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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第54話

ダーフィットを始めとする年長者に魔法や格闘のコツを教える。

格闘は身体の流れや身体の構造を利用した動き、体重移動を使った攻撃等を理論的に教えているのに対して、魔法は抽象的で擬音が多い説明で感覚的に教える事しか出来ないと、前もって言ってあるので文句を言われないように予防線を張っているが。


ただ、年長者と言えどそこまでレベルは高くないので、多少は理論的に教える事は出来る……今のところまでなら。


日は沈み暗くなってきたので講習会はやめて晩御飯の準備にはいる。

ヘラカイオンはまだ熟成もしてないから、今夜は前もって準備して熟成させていた別の肉を使って料理になる。

料理とは言っても皆のリクエスト通り、いつものバーベキューなんだけどね。


チーム分けのまま各テーブルの上で食材をカットしていると、パシーが大量の魚介類を持ってきてバーベキューに参加する。

俺のテーブルに加わったので……俺・ユー・ミー・パシーの4人でバーベキュー。

大ハマグリやサザエやアワビなどこのテーブルは肉よりも魚介類が多い。

パシーは肉と野菜ばかりで魚介類には手をつけていない。

俺は魚介類と野菜。

ユーとミーの双子は網の上にある焼かれたものを片っ端から食べまくっている。


俺は焼けて口が開いた大ハマグリに醤油をかけると、焼けた醤油の良い香りにパシーが興味を示す。

食べさせてあげると相当美味しかったらしくて狂喜乱舞していた。

俺はアイテムボックスにある醤油の一升瓶をパシーに数本あげた。

俺のアイテムボックスには様々な種類の醤油がトン単位で入っているのでこれぐらいならなんて事ない。


それと俺のボーナスステージ人生なんだからと、様々な醤油の作り方レシピもアイテムボックスには入っているので、無くなったら自力で作ったり誰かに製造を依頼すれば良い。


アイテムボックスには膨大な数のレシピが存在している。


俺が醤油の焼けた美味しい匂いを撒き散らしているので、キャンプに参加している皆に醤油の存在もバレてしまった。

今回は美味しく魚介類を食べる為にも皆のテーブルに醤油を提供した。

とりあえずキャンプ中は醤油を提供するけど、ここにいる全員で醤油の秘密を守ってもらうことに。

この大陸には存在しない調味料なんで仕方がない。

パシーから聞いた話では別の大陸に醤油みたいな調味料を見たことがあるらしい。

どこの大陸で何年前に見たのかは、食べてもいないし記憶させていないからわからない。

調味料で真っ黒と言うより濃い紫だったから、インパクトが強すぎてほんの少し記憶に残っていたみたいだね。


キャンプのテントも秘密になってるので、このままだと秘密がどんどん増えそうだわ。

遠慮しない俺が悪いんだけどね。


食後は自由な時間。

周囲に結界を張ったので安全安心な空間。

いくつかのカップルが周辺や川のほとりで恋人同士の愛の語らいをしている。

川の中ほどまで結界が広がっているからパチャパチャと水遊びが出来る超親切設計の結界。


俺はスラリンを枕に外で芝生に寝転びお月見。

今日は満月なんでかなり明るい。

小さなテーブルを脇に置いてブラックのホットコーヒーをすする。


恋人が他国にいたり地方にいたりして、カップルで参加出来なかった成人メンバーが俺の近くで、俺と同じように芝生で寝転んで酒を楽しんでる。


物思いにふけるのが秋。

皆で寝っ転がりそれぞれが思い思いに……ふけていく夜も一緒に楽しむ。

精神的にリフレッシュできる時間を楽しむ。


眠くなったらテントに戻り就寝する。

俺はテーブルを片付けると結界の外に出ていき、少し離れた場所に転移してから深夜のヘラカイオン狩りも楽しんだ。

エイスとフーローとライチも手伝ってくれたので、日中よりも大量のヘラカイオンをゲットする。

これは今回のキャンプとは別口。

パシーから元々頼まれていた『ヘラカイオンの間引き』なので、収納袋には入れないで俺のアイテムボックスに魔法で解体してから収納。


俺が使うのが弓ではなく魔法で狩りをして遊んでいる。

エイス達も全く違う方向へ手分けしてかなりの広範囲でヘラカイオン狩りをしているので、渡した収納袋にそれぞれが詰め込んでいるだろう。


パシーは旧ダーリングアストリー帝国周辺のパトロールをしている。

龍の森の外苑部から移動させた肉食恐竜の生態チェックと、旧ダーリングアストリー帝国の国民が定期的に森に逃げてくるので……

それらを観察中。

更に旧ダーリングアストリー帝国から汽水湖の森の湖へと川の水は流れているので、バカな奴らがゴミを川に投げ捨てているから汽水湖の森まで流れてくる。

それらを排除する為にゴミを通さない結界を全ての川にダムのように設置する作業を夜中にやっていると、今夜のバーベキューをしてるときに教えてもらった。


流れてきたゴミだけを転送魔法で旧ダーリングアストリー帝国の農業用貯水池に送り込むんだと笑いながら教えてくれた。

しかも千メートル以上上空から貯水池に叩き込む。

貯水池が壊れたら農業用河川の堤防や土手にバラ撒く。

嫌がらせで毎日毎日大量にゴミを流してくるから、報復として農業を壊滅させてやるとブチ切れてた。

標的になってるのは全ての貯水池。

船で攻めこんできてもゴミと判断されて、貯水池攻撃に上空に転送されるからこちらからの攻撃が増えるだけ。


今まで反撃が遅れたのは旧ダーリングアストリー帝国の全ての農業用貯水池と農業用河川の場所を確認して優先順位をつけていたから。


今日の深夜から反撃する。


ついでに汽水湖の森も広げて旧ダーリングアストリー帝国を侵食させる。

農業を壊滅させながら同時進行で5キロメートルほどの空間を一気に侵食。

街などの建物はそのままに道や農地や草原を侵食して森の面積を物理的に増やす。

道が原始の森に埋もれるので物流が強制停止された町は壊滅するしかない。


これから旧ダーリングアストリー帝国から何かがある度に森をキロメートル単位で侵食させて土地を奪い取るとパシーは計画している。


旧ダーリングアストリー帝国は国民から面倒くさい国民性だから、どんどんと侵食されて土地を失い国民も減り続ける事になりそう。


龍の森の住処近くにいる肉食恐竜の対人専用の最上級クラスを貸し出そうかとパシーに聞いたら……

しばらく考えた後、それは今のところは大丈夫。

そのうち借りるかも知れないから、その時がきたらよろしく頼むとお願いされた。


対人専用の最上級クラスの肉食恐竜は『ウォルザオリアー』と呼ばれる恐竜。

超小型のドラゴンで体長1メートルほどしかなく、大型犬ぐらいのサイズしかないドラゴン。


恐竜とドラゴンに明確な線引きはない。

一般的な考え方では知性があって会話可能なのはドラゴンで、知性が低くて会話が不可能なのが恐竜と言われて分類されている。

だけど……ドラゴンでも念話魔法でしか会話できない種類もいるし、恐竜と分類されているにも関わらず念話で会話可能な種族もいる。

ウォルザオリアーは恐竜とドラゴンの中間部分のやや恐竜よりの生物。

念話でも会話は出来ないがこっちの言葉は理解できてるっぽい。


そのウォルザオリアーの何が人類にとって恐怖なのかと言うと……

大型犬サイズの亜種ドラゴンなので知性は低いが守備力と攻撃力はドラゴン並みに高い事。

魔法耐性や物理耐性もドラゴン並みなので、人からの攻撃はほぼ無効化されるのに対して、スピードは音速の領域で攻撃はドラゴンの爪と牙のアタック。


それに加えて時々遠距離攻撃の魔法や小規模ながらドラゴンブレスまで放ってくる。


理不尽なまでの格差があり……正直に言えばウォルザオリアーに一方的に食べられるだけの人類の捕食者。


そんなウォルザオリアーでも龍の森の住処の中心地近くでは最下層とまではいかないけど、生態系の下の方に位置していて中心部の草食恐竜に反撃された時に何頭か被害が出て殺られる時もあるから、龍の森の外縁部で狩りをして食べる時が多い。


そんでもってハイエルフには甘えてじゃれついてくるので、恐竜とかドラゴンとかの姿をしたワンコっぽいと感じる。

枝を投げると拾ってくるし。

最近は遊んでいるとエイス達が嫉妬して唸るのであまり近寄ってこないけどね。


さすがに犬よりは知識が高いのでパシーがお願いすれば何百頭も集まってくるだろう。


ウォルザオリアーの強さは集団戦の巧みさにもある。

20メートル以上のジャンプが出来るし、4本の足を広げて空中を滑空することも出来るから立体的な波状攻撃を繰り返してくる。

高レベル冒険者チームも相当優秀な結界師が居ないことには防ぎきれないだろう。


俺とウォルザオリアーとは……

ユーとミーの双子が龍の森にくる前からの遊び相手。

だから龍の森の生物で1番仲が良い。

作者からのお願いです。


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