人並みの幸せ
人生を振り返り、老後を考えて、自分が人並みの幸せに憧れていたことに気づく。
社会人になった頃は、普通に結婚して、子供を持つものだと思っていた。
30代を迎え、恋愛が遠のき、1人で生きていくことを考えるようになって、質素倹約の日々。
老後は、1人で悠々自適に過ごす。
それは、強がりだった。
周りは結婚し、家事に追われ、自分の時間が持てず、働いても、それはすべて子供の教育費に消える。
育児や家事に積極的でない夫への不満。
盆、正月の長期休みもゆっくりすることはできず、親戚付き合い。
そんな悩みを抱えない私には自由がある。
自分のタイミングで起きて、自分のタイミングで家事をこなす。
調子が悪い時に、無理をすることもない。
結婚している人より、ストレスも少ない。
それは、強がりだった。
家庭を持つ人たちとのステージの違いから、疎外感を持たずにはいられなかった。
孤独なまま迎える老後を目の前にしても、長く一人暮らしをしているため、他人と暮らすことに自信がない。
周りの人は、私の前では、自由気ままに生活できる私を羨ましいというが、陰では、かわいそうと蔑んでいることを知っている。
孤独な人間と。
私は、自由を武器に強がってきたが、老後を考えた時、『誰かと共に』、『里親になりたい』、そんな考えが浮かぶ
(やっぱり、寂しかったよね。)
と、自分を思う。
美味しいものを食べることや、旅行に行くことよりも、残りの人生で人並みの幸せを味わいたいと願ってしまう。
パートナーがいても、パートナーが先立てば、1人の老後を迎えるのは一緒だけど、いろんなことを2人で乗り越え、子育てをし、子供が巣立ち、定年を迎え、夫婦2人で余生を楽しむ。
自分に欠けている、人並みの幸せ。
結婚、出産は、無理だけど、里親として精一杯頑張りたいと願ってしまう。
子供を育てたことのない人間が、気軽に考えてはダメなのだろうか。




