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自宅

とりあえず10話までなんとかあげられました。これからもなるべく早くあげられるよう頑張っていきます。

よろしくお願いします。

4月は別れと出会いの季節というけれど、俺にとっては、忙しかった、という記憶しかなかった。前世から転生し、意識が目覚め、病院でのリハビリや検査の日々、そして病院で出会った転生してからの初めての同学年の女の子、名前はあき、いったいどうしているだろうか?、最初はワガママ、という印象しかなかったが、接してみると寂しさからくる去勢だったのかもしれない。

まあ、ちょっと女々しく感じるかもしれないが急に、姿をあらわさなくなってしまった、ということもあり心の中にシコリが残っている感じだ。

少し感傷的になってしまったが、流れるような日々でそんなことを忘れさせるぐらい俺にとっては新しいことの連続であり、充実した時間だった。


「ふうー、とりあえず部屋のセッティングはこんなもんだな、でも、あれだな、しいて言えばテレビはもうちょっとでかい方がいいな」


と、ひとりでつぶやいた。俺は今、部屋のレイアウトを考えていた、なんでもここに引っ越して来てから1ヶ月は立っているが家の中は全然片付いていなかった。両親が少しずつ、片付けていたみたいだが急に俺が意識を取り戻したと聞き、慌てて駆けつけてくれて色々と世話をしてくれた為、それどころじゃなくなってしまったそうだ、でもそういう意味じゃ良い両親で本当に良かった。その変は善神に感謝したい。

そして俺にあてがわれた部屋は多分、六畳ぐらいだろう、うん、プレハブ一個分だろう。以前の天野真が使っていたであろう机や椅子そして本棚に入っている、大量の星と乗り物の本だ。でも俺ははっきり言って星や乗り物に一切興味がない、だからといってこれらを急に全部、捨てると言えば変に勘ぐられても困るので暫くはこのままにしておこうと思う。

そして色々自分なりに考えてレイアウトしやっと、落ち着いてきた。かえって両親が俺の部屋をいじくってなかったおかげで、一からレイアウトができた。あと少し贅沢をいえばPS4やSwitch、それとPCなどがあれば部屋の中でダラダラと時間をつぶせるのだが、まあもうちょっとしたら、それとなくお伺いしてみるか。

この家庭の金銭事情も今のところまったくわからないし、とりあえず様子見だな。

そうして俺は位置をセッティングし新しくシーツを引いたベッドに横たわった。目を閉じて数秒するとドアからノックする音が聞こえてきた。

俺は、いいよと、一言声をかける、ドアが開いて妹のリサが入ってきた。


「お兄ちゃん!、あのさ、そろそろ片付け終わった?、もし終わったんだったらさ、お昼さ一緒に買いに行こうよ!」


ふむ、相変わらず妹という存在は嬉しい限りだな。そう言われて時計を見るとあと少しで昼になりそうだった。

ちなみに今日は学校は休みだった。どうやら入学式だったようで新一年生以外は休みだった。まあ他の小学校はどうなってるかわからんが俺達の行っている小学校は休みだった。

今日は平日なので両親はいない、母親の方も新しく仕事が決まり先週から働きに行っていた。


「おう、だいたい片付いたから、じゃあ行くか」


そう言って俺はベッドから起き上がると部屋を出て、昼メシを買いに行く準備をした。


自宅から歩いて10分ぐらいのところに大型スーパーがある、ほかにも大型家電量販店やファミレス、とにかく色々な店が歩いて10分ぐらいのところに集中してひしめき合っていた。多分、そうとう住みやすいと思う。

それに加えて交通機関も一通りあるし、便利だと思う。ただ小学校までは歩いて20分ぐらいかかるのがちょっとネックかもしれない。


ただ俺はこういう住みやすい場所よりも、何にもない田舎町の方が好きだ。住みやすい場所というのはどうしても人が多くなるし車の交通量だって当然増える。排ガスで空気も汚れるし夜になってもそれなりにうるさいし、なんといっても落ち着けない。まあ人それぞれあると思うでこれぐらいでやめておこう。


そうして妹のリサと二人で大型スーパーに向かい、今俺は総菜売り場の前で悩んでいた。


「もう、お兄ちゃん!早くしてよ、10分ぐらい悩んでんじゃん」


と、妹のリサからあおられていた。そのリサの方を見ると弁当が入ったレジ袋とペットボトルの飲み物とあとは多分、お菓子かなんかだろう、その二つが入っている袋を持っていた。

どうやらリサはとっくに会計を済まし俺が買い終わるのを待っていた。


「すまん、あと少しだけ待ってくれ」


「じゃあ、私、あそこの本屋で待ってるから、早くしてよね」


と、言い残し本屋の方に向かって歩いて行った。

うーん、まずなんで俺が悩んでいるかというと、弁当をどっちにしようか、悩んでいるのだ、まずみんな大好き唐揚げ弁当だ、ここの唐揚げ弁当はなんと唐揚げが5個入っているのだ。だいたい平均して4個のところが多いがここは5個入っていて、しかも一つ一つの大きさがデカい、それに味付けが生姜ベースというのも良い。俺はニンニクが嫌いだ、でも唐揚げは好きだ、なかなか生姜一本で味付けしている唐揚げは少ないと思う。そういう意味で生姜ベースで唐揚げ弁当を作っているこのスーパーは本当にありがたい。

そしてもう一個の弁当がこれまたみんな大好き生姜焼き弁当だ、何を隠そう俺は生姜が大好きなのだ。根生姜の皮を剥いてそのまま食べれるぐらいだ。そしてここの生姜焼き弁当は、ほかとはまったく違う弁当になっているのだ、まず生姜焼き自体はどこにでもある普通の生姜焼きだと思う、その周りを固める具材が違うのだ。まず普通は千切りにしたキャベツだと思うがここの場合は千切りにしたレタスなのだ、そしてもう一つ、それは茹でたもやしが入っているのだ。初めてこの生姜焼き弁当買って食べた時、俺は感動した。なんで今までこの組み合わせを思いつかなかったんだろうかと、生姜焼きを食べながら途中でシャキシャキのレタスともやし、うーん、考えただけで気が狂いそうになるぜ、まあとにかくだこの二つを一緒に買いたいのだが俺ひとりに与えられた金額は千円しかない。そしてこの二つの弁当は同じ値段で

490円なのだ、つまり二つ買おうものなら消費税で千円では足りない。それでどっちにしようか、ずっと悩んでいたのだ。

うーん、なんという究極の選択なんだ、これじゃいつまで立ってもきまらんぞ。

ふー、仕方ない、プライドを捨てるか。


その後、リサに足りない分を出して貰い無事二つとも買うことができた。

そしてリサには呆れられて暫く気まずかった。


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