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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第24話

レオンはミスリル製のフルプレートアーマーを装備してきた。

男爵に陞爵(しょうしゃく)されてからオーダーメイド発注した逸品で、まだ2回しか装備してない。

しかも戦闘で使用するのは初とのことでめちゃめちゃテンションMAX状態で執務室に戻ってきて説明された。


バーキット正騎士団の団長の名前は……

『ルーベンソン・レインボードウィン』

ルーベンソン団長は騎士団の制式鎧が初おろしらしくて……感動で涙目になってる。

巨大な鏡に写る制式鎧を装備した自分の姿を見て感動に打ち震えてる。


もはや俺達はオマケだな。

こういうタイプは嫌いじゃないけど。

では行きますか。

シルベール・フォン・ホルヴァート男爵の隠し倉庫は港の奥の方にある。

騎士団の馬車に乗せてもらって急行する。

バーキット正騎士団と共に警備隊も出動。

大捕物の開始。

隠し倉庫を取り囲むと中に強硬突入。

俺が倉庫の扉をアイテムボックスに収納すると、中で待ち構えてた傭兵が巨大な扉が消失してポカンとしていた。

ユーとミーが次々と傭兵をねじ伏せていく。

警備隊制式革鎧を装備して革兜で耳を隠した俺も負けずに突入。

レオンとルーベンソン団長も続いて突入してくる。

予定通り暴れたい5人だけで突入して暴れまわり、その他の騎士団団員や警備隊の皆は後から転がる傭兵達を確保していく。

意外とデカイ倉庫で中には20人以上の傭兵がいたのだが、この5人のメンツでは5分も持たずに終了してしまった。

レオンとルーベンソン団長と双子は物足りない顔をしてたが、お互いのアイコンタクトで倉庫の外に出ていった。


模擬戦するんだろうね。


俺が倉庫内に残る資料を調べながら回収して、ここは密輸の物品が多く奴隷関係の資料はほとんどなかった。

なので全ての資料や密輸品は警備隊に渡して終了。

倉庫の外の敷地では双子達と楽しそうに模擬戦をするレオンとルーベンソン団長がいて、騎士団団員と警備隊隊員が並んで順番待ちをしている。

俺もストレスの消化不良となっていたので、騎士団と警備隊の合同チームと模擬戦をして時々指導しながら少し遊んだ。

まぁ、俺達はまだまだする事があるので最後に皆に再会を約束してからコンセプシオンの領主の館に転移魔法で帰還した。


「アニー、すまない。待たせた。」

「いえいえ、どういたしまして。うん、3人とも大分スッキリした顔になって帰ってきたわね。」

「ありがとう、こっちを見張ってくれたアニーのおかげだよ。」

「じゃあ、引導を渡しますか。」


それからはホルヴァート男爵家とそれに従い私腹を肥やした者達への断罪の場。

証拠は山ほどあるしもはや極刑以外は考えられないレベル。

『見せしめの刑』

となった。


これはハイエルフの魔法で人体ごと木となり何千年も残される刑罰。

顔や身体がそのまま木となる為に全ての姿が残る。

木の結界に覆われるので何も見えない音も聞こえない、ただひたすら息苦しい状態が1年ほど続き、全身が徐々に木に変化して死んでいく刑。

木の横には罪状が石碑に残るためにほぼ永遠に罪人として残される。


ただこのままここで木にはしない。

全員を引き連れて本国の大統領府に引き立てられる。

本国で断罪してからお家断絶等をされて周知させてトルベッケトラース通商衛星国に責任を問う事となる。

今回の事件は国家ぐるみまではいかないが複数の貴族が絡む大事件に間違いない。

本国の責任問題が最後に残る。


俺は本国には行った事はないが、アニーが犯人グループも全員連れて、転移魔法でトルベッケトラース通商衛星国大統領府へと飛んだ。


犯人グループを浮かせたままアニーは俺達と一緒に大統領府にズカズカと歩いていく。

警護隊が遠巻きに囲んでくるがアニーを止めるつもりはないようだ。

警備隊の外では大統領府職員が逃げ惑ってる。


悪い事してなきゃ逃げる必要なんてないのだか、アニーはトルベッケトラース通商衛星国においては恐怖の代名詞。

それがトルベッケトラース通商衛星国男爵の騎士服の格好をした人を筆頭に10人以上も浮かせて引き連れてるんだから、何があったのかよく分からない状態では逃げたくもなる。

アニーがたどりついたのは大統領執務室。

大統領警護隊の隊員が2人がかりで執務室の大きくて重い扉を開けて中へと促してくれた。


それからはずーーっとアニーのターン。

話し合いではない。

ただひたすらアニーがホルヴァート男爵家ぐるみの数多くの犯罪を淡々とあげていく。

俺はそれに合わせて証拠の書類を提出するだけ。

大統領執務室の扉は開け放ったままなので

周囲にただ漏れ。

アニーの糾弾する声はそれほど大きい声ではないのだが、俺が魔法で大統領府全域に広げてるので全て職員が聞いているんだろう。

その為、執務室の出入口の周辺は職員が集まってきて警護隊隊員が流れを作り職員達に立ち止まらないように声をかけて見物人を捌いてる。


最後にその他の書類も全て提出した。

大統領は始めは青かった顔が怒りで次第に赤くなり、今はまなじりも上がりきって凄い形相で俺が提出した書類とホルヴァート男爵を交互に睨んでる。


アニーがトルベッケトラース通商衛星国大統領としてどう決着をつけるのかと迫った。

「ハイエルフとしては今回の複数の事件は妥協する余地もなく断罪を要求する。そして国家の貴族が起こした事件としての責任を貴国に問う。」

とのアニーの言葉に大統領の返事は……

「関係者全員の即日死罪と貴族家取り潰し親族は財産没収の上で国外追放。アナスタシア様に損害賠償を……」

「だから嘗めるなと言っただろ!」

アニーが遂に大声を出してブチ切れてしまった。

「私は損害賠償なんか求めてない! 被害者がまだまだ残ってるんだぞ!」

「申し訳ございません。そちらは全力を持って捜査して解放し保護するつもりで……」

「いや、貴国は信用に値しない。魔獣を含む奴隷の発見・解放・保護は世界中の調停者に動員をかけて我らハイエルフ自身が行う。貴国には被害者達への損害賠償を要求する。」

「承(うけたまわ)りました。国の尊厳をかけて全力で損害賠償に応じる事を大統領の名をもって誓わさせていただきます。」


これで後はアニーに全てを任せる事が決定した。

アニーが責任を持って犯人グループ全員を『見せしめの刑』にするようだ。


アニーは既に知り合いの全てのハイエルフに連絡を取り奴隷解放に向けて動き出してる。

最後にアニーは双子に向き直り……

「ユー、ミー、2人ともありがとうね。君達の中に残った辛い記憶から今なお苦しんでいる奴隷達を救う事が出来る。皆に変わってお礼を言わせてもらうよ。本当にありがとう。」


左右から抱きつく双子の頭を撫でるアニー。

俺はアニーの声を拡散する魔法を停止する。

「ホープラー、コンセプシオンの領主の館の地下にいた魔獣は任せるよ。今は疲れきっていたので眠らせてる。龍の森のホープラーの住処に結界で包んだまま転送しといたから後はよろしくね。」

「あぁ、ありがとう。申し訳ないが、こっちの後処理はアニーに任せるよ。」

「あぁ、後は任された。」


アニーとは目を合わせて頷きあって終了。

アニーは途中からずっとマジ切れしてたからな。

奴隷解放に対する熱意が俺とはレベルが違う。

ハイエルフの知り合いも多いし任せた方がアニーも喜ぶ。

アニーに頼って良かった。

助かったよ。

ここまで根が深く多くの貴族が関わってるとは思ってもみなかったから。

俺では処理に困って結局アニーに頼る事になってただろうし。


ユーとミーも落ち着いたので俺と一緒に龍の森に帰る。


転移魔法で龍の森の俺の住処に蔦の結界でくるまれた塊が3つある。

結界を解除するとそれぞれのクッションの上に乗っている3匹が丸まって寝てる。


魔獣の虎と狼と鳥。


虎は『影水虎(えいすいこ)』と言う名前の魔獣で絶滅寸前迄はいかないが希少種で間違いない。

グレーの毛並みに黒の虎模様が入った種類。

成長すると影魔法と水魔法をある程度使いこなして獲物を狩る事が出来るかなりの上位種。

成体は800キロを越えて馬ぐらい迄大きくなる。

今はまだ幼くて虎模様が出てないのでグレーの毛玉。


狼は『炎風狼(えんふうろう)』

火と風の属性を持つ狼の魔獣。

珍しい種類ではあるが希少種まではいかない。

コイツは馬より大きくなる。

炎を纏い風魔法を使って空を走る事が出来るが、炎や風を飛ばす事が出来ないので魔法の遠距離攻撃は出来ない。

全身黄色の毛並みを持つ。

頭頂部から背中そして尻尾にかけて真っ赤な毛並み。

派手でヤンキーって感じ。

こっちは幼体でも毛並みは変わらない。


鳥は『雷閻鳥(らいえんちょう)』

真っ白な羽毛で覆われた大きな鳥。

全ての羽の裏側は黄色いが翼の裏側の羽は反対で表は黄色くて裏側が白い。

翼を伸ばすと150センチ位。

完全な絶滅危惧種。

雷の化身と呼ばれる鳥で自身を雷に変化させるので物理攻撃は無効。

ただし雛の内は静電気を飛ばすぐらいしか出来ない。

黄色い雛、大きくなると色が抜けていく。

モフモフを出すのが遅くなりまして済みませんでした。

難産でした。

ヒロインはもっと難産です。

もうしばらくお待ちください。

よろしくお願いいたします。


作者からのお願いです。


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是非ともよろしくお願いいたします。

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