27.愛し子の守護精霊として
(1)0歳編
光の原初の精霊Side
最近……と言っても、バカをやって国が滅びたのが150年前ほど……。
それ以降から力の使い方、精霊との関わり方が変わってきた。
そのせいか変に萎縮して、精霊を崇め、崇拝するものが増えた。
それは悪いことではないが、以前よりは環境が整っていない。
作物も不作が続いたり、雨が降らず日照りが続いたり、動物の種が絶滅したりとよくないことが相次いでいる。
神々は、神達が生み出した種が世界から消えることを望んではいない。
生きとし生けるものは全ていつかは死が訪れるが、全滅させたいわけではない。
神々が生み出したもの達が、健康で幸せに暮らしていくことこそ、神達の願いなのだ。
そう、私たちが生まれた時、愛し子の守護精霊として力をいただいた時に教わった。
正しく力を使い、世界が豊かになれば私たちは姫を争いから遠ざけられる。
まだ過去の出来事を他人事のように精霊達の力を利用し、酷使し続ける国がある。
いつかその国々が滅びるか、姫が粛清をするか……どちらが早いにせよ、姫には力を借りねばならない。
その前に、姫の周りだけでも環境を整えたいところだ。
『光:過去の出来事を許せない精霊は多い。赤の他人かもしれないが、精霊からしてみれば同じ人。だが、契約精霊となった者は少なからず、人間に、契約者に歩み寄ろうとする意思がある精霊なのだ。言葉足らずかもしれないが、しっかり向き合ってほしい』
精霊の中には、2度と契約者を望まぬものも多い。
位が高くなればなるだけ、厄介だ。
だがそれでも、契約を望むものがいるのも事実。
互いに歩み寄れば、良い世界になるはずなのだ。
『ウィーネ:口を挟み申し訳ありません。私自身、契約者のマリアに対する姿勢が不誠実でした。契約を受け入れたにもかかわらず、聞かれたことに答え、与えられた魔力を力にするのみ。反省し、精進したいと思います』
姫の母君の契約精霊がそう反省を口にした。
彼女は、高位の精霊だ。
きっとくだんの事件で仲間をたくさん失ったのだろう。
契約に応じただけ御の字なのだろう。
だが、姫が生まれた以上妥協はできない。
姫に全てを委ねる訳にはいかないのだから。




