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《10》
階段の絨毯は剥がしてあった
床板が持ち上げられて
絨毯の下に降りていく階段が剥き出しになっていた
母の後を階段を降りていくと扉があり
扉を開くと同時に眩い青い光が溢れた
「入りなさい」
母に促され扉の中に入ったとたん
青い光が急激に俺の身体に集まり
吸い込まれていった
身体が燃えるように熱い
知らない文字や図形や星座のようなモノが頭の中に雪崩れ込んでくる
気を失いそうになりながら
最後に残った一際大きく濃い色の青い光の中に
忘れていた美しい女のシルエットが俺に口付けをするように吸い込まれた
一瞬が数刻に感じた
真っ暗となった部屋の真ん中で膝まづいた俺は意識を戻した
・・・灯りが欲しい・・・
そう思ったとたん
俺の指先から白い光が発生して部屋を照らした
光に手を伸ばした自分の手に違和感がある
これは俺の手じゃない
立ち上がり振り向いて母を見た
眼に涙を浮かべる母が俺を見あげている
「お前は人間だよ
エルフの郷は人の時間とは違うから・・・
大きくなったお前は立派ないい男なんだねぇ」
脳裏が知らないはずの情報を無意識に俺に理解を与えた
「3階に行こうかねぇ」
地下から出た時に
家の外で起きている危機を理解した
俺は今
こんなことをしてる場合じゃない!




