10.原初の精霊様
(1)0歳編
サイモンSide
『精霊女1:可愛いわね』
『精霊男1:小さいな』
『精霊男2:…やっと…逢えた』
呆然としている家族や使用人をよそに、原初の精霊様たちはリアに集まっていた。
そう、原初の精霊様おひとりでも大変なことなのに、10人全員が目の前にいらっしゃるのだ。
一体どういうことなんだ。
すると固まっていた父が、なんとか状況を整理しようと恐る恐る原初の精霊様方に声をかけた。
「恐れながら、お初にお目にかかります。カルティール家当主をしております、ジャンカルロと申します。今日はどのようなご用件でお出ましくださったのでしょうか?」
普段なら国王にすら使わないであろうとても丁寧な言い方で、声をかけている。
子供達もただならぬ雰囲気に固まってじっとしている。
『精霊男3:そんなに気を使わずとも良い。我らはただ愛し子に会いに来ただけなのだ』
『精霊女2:妾たちはこの日を生まれた時からずっと待ち続けておったからのぉ』
『精霊男4:急に押しかけて申し訳ないが、愛し子に祝福を贈りたい。話はそれからでも構わないだろうか?』
状況が全く理解できない。
しかし、無碍にもできない。
きっと愛し子とは、先ほどから原初の精霊様方が周りを囲んでいるリアのことだろう。
銀色の髪と瞳も持っているし、きっと愛し子とはそういうことなのだろう。
父を見ると頷いたので、ここはリアの父親としてお願いするべきなのだろう。
「よろしくお願いいたします」
訳もわからず頭を下げる。
家族や使用人たちも私に続き頭を下げる。
『精霊男3:あいわかった。では、我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
先ほど降臨した時より凄まじい10色の光が部屋中を満たし、そしてリアの中へ吸い込まれていった。
一度目が慣れているからか、びっくりはしたが目は開けていられた。
そのおかげでリアの変化にすぐに気がつくことができた。
まだ、まばらではある前髪の一部が黒く変わっている。
先ほど原初の精霊様方は、“祝福”とおっしゃった。
その影響なのだろうか?
“祝福”とは、神や精霊から恵みや恩寵を授かること。
なので滅多にはいないが、“加護持ち”よりは多いと聞く。
“加護持ち”とは、神や精霊王から授かる祝福より強い力のことを指すが、100年に1度程度でしかお目にかかれないので、もちろん身近にはいない。
『精霊男3:我らが贈れるのは、祝福が精一杯。申し訳ないの』
『精霊女2:本当は最上級を渡したいのじゃがのぉ』
原初の精霊様方が悲しそうに俯かれている。




