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《12》

「今は知らなくていい

お前が行けばエルフの郷も隠れて消えるんだ

ワタシ達なら大丈夫だよ」


「隠れなくていい

俺が戦って勝てばいい」


「勝てないって解ってるんだろう?

早くお行き

今は解らないかもしれないけど

いつかお前はお前自身を知る時が来るだろうね

ほらっ

街のみんなが抑えてるうちに

早くお行き」


「母さん・・・」


「お前が居てくれて嬉しかったよ

なんて楽しかっただろう

いつか

またいつか

帰っておいで、ネ」


「母さんっ!」


家の裏の森から

何かとてつもなく大きな気配が迫ってくるのがわかった


その気配は

家を

母を

包み込んで目の前の涙を浮かべながらも優しく慢心の笑顔の母を飲み込んで・・・

そして


・・・消えていった・・・


稲光と闇が消えた真っ白な霧の中で

俺は旅支度を身に付けた


不思議な透明に近い肌着を除けば

まるで汚い真っ黒なシャツにレザーのような生地の黒いパンツ


漆黒のローブにマント

同じ生地の登山用にも似たリュックサック


底の厚い黒い皮のブーツに

どこかで見たようなツバの広すぎるウェスタンハット


「行くか・・・」


どこへ?


霧の中をどちらへともなく歩き出した


【第1章:背の高いいい男】

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