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玲香3

無事に買い物を終えた玲香さんは、唐突にこう言ってきた。


「はあー、何だか、お腹すいたわね!、何か食べて帰ろうよ!」


「えー、早く帰ってゲームやりたい!、だからすぐ帰ろうよ!」


リサが不満そうな表情で言った。


「リサちゃん!、ゲームはいつだって出来るでしょ?、何か食べてから帰りましょうよ?、なんだったらリサちゃんが食べたいものでもいいのよ!」


「本当に!、やったぁ!、じゃあね、パフェがいい!」


俺は、玲香さんとリサのやり取りを見ながら、早く帰ってゆっくり寝たいなぁ!と心の中で呟いていた、そんな事を考えていると玲香さんが俺に向かって言ってきた。


「もう!、リサちゃん、パフェはデザートでしょ?、ちゃんとした食事を食べましょう!、で、真は、何か食べたい物、あるの?」


早く帰りたい、と思うものの確かに空腹を感じていた、家に帰ってから適当に何か食べてもいいと思うのだが、この分だと玲香さんがどこかに連れて行ってくれそうなので、ちょっと気になっている店の事を話してみよう。


「そういえば、最近、家の近くにさ、しゃぶしゃぶ食べ放題の店が新しくできたみたいでさ、そこがちょっと気になってるんだよね!、どうかな?」


俺は玲香さんとリサの反応を伺うように問いかけた。


「あ、あの店の事か!、私もちょっと行ってみたいなー、って思ってたんだ、いいじゃん、いいじゃん、そこに行ってみようよ!」


リサは今までの態度とは一転して、行ってみたいという反応をした。


「へぇー、そんな所があるんだ?、いいじゃない!、そこに行きましょう!、何より食べ放題って言うところが気に入ったわ!、早速、向かうわよ!」


玲香さんはそう言うとすぐさま車を発進させた。


しかし何気なしにしゃぶしゃぶ食べ放題の店の事を言ったけど二人共、食い付きが凄いな!、まあ、俺も行ってみたいと思っていたし、まあ、いいか。



その後、車を二十分位走らせて、目的地のしゃぶしゃぶ食べ放題の店に到着した。


店内に入り、俺はメニューを見ていた。


この店の流れとしては、まず肉のコースを選び、そしてしゃぶしゃぶをする出汁を選ぶ、ざっくり言うとこんな感じだ。


まず肉を選ぼうとしたが、最初から俺は悩みだした、肉には、黒毛和牛、黒豚、イベリコ豚、ラム肉、鶏肉などの種類があり、一つに絞るのは非常に難しい、だが、そんな人の為に二つまでならセットで頼めるそうだ、当然、別料金になるが。


なんとか無事に肉を選んでも次の難題が待っている、、出汁の種類である。


鍋の中に仕切りがあり、二種類の出汁を選ぶ事になるのだが、選べる出汁の種類は全部で八種類もあり、これまた非常に悩ませてくれる、しかし、これをしっかりと決めない事には、後で後悔する可能性がある、慎重に決める必要があるな。


俺が必死に、メニューを見ながら考えていると、玲香さんが声をかけてきた。


「真?、もう!、いい加減にしなさいよね!、もう十分以上メニューを見てるじゃない、はい、もう終わり」


そう言うと玲香さんは俺からメニューを取り上げ、すぐさま店員を呼び、あっという間に注文を済ませてしまった、はあー、全く、これじゃあ、悩んでいた俺はバカみたいだな。


「もう、本当、お兄ちゃんってさ、食べ物の事になるとよく悩むよね!、でも、周りの人達はいい迷惑よね!」


リサはあきれたような態度で言った。


「真、そんな優柔不断な態度じゃあ、女性に嫌われるぞ!」


玲香さんはニヤニヤしながら俺に向かってそう言ってきた。


「いやいやいやいや、玲香さんには言われたくないんだけど?」


「はあー、どういう意味よ!、何か文句でもあるの?、はっきり言いなさいよ!」


などと言うやり取りをしながらしばらく待っていると、玲香さんが頼んだ物が運ばれてきた。


玲香さんが頼んだ物はセットで黒毛和牛と三元豚、出汁はすき焼き風と柚子胡椒だ、何故この組み合わせになったかは、わからないが取り敢えず食べる事にしよう。


ちなみにコースを頼んだ時点で様々なサイドメニューのバイキングが取り放題になる。


一通りの野菜や色々な薬味、そしてご飯やちらし寿司、うどん、中華麺、カレー、そしてデザートも様々な物があり、ソフトクリーム、かき氷、フルーツミックス、白玉あずき、ワッフルなどなど、とてもじゃないが全部は食べ切れないだろう。


まずは黒毛和牛を柚子胡椒の出汁で食べてみる


「うん、凄い、旨い、このちょっとした辛さがいい!」


「何か、子供っぽくない感想ね!、まあ真らしいと言えば、真らしいか!」


玲香は一瞬、そんな事を思ったが、まあ昔から真はこんな感じだったような気がするしね!。


そんな事を思われいるとも知らずに俺は次の肉である三元豚をすき焼き風の出汁につけて食べた。


「おうー、これもまた、旨いな!、やっぱりすき焼きの味はみんな好きだよな!」


「うん、凄い美味しいね!、私はちょっと柚子胡椒は辛いからすき焼き風の方がいいな!」


リサはそう言うと目の前にある肉をどんどんと鍋に入れていった。


「リサちゃん、そんなにいっぺんに肉を入れたら駄目でしょ!、しゃぶしゃぶなんだから、しゃぶしゃぶさせないでどうすんのよ!」


「そう言えばそうだよね!しゃぶしゃぶってしないとしゃぶしゃぶじゃあないもんね!」


玲香さんとリサがそんなやり取りをしているのを見ていると、俺はふと気になる事があった。


「あれー、玲香さん食べてないじゃん!、どうしたの?」


「え、別に、気にしないで食べてていいよ、私は真とリサちゃんが食べ終わったら、食べるわ!」


玲香さんは笑顔を向けながら俺とリサに向かってそう言ってきた。


「え、玲香ちゃん一緒に食べないの?、何で?」


「そうだよ、玲香さん、一緒に食べようよ!」


俺とリサは懇願するような表情を向けながら言った。


「だって私、凄い食べるから、私が食べ出すとあなた達の分が追い付かなくなっちゃうから、まあ後で一気に食べるから、気にせず食べなさい!」


玲香さんは早く食べ終わりなさい!と、言わんばかりの態度で言ってきた。


その後、俺とリサは一通り食べ終わり、ぐったりしていた、やはり食べ放題というのは食べ過ぎてしまうらしい、でも子供の身体ではたかがしれているが。


その瞬間を待っていたかの如く、玲香さんが言葉を発した。


「じゃあ食べるわよ!」


そこからは凄かった、、、、、


普通は一皿ずつ注文するのだが玲香さんは一回に十皿注文し、どんどんと肉を食べ始めた、そして途中、途中で俺に向かって


「真、あれと、あれと、あと、それも」


そのたんびに俺は、サイドメニューを運ぶ羽目になったのであった。


そして気がついて見れば、玲香さんは一人で十人前の量を平らげていた。


これには思わず店員も驚いたような顔をしていた、まあ多分、これだけ食べても恐らくは元は取れないかもしれない、こういう食べ放題の原価は相当安いというし、にしても玲香さん凄いな!


「あー、もう動けないわ、動くと出そう!」


その後、玲香さんが落ち着くまで待って店を後にしたのだった。




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