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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第6話

・・・グレタ男爵目線続き・・・



報告書の作成を終えた時にハイエルフ様に会いに行く為の先触れを領主の館から出させた。

騎士が戻り次第、直ぐに向かえるように馬の準備も指示。


意外と早く騎士が戻ってきたが、ハイエルフ様がこちらにきてくれるようだ。

先程までカフェで鳥達と戯れながら紅茶を楽しんでくださったようで、美味しいコーヒーでも飲ませてよと優しく語りかけていただいたと報告される。


執事がメイド達に迎え入れる準備を指示。

私は館の騎士達に粗相のないように重ねて指示を出す。

階段下の正面玄関入口のホールで全員勢揃いして待ってる時……

ジャリストンと鳥の変な関係について考えていた。



ジャリストンは龍の森の良好な関係がもたらす恵み……

木材が主要産業。

他国と結ぶ街道はジャリストン近くの一部分だけ龍の森と接触してる状態にある。


街道を作ったのは龍の森の古龍だと聞いている。

古龍から……

真っ直ぐ道を作ったら計算間違えて森と接触しちゃった。

森の木は油断すると道が森の木に侵食されるらしいので気をつけてねと何代か前のエッシェンバッハ辺境伯が古龍から直接注意されてる。


実際、毎日毎日沢山の木こりが交代交代で何本もの木を伐採しているけど……全然減る気配もないらしい。

何日か経過するとまた立派な木が生えてる不思議すぎる場所のようだ。

龍の森が持つ異常なまでの魔素の濃さが、森の木の桁違いの生命力の元となってる。


木材の産出はどれぐらいかというと……

アーリンドル王国の全ての木材の需要だけでは消費出来なくて他国に売って丁度良いぐらい。

しかも龍の森の木はコツはいるが加工しやすい割には頑丈で劣化も少ない、材木として理想的な商品なので他国には高値で販売できる。


だからこそジャリストンは僻地と言える場所にあるが、馬車が動きやすい整備された主要街道がアーリンドル王国の各地に繋げてある。

木材を一番消費する首都フェリクスまでは、木材を運びやすくするために大金をかけて大きな川まで用水路を繋げてある程。


まぁ、これだけなら『変な街』とは言えない。

けど、このジャリストンが一番変わってるのは……

『鳥と共存する街』


龍の森は強力なドラゴン達が数多く住み、普通の森に住む生物は寄り付くことさえ出来ない。

鳥達も森に住めない。

なぜかジャリストンの街中で暮らしていて共存している。

鳥の苦手な人は街を出て2度と戻らない。

逆に鳥好きは

『鳥と共存できる楽園』として世界中から集まってくる……変な街だ。


私自身、別に鳥は好きでも嫌いでもなかった。

というよりも、戦地で鳥は軍事用伝書鳩しか飼われてない。


だけど……ジャリストンでは窓を開けれていれば好き勝手に鳥が入ってきて、どこでも休憩していくような環境。

おかげで生活魔法のクリーンが更に上達した。

虫やネズミなんかの害虫害獣は鳥が処分してくれるので楽できる。

ジャリストンではネズミや虫はほとんど見ない。

鳥のさえずりも疲れた心を癒してくれるので……今や鳥がいない生活が考えられなくなったぐらい。


巣になるような箱を用意しておくと勝手に子供を産んで、目の前で子育てするようになると執事に聞いて……すでに部屋にはいくつかの箱が設置してあって日々の楽しみになってる。


ジャリストンに赴任してきてから部屋の窓は常に開けっ放しの生活になったので、自分の貴重品や装備品は常に収納袋に入れて持ち歩くようになった。


巣箱になる木箱なんて、見習いの木工職人達が小遣い稼ぎでどこにでも格安で売ってる……ここは木材と木工製品の街だし。


自分の住んでる部屋に設置した巣箱に思いをはせてるとハイエルフ様が到着した。


正面玄関を開けて入ってこられた時にゾワっと鳥肌が立った。

力もオーラも極力抑えてくれているが、抑えきれない圧倒的な強者の存在感がにじみ出てる。

何をどうやっても勝てる気がしない……戦場で出会ったら即座に剣を投げ捨てて白旗あげるレベル。

2階にある領主執務室まで案内するがハイエルフ様の第一印象は儚いほどの美しさと幼さが混じって、男とも女とも言えるようで中性的。

芸術品のような美しさ。


私自身も貴族世界に生まれ育ち美男美女等は飽きるほど見てきたが……本物とは比べるのも烏滸(おこ)がましいんだと気付かされた。


ハイエルフ様の名前はホープラー様。

まだ10才と聞いて驚きを隠せない。


調停者(ハイエルフ)報復者(ドラゴン)は母親からでなく森から生まれる時がある。


そんな彼らは殊更(ことさら)特別で、生まれ()でた時から他のハイエルフやドラゴンとは比べられない程の圧倒的強者であると話には聞いてたが……これ程までとは……



美しい顔にジッと見つめられて頬が紅潮するのを抑えられなかった。


執務室にうつり私からの報告を聞いてる顔は表情豊かで子供っぽい印象はさらに強くなる。

顔をしかめたり微笑んだり、ん? っと考え込んだり……

全部が美しさと気品に溢れてる。


他国で仲裁に訪れた時に、立ち寄られたハイエルフ様にお会いした事のある同僚が、しみじみと言っていたのがこれだろう。

『目が離せなくなる程の美しさ』

『惚れるとかじゃない……頭から離れない美しさってのは存在する』

……目の前にして、今やっと理解できたわ。


気づいた時にはホープラー様は既に首都フェリクスまで飛び立った後だった。



・・・グレタ男爵視点終了・・・



首都フェリクスの王宮に到着。

空から賊15人を魔法で浮かせて引き連れたまま首都フェリクスの北側の丘の上に立つ王城と王宮の中庭へと降り立った。

中庭と一口に言っても丘の上の王城と斜面下にある王宮に囲まれた大きな敷地で、王宮騎士団が練習していたので分かりやすかったから。


後で教えて貰ったが……

王城の裏の丘は全てアーリンドル王家の所有地で、広大な土地に農業・畜産業を営んでいて首都の食を支えてる。

軍事演習もできる程広くて、丘の上の一部は森になっていて狩りをして獣の肉も産出してるんだとさ。


実は、王宮内にある玉座の真ん前までガラスをブチ破って入って行っても、誰に何の文句も言われない立場なんだけど……

龍王から言われてるのは、逆に相手が王様や皇帝と言えど頭を下げられない俺の立場を守って欲しいと。


龍の森の王という立場はこのジャスビレンドの世界において最上位クラス。

王様や皇帝は玉座を譲って玉座の横に立ってないとダメ。

魔王、勇者、英雄、教祖、法王も同様。

別に偉そうに話す必要もないが、こちら側の許可無く気安く話しかけてきたら無礼討ち。

無礼討ちぐらいじゃ何の問題にもならない立場なんだよねって聞いてる。

国や宗教のトップですら横なんだから、貴族は同じ段にいることすら失礼にあたる。


こっちが頭を下げるという前例も作らないようにと説明されてる。


「やぁ、僕はハイエルフのホープラー。調停者としての仕事しに来たよ。どこで審判をやるかがわからないから案内してよ。」

「確認して参ります。少々お待ち頂けますか?」

「うん。わかった。」


隣で固まってる騎士団の団員達に案内を頼むと、隊長が指示を出して四方に騎士が先触れとして走って行った。

フルプレートアーマーを装備したままの素早い動き。

かなり鍛えられた騎士団みたいだね。

訓練が中止になった騎士全員が即座に剣や槍は鞘に収め巨大な盾は背負い、胸に手を当てて敬礼しながら隊長からの指示を身動き1つしないで待つ。

統率も素晴らしいね。

かなり好感が持てる程の鍛えられた美しさだね。


騎士が戻って来て報告を受けると、隊長が玉座のある大広間へとご案内しますと動き出した。

前を歩く隊長に続いて歩いていく。

無論、15名の賊は浮かべたまま引き連れていく。


丘の斜面にある庭園を抜けて下の王宮へと歩いていく。

庭園は丁寧に手入れをされてるようで、妖精に愛されているのが一目でわかる。

草・木・風・水・土等々数多くの妖精が楽しそうに飛び回っている。


ふむ……妖精からの祝福を受けてる庭園だ。


ハイエルフとして落ち着く場所で気分が良くなり機嫌も良くなる。

飛んでくる時に上から見て、予想した通りの場所だった。


庭園を抜け王宮に入ると(きら)びやかな装飾は影を潜め、白に青い線の額縁が描かれたタイルが壁一面に張り巡らされている。

天井はただの白のタイル。

床は青いタイル。

綺麗だがタイル以外の装飾はない。

そのまま進み階段を降りて大広間の裏側へ。

緊急時以外は王族やメイドや近衛騎士など、限られた立場の人しか通る事の出来ない通路を通って大広間へ。


首都にいた大臣や貴族や官僚が緊急事態として全員呼び出されている。


玉座の横に立ち頭を下げてるのが、アーリンドル王国の当代国王

『ラーファエル・フェリクス・アーリンドル』

その後ろに宰相がサポートの為に控えてる。

玉座の一段下の段の左右に別れてるのは王族と大臣。

公爵・侯爵などの王族の王位継承権下位の遠戚もこの段にいる。

その下の段に伯爵までの上位貴族、子爵以下の下位貴族は更に一段下。

全員が席を立ち頭を下げてる。


領地を持たない1代限りの名誉爵になる準男爵や騎士爵は一番下。

椅子がないので右膝をついて少し頭を下げ、右手で左胸に当てて敬礼している。


メイドや執事達は壁際で腰から曲げるお辞儀をしている。


イベント開始って感じ。

作者からのお願いです。


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是非ともよろしくお願いいたします。

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