第7話【デザートは別腹】
前回のあらすじ
ついに出た牛乳プリンそして伝説へ
叫びながら立ちあがると同時にお腹が鳴ってきた。
「そっか...ここに来てからおにぎりしか食べてないもんね。まずは腹ごしらえだよね!それからそれから♪」
呑気にそう呟く
再び石畳に座り
ごそごそと拡張魔法のバックから牛乳プリンを出した
「私特製牛乳プリン♪この純白の光沢とこの甘酸っぱい匂い。う~ん我ながらすごく美味しそう♪」
朝早起きして作られたプリンは、熟成されたミルクにほどよく混ぜた生クリームそれとラシメイナ秘伝の調味料がふんだんにあしらわれたデザートである。
「本当は、任務が終わったら食べたかったけどもういいよね♪」
スプーンを片手に青い目を一層輝かせたラシメイナ
勢いよくプリンの頂きに振り下ろす
「それではいただきま~す♪」
振り下ろした刹那およそ0.2秒後
空を描くスプーンと呆気に囚われる少女は理解に苦しむ
「ってあれ?プリンが消えた..? あれっ?今目の前にあったよね?」
隣のおじいさんに確認したが鳩に餌を与えていて返事はない
目の前にあったはずのプリンがなくなっていた
「この魔法はまた師匠ですね~?」
と消えた牛乳プリンは師匠の【魔法】だと見抜くラシメイナ。
以前にも見ていた。師匠は急に現れたり、脅かすことが大好きな老人だ。
すると隣に座っていた老人が商店街の方へ指を指して呟いた
「お嬢ちゃんのプリンあの子が持っていったぞい。」
指の先をみると人混みに紛れるレモン20個分の人影は掻き分けながらプリンを持ち走っていた
「まだ、、、食べてないのに、、、一口も、、、まだ、、、」
右手で持っていたスプーンを落とし辺りに金属音が響いた。
「まぁ、まぁ、お嬢さんやここではよくあることじゃから、、、なにもそんなに気負いしなくても、、、へ?」
「おじいちゃん、その豆貰うね!!」
老人は目を丸くし立ちあがると
獲物を見据え、先ほどの少女が凄い勢いで泥棒を追いかける
様子を目の当たりにした
「豆は沢山出せるが今時、【狂ウ者】とは珍しい魔法じゃのお。」
老人は鳩に再たび餌をあげていた
おじいさんは手から豆を出せる




