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4-話「変わってしまった日常」

~ 玲side ~

涼夜君はゆっくりと瞼を閉じて眠りについた。

私、護られてばかりだね…。

内心ふとそう思い自分が惨めになった。

女性だから?力が無いから?

そんなこと言われたって私は女でも助けたいと思うんだよ?

でも私が出たところできっとそれは“邪魔者”になる。

だったら私は人を安心させることのできる方法で救いたいと思っている。

涼夜君は強い、けどもっと自由で不便のない生活を過ごしてほしい。

涼夜君は優しい、優しいすぎるんだよ。

「ぅ、ぅぅ…」

「…‼︎」

どうやらおじさんが意識を取り戻したらしい。

私はすぐ近くに落ちていた銃を拾い上げ警戒心を研ぎ澄ます。

・・・・・・・

「ん、こ、ここは…?」

おじさんがゆっくりと座り辺りを見回す。

私たちの姿に気づき先ほどの記憶を取り戻したようす。

顔は真っ青になり恐怖でガタガタと震えている。

私は銃をそばに置きゆっくりと口を開いた。

「落ち着いてください」

その一言、ゆっくりと優しく言った。

「こ、殺さないでくれ…頼む」

まだ怯えているようだ。

「殺す気なんてないですよ。現に涼夜君はあなたを殺していないでしょう?」

私は少し微笑みながら寝ている涼夜君の方を見た。

静かに寝息を立て眠いっている様子はまるで小さな子供のようだった。

「……何でお前たちは俺を生かしたんだ?道具として使うきかい?」

冷静を取り戻したようでゆっくりと話す。

「それは本人に聞きなよ、少なくとも私は道具になんか使ったりしない」

その後沈黙が続いた。洞窟には誰も来ない。

それもそのはずこの洞窟は隠れ家のようになっており地図がないと見つけるのは至難の技。

このおじさんはかなりの強運の持ち主のようだった。

「…ん」

どうやら涼夜君が起きたらしい。

おじさんはビクッと体を震わせ強張らせている。

「おはよう、涼夜君」

「ん、おはよう」

涼夜君はボサボサの髪を手で掻きながら今の状況を把握する。

「おい、おっさん。玲には手を出してないだろうな」

眼光を放ちながら涼夜君は言った。

「大丈夫だよ、このおじさん何もして来なかったよ」

そういうと涼夜君は

「そうか」

とだけ言い、腕を組みおじさんを見据えた。

「少しいいか?」

おじさんは恐る恐る涼夜君に声をかけた。

「どうして俺を生かした?お前たちを殺そうとしてたんだぞ?」

涼夜君は一間を開けこう言葉を零した。

「あんたにもきっと守りたい家族や会いたい人でもいるんだろ、それに生きるために向かってくるのは当たり前だ」

「だとしても俺を殺さないでまた彼女を襲ったりしたらどうするんだ?」

私は何も言葉を発さず2人の会話に耳を傾けていた。

「別に玲なら銃でなんとか対処できるだろう、もし仮に殺そうとしたのなら2度目はない」

ピシャリと言葉を放つ涼夜君におじさんは呆れたような納得したような、なんとも言えない表情をしていた。

そのあとおじさんは黙り、私たちの間で沈黙が流れた。

それぞれ食べ物を1つ取りそれを喋ることも無くただただ食べている。

・・・・・私たちはどうしてこんな目に遭わなければいけなかったのかなぁ。

ふと、そう思い妹の顔が思い浮かぶ。妹は私と違って笑顔がとても似合って可愛い、まだ中学2年生だけど頭は賢くもう中3の内容も理解しようと勉強に励んでいる。でも少しおっちょこちょいなのがまた可愛い。べ、別にシスコンじゃない…ただたった1人の妹がこんなゲームに参加してなくてよかったと思う。

と、まぁ私の思いはここらにしてこれからどうするかよね。一応メンバーが増えたけどこれといった方針は決まっていない。

外に出ても体力消費するたけだからここに留まるかと思うんだけど、涼夜君は何考えてるんだろ?

食べ物を食べ終えた私たちはそれぞれ自由に過ごしている。

涼夜君は武器のチェック。おじさんは外を見ていた。

ん?あ、おじさんの名前まだ聞いてないや。

「おじさん」

「ん?なんだ?」

私が言葉を発したことにより涼夜君の眉毛がピクッと動き目だけこちらに向けて様子を伺っているようだった。おじさんは視線を外から私に移している。注目されるのは慣れてないんだけど…。

「お、おじさんってまだ名前聞いてなかったなって。私の名前は優雅咲玲。よろしくね!」

「あ、あぁそうだったな。俺の名前は宮田透(みやた とおる)だ。よろしく」

ガチャリと武器を置きこちらに向き直った涼夜君はまだ警戒していた。

「俺は榊原涼夜。よろしく」

それぞれ自己紹介が終わりまた沈黙が流れる。

涼夜君…初め出会った頃とこの短時間で変わってしまったような気がする。

一見諦めてしまったようにも見えたけど違う。人を殺さないようにしている。現に日向さんはそれで殺されずに今生きている。やっぱり優しいなぁ…涼夜君は。

これからどうすればいいかは涼夜君次第かな。私は力なんて持ってない、頼りっぱなしな自分が嫌になる。

外は気がつけば雨が降っていた。雨が全てを流してくれればいいのに…。

投稿遅くなってすみません!

まぁ見てる方がいるか危ういですがゆったり書いていくつもりです(*´∇`*)

気長に待ってください

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