第19話 押付けがましい
「ここは……どこだ?」
ここはどこで、俺の身に何が起こったのかさっぱり覚えていない。確か、カイロ達と戦っていた気がするが。何で俺はこんな所にいるんだ?
俺が今いる場所、そこは全てが白で出来ている空間。何も無く、あるのは俺の目の前にぽつんとある椅子だけだ。
「やあ、君がライト君よね?」
「うぉ!!」
突然、俺の目の前に1人の少女が現れる。その少女は銀髪の髪を腰まで生やしており、蒼い瞳を輝かせている。そんな少女が突然俺の目の前に現れたのだ。
「そんなに驚かなくても……」
「すまん、急に現れたもんだから」
誰だって突然目の前に人がびっくりするだろ普通。てかまじでここどこだよ。よく思い出せないな。
「何で俺がこんな所に、って顔してるね。しょうがないから私が教えたやろうじゃないか」
この少女は何でこんなにも偉そうなんだ?
まあそんな事は置いておいて、この少女の話を要約するとこうだ。俺はカイロと戦って最後の最後で相討ちになった。それで俺は死んで今いるこの場所、神の聖域と言う場所にいるらしい。ちなみにこの少女が神様らしい。まったくそれっぽくないな。
「で、何で俺がそんな場所にいるんだ?」
「ほー、意外と冷静なのね」
「ま、復讐も一応は終わったしな」
「切り替え早いわね……」
まあどうせ生き残ったとしてもやることも無いしな。死んだ方がましってのは違う気がするが、まあ別にどうでもいいだろう。
「まあここに呼んだのはちょっとお願いがあるのよ。実は貴方には別の世界に転生してもらいたいのよ」
「別の世界に転生?」
転生って確か生まれ変わる事だよな? てか別の世界ってどうゆうことだ? だめだ話がまったく理解出来ない。
「あ〜やっぱりめんどくさいわね。あの世界の子供達とはやっぱり違うわよね」
「あの世界?」
「まあ細かい事は気にしないで。それよりもちゃんと転生してくれるわよね」
転生か。本当の意味で第2の人生というわけか。またやり直せる、そう思えば魅力的だが。
「断らせてもらう」
「そう、ありが……え、今なんて」
「いやだから断るって」
「何で……なんでよーー!!」
あ、やばいなこれ。この神様泣きそうなんだが。というか神様が泣くってどうなんだ。神様は結構長生きしてるはずなのに。
「まあまあ、そんなにクライシスの嬢ちゃんいじめてやんなよ、ライトの坊主」
また、俺の目の前に突然人があらわれる。今度は40代位のおっさんだ。
この人どっかで……てか今ライトの坊主って――
「ベイトさん!?」
「おう、ベイトさんだぞ」
「ベイトさん死んだのか? 田舎の村で隠居するって、隠居先で死んだのか!?」
いくら何でもそれは無いだろ。シンプルにダサすぎる……。
「勝手に殺すな。まあなんだ、俺は神様だったって事だよ」
「は?」
「まあそうなるわよね」
それからベイトさんと神の少女、クライシスによる長い説明会が行われた。その回あって俺は大方理解出来たが。
「だが断る!」
「なぁんでよぉー」
「ライトの坊主……優しくない男はモテんぞ」
いやだってめんどくさいじゃん? 俺としてはもうゆっくりしたいんだが。
それからベイトさんとクライシスによる長い説得が始まった。
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