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銭湯

俺は今、マンションの入り口を出て駐輪場に向かっていた。

今日は学校が午前中で終わったので、特に予定もなかったので一度、住んでいるところを探索してみたかったので自転車で市内を走ることにした。

引っ越して来たばかりで自宅から半径3キロぐらいしか何があるかわからないし、それに何か面白そうなものがないかとの期待も込め今日は思い切って出かけることにしたのだ。


自転車は以前から、天野真は乗っていたらしく普通に家に置いてあった、所謂、子供用のマウンテンバイクだ。

いやー、なんか最近は自転車に乗るのが楽しいな!、学校に通い出してからはちょくちょく、乗っていたが全然飽きることがない。


前世の時、俺は高校生までは自転車で通っていた、大学に通い出してから原チャリで行っていたし、社会人になってからはほぼ車通勤だった為、自転車に乗る機会もなかったし、乗ろうとも思わなかった。

でも、多分、ほとんどの人がそうなんじゃないだろうか?

まあ、そういう訳でとにかく、今は自転車に乗れることが楽しいのだ。


「よし!、行くか」


俺はこれから行く、目的地に向かってペダルを漕ぎ出した。

色々、回ると行ってもある程度、目的地がないと行く楽しみがないと思いあらかじめ決めておいたのだ。

その目的地とはズバリ!、スーパー銭湯だ。


前世で俺は、週に1回は絶対に行く程の銭湯好きだった、その為、両親と何回か出かけた時に、銭湯があるのを発見した時は、思わず顔がにやけてしまった。両親に言って連れて行って貰っても良かったのだが、一緒に行く人がいるとゆっくり出来ないし、自分のペースで入れない、なので俺は銭湯に行く時は基本、一人がいいのだ。断じて一緒に行く人がいない、ということではない。


スーパー銭湯までは、車で20分ぐらいか、かからないぐらいなので、距離にしたら4、5キロぐらいだろう、まあ、多分自転車なら3、40分ぐらいで着くだろう。


「ふうー、風を感じて気持ち良いな!」


そんな事を言いながらひたすらペダルをこぎ続けていると、様々な街のの風景が顔を出し、普段は通らない場所や、店、そして人、色々なものが新鮮に感じた。


「ちょっと、離れると全然景色が違うな!、こんな所があったなんてな!」


漕ぎながら走っているとついつい言葉が出てしまう、でも本当に今日はちょうど良い気候だ。


今は4月中旬、天気は晴れ、気温も20度前後、そして風もない!完璧だな、もうかれこれこぎ続けて結構、たつのに、そんなに汗ばんでないし、本当にサイクリングするには絶好の日だな。


その後、40分近くかけて銭湯に到着し受付を済まして、ロックー室で服を脱いでいた。


ちなみに入館料はかかっていない、何故かというと無料利用券を持っていたからだ、では、何故持っていたかというと、父親こと天野一郎が勤めている会社でこのスーパー銭湯の無料利用券が定期的に配られるらしい!そして父親が持っているのを聞いた俺は、行きたいからくれ!と言ったら持っている分を全部くれたのだが3枚しかなかった。

よくよく話を聞いてみると全部で5枚貰っていたらしいのだが、一人で内緒で2回程行っていたらしい、なんで俺に内緒で行ってんだ!、と思ったが、まあ、3回分くれたから、良しとしよう。


服を脱いで、タオルを持ち、まずは体重計に乗った。


「40キロか、少し増えたな!」


確か、病院で最後に測った時は38キロだったから、2キロぐらい増えたんだな。

まあ、病院食を食べ続けてれば太らないのは当然だけど、やっぱり、普段、食べてるものってカロリーが高いんだな?。

そんな事を考えながら体重計から降りて、次はかけ湯に向かう。

身体全体にお湯をかけて、周りを見ると様々な浴槽があるのが目に飛び込んできた。

天然温泉と書かれた場所や、絹の湯、泡風呂、日替わり湯、寝湯、露天風呂などなど、俺は気持ちが高ぶってくるのを感じた。

思えば銭湯に来るのは転生してから初めてだな、久し振りにワクワクするな!、まずは、俺のお決まりコースを回るか。


そしてまず、天然温泉と書かれた浴槽に浸かる。


「あーーー、良い、いいな」


思わず声が出てしまう!風呂に浸かる時はみんなこんなもんだろう。

ここの天然温泉は色が黒く、そして湯がちょっとドロッとしている、水温は40?、水温計の液晶が壊れているのか4という数字しか確認出来ない、でもこの感じだと40度以上はありそうだな。


暫く浸かり、身体の芯から温まってきたのを感じ、次の目的地である、タワーサウナと書かれた場所に向かう。

サウナの入り方は、人それぞれあるだろうが、俺の場合は必ず、身体が温まっている状態で入る。

何でもこの方が身体への負担が少ないそうだ。


サウナに入り、何人かいたが空いているスペースを見つけそこに座る。

座ったと同時に中にある12分時計の針を確認する、俺の場合は中の温度に関係なく10分で出るため、時計の確認は大事だ。


10分我慢した俺はすかさずサウナを出て、水風呂の水を桶に汲み頭から水をかぶった、そしてそのまま水風呂に入った。


「うあー、良い、いいな」


この時も思わず声が出てしまう。

そして数分、水に浸かり、身体の熱さが収まってきたのを感じたら水風呂を出て、今度は外に出る、外に出て適当な場所を見つけてさらに身体を冷ます。


「あー、この感じ、いいな」


外にあったプラスチックの椅子に座りながら空に向かってそんな言葉をつぶやいた。


うーん、端から見たら、銭湯に来た小学6年はこんな行動はしないだろうな、でも久し振りの銭湯はそんな事、言ってられん、俺はずっと銭湯に来たかったんだからな。


その後、俺はお決まりのコースを3回周り、浴場を後にした。




今、俺は悩んでいた。着替えも終わり、帰ろと男湯を出ようとしたら、飲み物がある自動販売機が目に入った。

その自販機の中身は全部、ビンに入った飲み物で、選べる味は3種類あった。

まずは定番の牛乳、そしてイチゴ牛乳とフルーツ牛乳だ。

俺が何で迷っているかというとイチゴとフルーツのどちらにしようか?という事だ。

まあ牛乳は最初っから飲む気はサラサラない、何故なら家にあるからだ。

となると、二択だ、どうする?、うーん悩む、凄い悩むぞ、一体どうすればいいんだ、まあ強いて言うなら今の気持ちはフルーツ牛乳の方を飲みたいと思う。うん、今回はフルーツ牛乳にしよう。イチゴ牛乳は次回ってことで!。


「うん、美味い、甘さが良い」


フルーツ牛乳を一気に飲み干すとそうつぶやいた。


うーん、やっぱり、久々の銭湯は良い!、実に良い。絶対また近い内に来よう。

その後、火照った身体に風を感じながら自転車で家に向かって帰るのであった。



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