ここは市の設備とかの好意で凄く安いの。券は1枚500円なんだけど、幼稚園中心のテディクラスは1枚。一つ上のジュニアクラスはチケットは2枚。上級のユースクラスは3枚なんだけど、今日はジュニアとユースは合同みたいだから、今日は私も2枚なの」

 そう言って、お姉さんはニッコリ笑った。

 すると、ジュニアクラスで1回1,000円か。思ったより安いな。

「じゃあ、ボクなんかは2枚なの?」

「ううん」

 お姉さんは、ちょっと笑い顔をこらえる様に、顔を横に振った。


「初めてなんでしょ。だったら体験コースで1回だけ、無料ただよ」

「え~っ!!」

 ちょっと待ってよ、レッスン料払ったって。しないのなら、お小遣いから引くって、ママ! また、ダ・マ・サ・レ・テ・タ……。


「ほら、もう始めるよ」

「え? え?」

 ボクは、お姉さんに手を引かれながら、真ん中の先生がいるところに小走りした。


「はーい。みんな、揃ったかな?」

 中央に、紺タイツにレッグウォーマー。上はTシャツとカーディガンを着た大人の先生が来て、皆に声をかけた。

 途端に、それまでガヤガヤとうるさかったのがピタっと止んで、皆がその中央の先生の方を向く。


「あら始まったわ。それじゃ、行こうか」

「あ、はい」


 背中を叩かれて、ボクもその中央に向かった。

 遠くにいた子も走ってきて、程なく全員集まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ