56.食堂にて
(1)0歳編
エリアーナSide
食堂に着くと、私が一番最後だった。
「リア:おはようごじゃいましゅ。おしょくなりました」
「「「「おはよう、リア」」」」
「祖父:遅くないから安心しなさい」
「祖母:よく寝られたかしら?」
家族が挨拶してくれる。
ゆっくり寝かせてくれる皆んなに感謝だ。
まだつかまり立ち程度しかできないので、椅子には座らせてもらう。
みんなが揃ったところで、食事を始める。
「祖父:神と恵みに感謝を」
「「「「感謝を」」」」
「リア:かんたを(感謝を)」
舌足らずが疎ましい……。
「父:食事をしながらだけど、もうすぐリアは1歳だね。それにイルとセレスも帰ってくる。そこで、一度皆んなで王都に行かないかい?」
なんと!?
まだ屋敷の庭にしか出たことがないのに、王都ですと!
口に食事を運び、目をキラキラとさせていると隣の母様に笑われた。
「母:ふふ。嬉しいの?リア。お目目がキラキラよ」
((リア:はい!嬉しいです!まだ庭とお屋敷しか知らないので、早く外に出てみたいです!父様、リアも皆んなの内に入っていますか?))
いっぱい喋りたい時、感情が昂った時は念話で話してしまう癖があるが、今回ばかりは許して欲しい。
「父:リアがご機嫌だね。もちろんリアも一緒だよ。というかリアがメインかな……。王宮に呼ばれているんだ」
やった!
でもなぜ、王宮に?
何かしたっけ?
「ヨシュ兄様:もしかして、リアを寄越せとか言われているんですか?」
何!?それは一大事。
すると、近くで食事を摂っていた風の精霊が魔力を纏わせ、怒りに震えた様子で立ち上がった。
『風:それは誠か?父君。我ら姫様をなんと心得るか。この国潰してやろうか?』
やめてくれ……。
いくらなんでも流石に物騒すぎる!
((リア:風の精霊ダメです。武力行使はいけません、落ち着きなさい))
念話ですぐさま飛んでいきそうな風の精霊様を静止する。
なんなら、土の精霊様までもが飛んでいきそうだ……。
『風:すまなんだ、落ち着く』
ほっと一安心。
生まれて一年経たずに国が無くなってしまうかと思った……。
「祖父:言葉足らずで申し訳ありません、精霊様方。ヨシュアもレティシアも落ち着きなさい」
どうやらシア姉様も怒り狂いかけていたよう……。
怖いよ、皆んな。
話を聞くと、私と同い年の子供が王家、4つの公爵家全てで生まれ、早めに交流させたいということらしい。
来年からはどこの家も、上の兄弟が王都へ行くため遊び相手として会わせたい。
あわよくば、仲良くなってほしいという打診ということだ。
「父:この国の王家と公爵家は血が繋がっていて、いわば親戚なんです。継承権はありませんが、私たちも準王族という立場ですし、政治的な絡みはありませんのでご安心ください」
なるほど。
姉様たちの受ける授業で聞いたことがある。
なら、親戚に会いに行くよって言うくらいの話ということかな?
そうだとしても、楽しみだ!




