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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第26話

グレタが号泣した理由は……

せっかく仲良くなった鳥達と別れるのが辛い……なんだけどね。

自分の部屋に鳥達が住み着き小鳥を産んだ。

そして皆は旅立ち離れて悲しくなったが、小鳥の内の1羽がペアを連れて帰ってきて、部屋で孫を産むという状態での別れらしくてという話。


キリッとした美人で赤い髪が美しい女性なのに、まさか俺の前で鳥と別れたくないと号泣するとは思わなかった。

ジャリストンの町のルールとして……

鳥はジャリストンに住んでるので他所に連れてくのはルール違反。

ってのがあって別れが辛いと号泣してる。


鳥が好きになって部屋からの巣立ちがあり、別れを済ませてたはずなのに帰ってきてくれたという……それからの別れ。

なんか嬉しくも悲しくもある話だな。

同情してしまった。

泣き止んで気分が落ち着くまで頭を撫でてた。


それ以来の再会。




・・・グレタ目線・・・





自分は正騎士団に復帰して鳥達を忘れるために精力的に活動していた。

連休があってもジャリストンに行くことはなく、自分自身を高めようと努力する領主代行になる以前の騎士だった自分に戻ろうとしてた。


変化が訪れたのは3ヶ月前の大騒動。


アーリンドル王国も何人かの貴族が隠れて闇奴隷を所持してるとしてハイエルフ様からの追及があった。

ラーフィー国王とミクリー宰相の指揮の元で正騎士団が全ての貴族の本拠地を急襲。

私も急襲部隊に入りとある貴族の本拠地に遠征してハイエルフ様から渡された資料通りに奴隷を発見。

最後の悪あがきで貴族の複数の騎士が奴隷に剣を突き立てた。

いち早く気付いた私が咄嗟に飛び込み身を呈して奴隷を守るが私は瀕死の重症を負う。


緊急連絡を受けて助けにやってきたのがアナスタシア様。


アナスタシア様の回復魔法で完全回復させてもらった。

こう言う最後の悪あがきが後を絶たず緊急連絡用の魔道具を全ての急襲部隊に渡されていたのだった。

中でも私は身を呈して奴隷を守ったので一躍英雄扱いとなった。

アナスタシア様からの誉め言葉に感動したラーフィー国王はグレタに褒美として領地を与える事となった……しかもグレタの希望する領地を。

私は鳥達と生活するのを夢見ていたので……ダメ元で以前領主代行として赴任していたジャリストンでお願いしてみた。


何しろアーリンドル王国の重要拠点だし、自分が所属する派閥のトップ、エッシェンバッハ辺境伯家の超重要拠点でもあるので流石に断られるだろうと思ってた。

しかし上での話し合いはすんなり終わり、私は功績が認められて子爵に陞爵。

正式にジャリストン領主として戻ってきたのだった。


すんなり決まった理由は……

エッシェンバッハ辺境伯家からすればグレタは派閥の一員という身内。

なので他所の派閥に取られる訳じゃない。


しかも重要拠点の領地を譲る事に気を遣ってくれた王家から、ミスリル鉱山付きの領地まで代わりに加増してもらってる。

更にグレタは龍の森の王のホープラー様とエッシェンバッハ辺境伯家の良好な関係を築くのに一役かってる。

そのお礼の意味を込めてあるので断る理由は何一つない。

国境の町とはいえ安定性抜群の領主となること間違いなし。


……そして、王家からしても今回の騒動でいくつかの貴族を潰した。

しかもその潰された貴族は王国と共に長い歴史があり、先祖代々から続く複雑な婚姻関係で共闘する親戚貴族が多くいて、たとえ王家といえどすんなり言うことを聞かせられない……

まぁ、簡単に言うと歴史に胡座をかき普段から調子こいてる貴族。

調子こいてるからこその闇奴隷騒動なんだけど。


そんな調子こき貴族は莫大な資産を所持していた。

複数貴族の余剰資金を全資産没収で取り上げたおかげで国家予算も資産もかなりの余裕ができた。

領地もかなり浮いたので今回の騒動で活躍した下級貴族達を陞爵させてから細かくした領地を与えて、王家と親交のある派閥に力をつけさせる。


更に今回はそれだけでなく普段から努力を惜しまず精一杯働いていたが、今回潰された貴族達に成果を掠め取られていた人達……つまり上が潰れてぐちゃぐちゃになった派閥の中でも有能な下級貴族だけを釣り上げて派閥を完全に壊滅させる。


そんな国家上層部の目論見もあり意外とすんなり決まった。


そうして私は……グレタ・フォン・カラマンリス子爵となって領主としてジャリストンに戻った。

だけど、鳥達と楽しい生活を想像して期待してたが……4年もたつと鳥達は世代交代が進んでいて自分と同居していた鳥達はよくわからなくなってる。

領主代行と正式な領主では住んでる部屋も違うので、私が想像してたのと違う新たな鳥達との生活だった。


新たな鳥達との生活も楽しいのだが、何故か心から楽しめない自分もいてどこかおかしい。

理由も全くわからなかった。

今日アニーが私に会いに来てお茶してた時に相談してた。

アニーが指摘してやっとわかったことがある。


私のジャリストンでの生活に鳥との楽しい生活もあったが、もうひとつ楽しいことがあった。


『ホープラーとの楽しい会話』

だからこそ送別会で号泣してたんだとアニーに指摘された。

これはたぶん恋なんだと思う。

こんな感覚は久しぶりね。

顔を見てるだけで嬉しくなるなんてさ。

16才の子供に惚れさせられたなんて、なんか悔しいから自分からは言わないけどね。

ホープラーを惚れさせて向こうから告白させてやる。

私は26才。

一回り違う。

大人の女の魅力でメロメロさせてやる。


《グレタはエリート騎士コースを歩んできてるのでそれほど恋愛経験はありません。清らかな交際が2人いるのみです。騎士としての才能があったので婚約も早々に破棄しているので婚約者とあった事もない。男だらけの生活をしてきたのに箱入り娘となってます。》




・・・グレタ目線終了・・・




俺はグレタが龍の森にやってきてくれたのが嬉しかった。

グレタがご近所さんになって戻ってきたと考えるだけでドキドキする。

けど以前、古龍の長老に言われたことがある……

『ハイエルフの恋愛は難しい』

何しろ寿命が存在しないハイエルフにとって、他の生物との恋愛は生きている時間軸に違いがありすぎて難しいと。


ただ、恋愛は理由じゃないから面白い。

惚れるのに理由なんかないし、例え傷つくのがわかっていても突進するのが男なんだよな。

って酔っぱらいの長老に絡み酒で言われてる。

言われて納得できる事ではあるんだが、酔っぱらいに言われた事でありがたみは半減してる……筋が通った話なだけになんかムカつくしな。


まぁ、長老も悪気があって言った訳じゃないしね。


俺はグレタに惚れてるんだと思う。

グレタが会いに来てくれてハーブティーを飲みながら何気ない会話してるだけで楽しいんだから。


俺は恋愛経験って少ないんだよな。

輪廻転生の回数は多いけど、前世の地球では地獄のような毎日に加えて女もトラップみたいな女とか地雷の女とかばかりで恋愛ってより詐欺師がグループ単位で対決してたって感じだし。

それ以外の人生でも政略結婚が多くて恋愛経験はそんなにない。

政略結婚は上手くいってた時が多いけど、地獄のような結婚生活も何回かあった。


勇者として活動してた時はハッピーエンドで終わったが、産まれた時からの幼馴染という黄金パターンで恋愛結婚ではあるが、他の女を見る隙間すらなかったからな。

もう1人幼馴染がいてっていうパターンではないし。


つー訳で俺の恋愛レベルは園児ぐらい……いや、園児にすら負けてるかもしれん。


なんか過去の輪廻転生での恋愛事情を考えるだけでだけで悲しい気分になってくる。


しかし過去は過去。

グレタとドキドキするピュアな感覚をできるだけ楽しんで……自分に正直になろうと思う。

我慢出来ないと思えば告白しようと思う。

例えフラれてもいい。

だって俺には悠久なる時間があるからさ。


管理者の上級幹部の彼がせっかくのボーナスステージなんだから心行くまで楽しんでねと言ってくれたし。

恋愛も生活もソロキャンもモフモフとプルプルも楽しもう。

作者からのお願いです。


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