16.精神感応
(1)0歳編
エリアーナSide
そんなこんなで思いにふけっていると、やっと私の存在を思い出してくれたのか、話を振られた。
『風:姫よ、騒がしくして申し訳ない。改めて自己紹介をさせて欲しい』
そういうのは、緑色の長髪のさわやかな雰囲気なのに喋り方おじいちゃんな男の人。
周りにいた人たちもようやく静かになり、話をする体勢になった。
『風:まず、姫と意思疎通できるようにしよう。無の』
そういうと、前に出てきたのは“無の”と呼ばれたピンク色のアシメの髪の儚い系の女の人。
おでこをくっつけられ軽く光が爆ぜる。
眩しくて目を閉じ、恐る恐る目を開く。
『無:どう?』
(どうとは?)
「「「「えっ?」」」」
「イル:リアの声?」
「セレ:可愛いわね」
「「双子:かわいい」」
(リア:え?)
『無:姫の考えていることがきこえるようにした。“精神感応”という。届けようと思えば届くし、聞かれたくないことは届かない仕組み』
(リア:すご……)
話したくないことは話さなくていいし、会話に参加したいなら参加できるってことか。
生まれて数時間で人と会話できるなんてすごいけど……。
(リア:あなたたち誰?)
というか、私の思考が発達しすぎてて不信じゃない?
どういうつもりなんだろう……?
『風:我らは原初の精霊。この世界の始まりから存在している最古の精霊で、姫様の守護者。それが精霊王様や神から与えられし、我らの使命じゃ。改めまして』
『『『『『『『『『『おかえりなさい、我らの愛しい姫様』』』』』』』』』』
はい!?
精霊だったのか……。
通りで美しい……って違う!
私に前世があるのがバレちゃうじゃない!
というか、愛し子の存在は公にしていいものなの?
うーんうーんと、唸っていると対面にいた男性に声をかけられた。
「父:あの、すみません。愛し子とはリアのことでしょうか?そして、その……お話を伺ってもよろしいでしょうか?」
『風:あぁ、すまなんだ。姫様が起きてすっかり忘れておった。じゃが、話をする前に家族の対面を先に済ませてしまってから進めよう。まだ名も告げておらぬだろう?』
確かに。
私はリア?と言うらしいけど、誰が誰なのかさっぱりだ。
(リア:それに、原初の精霊?より家族の方が先ではないのか?普通は。)
思考がダダ漏れだったらしく、精霊たちはバツが悪そうに謝った。
(リア: ):精神感応で想いを伝える時




