18 フリーパスタイム
直樹は声を出しながら起き上がった。
「あ~~~~チクショウ!! 何なんだよあれは! 何で月が太陽よりエグい殺人光線放ってんだよ! ふざけんな!!」
直樹はなんとなく立ち上がり、蟹のいた道を見る。
「ん? 蟹がいない……どういう事だ? まさかさっきので全部死んだのか?」
直樹は警戒しながら歩く。しかし蟹の姿は見えない。
「キラークラブはいない……ジャイアントクラブは……」
直樹はジャイアントクラブが潜っていた地面の辺りに来たが、ジャイアントクラブが出てくる様子は全くなかった。
「ははは……なんかよくわからんが、これで街に行く事が出来る」
直樹は街の入り口までやってきた。
「えーと、フアナタウンか」
直樹はフアナタウンに足を踏み入れた。最初に目に入ってきたのは教会だった。
「教会……待てよ?」
直樹は教会を凝視する。するとウィンドウが浮かび上がった。
〈Church〉▽
〈revival point〉
「しめた……! これで死んでも浜辺に戻らずに済む……」
直樹は教会に入り、白髭の神父に話しかけた。
「あの……あー、なんと言えばいいのかわからないんですが……死んだ時にここで復活、てのはどうすりぇばいいんです?」
(噛んだ……恥ずかしっ!)
「ん? ああ、それならこの教会に入った時点で対象になるのですよ。新人の冒険者の方ですかな?」
「ぅえっ、いや、あの……はい」
直樹はコミュニケーション能力不足の為、この世界の冒険者が何なのかよく分からずに肯定してしまった。