2 一日目
三時間前、姉妹はラクスに危険が及ばないようにウルフの群れを引き寄せ殲滅していた。
ラクスの妹である双子のレベルはシャルラもエシスも三十六、ウルフの群れなど相手にならないのである。
「早く、お兄ちゃんを追いかけないと」
「だね」
エシスは頷く。
ウルフを残滅した双子はすぐにラクス達に追い付き
ラクス達がテントを張った近くの草むらでラクス達を監視する。
テントの前で焚き火を起こし、ラクスは干し肉を齧る。
シルは鍋に具材を入れ、スープを作っていた。
鍋に入ってる具材を見るとスッポンワニの肉、高麗キャベツ。
どれも高級で精のつく食材ばかりだ。
僕は美味しそうな匂いに反応して、お腹が鳴る。
シルはクスッと笑うと
「ラクスもう少し待ってね」
ラクスはこのやり取りが夫婦のようで少し気恥ずかしくなった。
改めて見るとシルはやっぱり美少女である事にどぎまぎする。
「ラクスどうしたの?」
僕は慌てて視線を逸らす。
「どうして視線を逸らすの?」
シルは顔を近づける。
僕の心臓は高鳴る。
おでこが重なる。
「熱はないみたいだね、良かった」
ラクスは顔を赤らめ
しばらく目を合わせられなかった。
ラクスはシルのスープに舌鼓する。
シャルラは干し肉を食べながら
「あれ美味しそうだね」
エシスはお腹を鳴らしながら
「私も混ざりたいな」
「でもシルさんに負けた気になるから、今は行きたくない」
エシスは頷く。
「だね」
シルとラクスは夜の番を三時間交代でする事にした。
ラクスはパチパチ音のする焚き火を見つめながら、今後の事を考えた。
シルと旅をする事になるとは思わなかったが、出だしは概ね良好である。
シルと夜の番を交代して眠りにつく。
ラクスはピチャピチャと聞こえる水の音に目を覚ましテントの外を覗くと。
シルが水浴びをしていた。
ラクスは声を出しそうになるのを抑え、テントの中に戻る。
ラクスは何も見なかった事にして、再び眠りに落ちた。




