防災訓練
20話目までなんとかできました。まだまだ拙い部分があると思いますがこれからもよろしくお願いします。
今、俺は、体育館の中で、座りながら、壇上の方で話す男の方を見ながら、話を聞いていた。
なんでも今日は防災訓練とのことで、市の防災課なる職員が学校に来て色々と話をするみたいだ。
4月は小学1年生が入学する為、入ってすぐのタイミングで実地されるそうだ。
俺は防災訓練と聞くとどうしてもある出来事を思い出してしまう、そう、あの未曾有の大災害の東日本大震災だ。
前世で俺は経験したが凄まじかった。
まあ、最近の子供はそのことすら知らない子も多いだろう。
当時、俺は、直接被害にあった、東北地方ほどではなかったが俺が住んでいた場所も少しだけ被害があった。
当時、プラント設備のメンテナンスの仕事をしていた、ただ場所が東京湾に面した海岸沿いにあり、海を埋め立てて工場を建ててあった。
あの時の光景は一生忘れることは出来ないだろう、今でも昨日のことのように覚えている。
あの時は確か、ちょうど午後の休憩で詰め所で仕事仲間と一緒にタバコを吸いながら、軽い世間話をしていた。
突如、物凄い揺れを感じ、最初はすぐ収まるだろうと思っていたが、最初の揺れが収まってもすぐさま次の揺れを感じ、それがだんだん強くなってくるのを感じ慌てて外に脱出した。
外に出てからも揺れは一切、収まらず、10分後には目を疑う光景になった。
それは、工場の敷地ないに舗装されているコンクリートに亀裂が走り、その亀裂から水が10メートルぐらい上空に向かって噴出した、その数分後、気付けば周囲は液状化していた。その場から動くことすら出来ず、本当に目を疑った。
その後、なんとか一旦、液状化は収まり、周囲を確認すると信じられない光景を見た、あちこちの建物は傾きそして少し沈んでいた、何台か止めてあった車もタイヤが埋まるぐらい沈んでいた。
そして急にあちこちに置いてあるスピーカーから音声が流れ出した。
「地震が発生いたしました。すぐ指定の非難場所に移動してください」
この時、放送が流れたのは地震が発生してから、30分後ぐらいだった。
まだこの当時は今程、防災の意識が高くなく、なんというか国全体をみても今程、意識は高くなかったように思う。まあ大地震を体験した人はまた違うと思うが。
その後、非難場所に移動し人員確認が行われていたがその最中にも異変が起こった、突然、遠くの方で大音量の爆発音が聞こえた、一回目の爆発音が聞こえてから15分後ぐらいに二回目の爆発音が鳴り響いた。
海岸を挟んで反対側にある、石油会社のタンクが爆発したみたいだった。
その爆発の熱風がこちら側にも来て、その影響で高い建物の窓ガラスが全部割れ、その破片が地上に降り注いだ。本当に凄まじい光景だった。
その日は無事に帰れたが二日休みを挟んで、出勤した時、また目を疑う光景を目の当たりにした。
液状化が収まった地面は大量の土砂で溢れ、海岸地帯ということもありその影響で大量の砂埃があちこちで舞っていた。
そして水道管は破裂し水は出ないし、当然、トイレも使えない、本当にあの時は大変だった。
まあ東北の被害にくらべれば、マシだと思うが、それでも大変だった。
そういう経験をした為、防災訓練と聞くと、なんか考えてしまう。
だが、こういう話を聞いているのは小6の男子は苦手なのか、俺の後ろの男の同級生が話しかけてきた。
「ねえ、マコっちゃん、ヒマだね、早く終わんないかな?」
と声をかけてきたのは山村圭という人物である。身長は俺と同じ、髪型は短髪でクセっ毛、顔は猿顔だ。
だいたいこういう集まりの時は出席番号順に並ぶので、俺の後ろの出席番号の山村圭は事あるごとに俺に話しかけてきていた。
「おい、話しかけてくるな、見つかったらまた、うるさくまた言われるぞ」
俺はそう注意してやった。なぜならこの山村圭とういう男はこういう集まりの度に俺によく話しかけてきて、結果、先生に見つかり俺まで一緒に怒られてしまうのだ、正直迷惑なのだが、精神年齢37の俺はしかたがないので相手をしてやっている。
まあ見てて飽きないし、なによりこいつは、なんだかわからんが面白い、いわいるクラスの中のお笑い担当、と言ったところだ。
その後、適当に山村圭をあしらい、壇上にいる、市の防災課の人の話は終わった。
こうして話を聞いて見ると、俺が東日本大震災を経験した時よりは格段に防災意識が高まっているなと感じた。
なんでも俺が通うこの学校も緊急時の避難場所に指定されているらしく、多少の食料や小物が備蓄されているらしい、それにあの大震災以降、色々なものが見直され、俺の小学校の時代とは全然違う、印象を受けた。
でも、なんだかんだ、言ってもやっぱり、いざって時に動けるかどうか、だよな、いくら事前に色々な話を聞いていても、その時に動けなければまったく役にたたないと思う。まあその為、の防災訓練なのだが。
「えー、続いて、防災委員長の教頭先生よりお話しがあります、教頭先生、お願いします」
司会進行をしている先生がそう促した。
そして壇上に向かって、教頭は歩いて行った。
だが、その時、ちょうど目を疑う場面を目撃してしまった。
壇上に向かって歩いている教頭の方を見ているとある部分で目が止まった、なんとケツの割れ目にズボンが食い込んでるのだ!、俺は思わず、笑いそうになるのをグッと我慢した。
だが、その時であった、お笑い担当である山村圭が笑いのネタを見つけたの如く、すぐさま周りに聞こえるように声を発した。
「なにあれ!、食い込んでんじゃん!」
そうしたら、笑いをこらえていた俺は我慢が出来なくなってしまい、思わず爆笑してしまった。
どうやら笑いを我慢していたのは俺だけじゃなかったようで、俺が爆笑したら釣られて周りが笑い出し、気が付けばその場にいた児童全員が大爆笑していた。
今まで、厳粛な空気でずっといたから余計にそうなったのか、暫く笑いは、収まらなかった。
その後、教頭の話が終わり、防災訓練が終わったあと、俺と山村圭は職員室に呼ばれ先生方に怒られたのであった。




