37.貴族の役割
(1)0歳編
エリアーナSide
食事をしながらの懇談会のようにいろいろな話をした。
でも、根幹に関わるような話ではなく、家族のことや家のこと、今後のことなどさまざまだ。
まず、私が生まれたのはパレスという世界の第2大陸にある大国“イールスハイド王国”の筆頭公爵家“カルティール公爵家”らしく、そこの三女とのこと。
祖父のジャンカルロが現当主で、父サイモンが次期当主としてジャンカルロの補佐をしている。
祖母エマが屋敷の女主人として采配をふるい、母マリアベルがそれに習い勉強しているのだとか。
私の兄や姉たち、ミハイルとセレスティーナは学園に通う生徒で、休みのたびにここカルティール領の領主邸がある“ティジル”という街に帰ってきているそう。
双子のレティシアとヨシュアは、領主邸でカルティール領のことについて学び、来年5歳になると王都イールスハイドへ両親と共に移り住むということを教えてもらった。
(リア:来年王都に行くのは理由があるの?)
私は、疑問に思ったことはなんでも質問してみる。
その度に家族の誰かが順番に答えてくれる。
私としては、生まれたばかりでなんでも聞きたいだけにとても助かる。
「ヨシュア:僕らは来年貴族のお披露目会があるんだよ」
「レティシア:王都でのことも学ぶために、学園の入学前の5歳になると、王都で過ごすの」
なるほど。
お披露目会は、顔つなぎというやつかな?
小さくても筆頭公爵家の子供だもんね。
「ヨシュア:公爵家は準王族なんだよ」
「レティシア:そのせいで寄ってくる人も多いの」
「「とても面倒……」」
双子は少しうんざりと話してくれた。
「父:この地位には恩恵が多い。でもそれを民に還元することが私たちの役目だから、めんどくさがってはダメだよ」
「母:まあ、気持ちはわかりますけどね……」
父に諌められ、母には同情されているが、貴族とはそこまですごい世界なのだろうか?
前世の病室で読んだお話の中でしか知らないから、あまりピンとこない。
でも覇権争い、派閥、政治と金の問題。
どの世界、どの国でもあることだ。
私もしっかり勉強することにしよう。
なんてったって、前世ではやることがなく、15歳にして大学の勉強をしていたほど、勉強は大好きなのだ。
知らないことを知れる。
ロマンだ。




