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第52話 お出迎え

お待たせいたしました。


が、一回違う作品のところにあげてしまうという、大ポカをやらかしてしまいました…

( ; ゜Д゜)



翌朝。

僕は朝から厨房を借り、ノリクさんにも手伝ってもらいながら、様々な料理の仕込みをしていた。

その理由は、昨晩のサヘラさんのお願いが原因だ。


何でも明日の夕方、つまり今日の夕方に、魔道師としての弟子である姉弟と、その姉の夫がやってくるのだそうだ。

建国記念の宴の会場で久しぶりに出会ったらしい。

その姉弟が甘いものや美味しい物が好きらしいので、料理やチョコレートを出してやってほしいと頼まれたのだ。

建国記念の宴に出ていたということは、貴族なのは間違いない。

僕は難色を示したが、その人達が傲慢に振る舞ったら、儂が成敗すると豪語したサヘラさんを信じて、引き受ける事にしたのだ。

どうしてそこまで言えるのかと不思議に思って尋ねたところ、なんでもその姉弟とその姉の旦那さんが産まれた頃から知っていて、教育係をしたこともあるからだと答えてくれた。


ちなみに用意する予定のメニューは、

レトウビのブート(バターロール)

グレートブルのシチュー(ビーフシチュー)

エガビア(キャベツ)とロルカット(ニンジン)のサラダ(コールスローサラダ)

と、シンプルにしてみた。

出来ればデザートを増やした方が喜ぶと言われたからだ。

そのデザートの内訳は、

レジルスのゼリー(オレンジのゼリー)

エリプのパイ(アップルパイ)

シフォンケーキ。ホイップクリーム付

チョコレート

と、なっている。

チョコレートケーキも考えたが、今回は止めておくことにした。

今はちょうどバターロールの生地を練っているところだ。

ちなみにバターはレトウビといって、エセーク(チーズ)と共に北方にあるというフィルアナ王国からの輸入品で、作り方は他国には余り知られていないらしい。


ビーフシチューに付いていないといけないため、メイドさん達に足りない材料の買い出しを頼んだり、

昼食に出したスパニッシュオムレツが好評だったり、

オレンジのゼリーの試食を巡って、メイドさん達による熾烈な戦いが始まったりと、

朝から手間暇をかけて、お客様のためのディナーの準備を進めていた。



そして夕方になり、仕込んでいたビーフシチューがいい感じになった頃に、サヘラさんが帰ってきた。

例の弟子でもある御夫婦達をつれて。

サヘラさんとお客様を出迎えるため、使用人の人達は玄関ホールで綺麗に整列をしている。

僕も一応その列の最後に並ぼうとしたところ、ヨハンさんにとめられ、ヨハンさん(自分)の横に並ぶようにと指示された。


「帰ったよ。客も連れてきた」

大きな扉が開き、サヘラさんの後から入って来たのは、大柄でしっかりと筋肉のついた、少し厳つい風貌の男性と、おっとりとした雰囲気の女性だった。

その女性は、入ってくるなり早足でヨハンさんにかけより、

「ヨハン!久しぶりね!元気そうで嬉しいわ♪」

嬉しそうにヨハンさんを抱きしめた。

「お久しぶりでございますウェルナ様。この老骨を覚えていていただき光栄にございます」

「忘れる訳ないじゃない!私の初恋の人だもの。シワは増えちゃってるけど♪」

当然だけれど、恋人へのものではなく、大事な家族にするような抱擁だった。

「ウェルナ…嬉しいのはわかるがはしゃぐな。すまないなヨハン。気を悪くしないでくれ」

大柄な男性は、ウェルナさんのはしゃぎように頭を抱え、ヨハンさんにあやまっていた。

「いえいえ、名誉な事でございます。フォルス様もお久しぶりでございます」

ヨハンさんも、お客さんの3人を子供のころから知っているからか、自分の子供のように思っているのかも知れない。

「まったく…。姉上はもう少し落ち着いてもらえないものか…」

そのあとから入ってきた痩せた細い目の男性も、頭を抱えながらため息をついていた。

ウェルナさんと顔の雰囲気がにているし、ウェルナさんを姉上と呼んでいることから、この人がウェルナさんの弟なのだろう。


そのやり取りを、見つめていたサヘラさんが、フォルスさんに声をかけた。

「それにしてもフォル坊。相変わらずいつ見ても厳つい顔だね」

「生まれつきなんですからほっといてください!それにフォル坊も止めてください!」

ウェルナさんの旦那さんの厳つい筋肉質の男性も、子供の頃からサヘラさん達と付き合いがあるため、会話に遠慮がないようだ。


それは、家族というものに入れて貰えなかった僕にとって、実に羨ましい光景だった。


その様子を見つめていた僕を、サヘラさんが手招きをしたので、近くに移動する。

「さて。先ずは紹介しておこうかね。この娘が儂の客人のヤムだ。儂が無理を言って今日の食事を制作してもらった」

そのサヘラさんの言葉に、3人のお客様が僕の方を向いた。

その視線は、なんとなく圧力が込められているような気がした。

自分が御世話になった人に、どこの馬の骨ともわからない、しかも平民が近寄っているのは、貴族の人にとっては気になるのだろう。

そうなればこそ、例えサヘラさんが居たとしても、()()()()()をする可能性があるのだ。

「はじめまして、ヤムと申します。普段はメセの街の商業ギルドに薬を卸させていただいてます。今回は私用で王都に来る際、手紙を頼まれた縁でこちらにお世話になっているものです」

なので、出来るだけ丁寧に挨拶をした。

「フォルス・ダン・ドルロスだ。子爵の地位を頂いている」

「妻のウェルナよ。今日はよろしくね♪」

「私はクロード・ヤルシャ・パセン。男爵です」

どういう返答が返ってくるか不安だったが、3人ともにこやかに返答をしてくれた。

幸いにも、お客様達の機嫌を損ねることはなかったようだ。

サヘラばあさんの頼み事はお料理でした。


1つおわび

食品の名前を異世界仕様にしてきましたが、

塩・胡椒・砂糖・酢・卵

この5つに関してだけは、異世界仕様にするのを控えさせていただきます。

理由としては、説明するときに解りづらいからです。

御理解いただけるとありがたいです


ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします

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