12.覚醒
(1)0歳編
エリアーナSide
なんだか眩しい。
お腹いっぱいになって寝たはずなのに、目が覚めてしまった。
でも何かがおかしい。
目もはっきり見えるし、耳もはっきり聞こえる。
それに、誰か知らない人に抱っこされている。
「リア:あ~う、だう(誰?)」
さすがに言葉は話せない。
なにせ生まれたばかりなのだから。
でもなんとか伝わらないかと声を出してみる。
「リア:だ~だ、あぅあ~」
『闇:かわいいのぉ』
すると、私を抱いている人が声をかけてきた。
見上げてみると、
おぉ!見た目もだが声、喋り方までお姫様のような人だ。
でも、人には見えない。
どちらかと言うと、生まれる前に神界であった神様たちに近いような……。
そんな考え事をしながら辺りを見渡してみる。
『火:闇の!独り占めするな!』
『水:そうですわ、ずるいです』
キラキラとした人外な容姿の美男美女が頭の上で言い争っている。
色とりどり、煌びやかな衣装を身にまとった美男美女が10人。
でも待ってくれ。
状況を説明して欲しい……。
まず、あなたたち誰ですか?
そしてこの状況はなんですか?
喋れないので、私の願いも虚しく頭の上で言い争いが続いている。
ふと、視線を感じ目を向けてみるとこちらも人外ほどでは無いがとても整った容姿の老若男女。
アワアワと様子を伺うしか出来ないようだ。
が、見ていないで助けて欲しい……。
生まれたばかりで、しかも目覚めてみれば目も耳もはっきり、並外れた容姿の人たちが大勢で私を取り囲み、状況が分からない。
助けを求めようにも喋れないし、どうしたものか……?
訂正があり、修正しました。




