22.おんなじ皿からそれぞれの箸で料理をとるのは間接キスになりますか?え、そんなこと考えるのは気持ち悪い?うるさいよ。
「パーティーを組むって言っても何かすることあるんですかね?」
「うーん、確かギルドで登録することで色々便宜量ってもらえるみたいだけど・・・詳しいことは聞いてみないと分からないわ。
私だってパーティーを組むのは初めてだもの。
は・じ・め・て。」
「あ、はい、そうですか・・・」
「なによ、もうちょっと反応してくれてもいいでしょうに。」
いや、確かにナハナさんの言葉にはドキッとしたがなんか違うんだよなぁ。
どうしてだろう。
「ま、そんなことはどうでもいいけど、まだもう少しオーク狩って、次はトレントでしょう?
トレントがどんなモンスターかわかってるの?」
「はい。
図鑑で確認はしました。
トレントは森の木に擬態しているモンスターで、特徴は葉の数が少ないことです。
今の時期は森の木に比べると葉の数が少なく、見つけやすいと思います。
それから木に擬態するだけあって木材のような体であるため、木材としての価値があります。」
「そうね。そんな感じね。
ただ、私もトレントとは戦ったことがないから他の冒険者から聞いた話だけどね。
大きさもマチマチで5mほどのものもいれば2mほどの個体もいるわ。
持ち運ぶには一応のこぎりを用意したほうがよさそうね。」
「そうですね。明日買っていきましょう。」
「それから、トレントって木みたいなんでしょう?
片手剣で対応できるのかしら?」
「あ、確かに。
どうしましょうか。」
「うーん、他の武器に持ち替えてもいいかもしれないけど、今から練習して上手くいくかしら?」
「今は片手剣で戦った方が良いかもしれませんね。」
「そうね、一度片手剣で戦ってみて様子を見ましょう。
幸いにもトレントは機動性が良くないわ。」
それから俺たちはトレント狩りに向けて狩りを続けた。
オークを狩り、色々な戦術を試し、トレントの情報を集めた。
ギルドでゴードンさんにも聞いてみた。
ゴードンさんによるとトレントに有効なのは主にはハンマーや大剣などの衝撃が強い武器。
それから魔法であるらしい。
魔法の中でもトレントは特に火魔法と土魔法に弱いらしい。
ナハナさんは火魔法が使えるので今回のトレント狩りではナハナさんが主戦力になりそうだ。
だが、火魔法はトレントの身体を傷つける可能性があるため、扱いには気を付ける必要があるらしい。
「大丈夫よ。
任せなさい!
私の魔法をなめないでよね。」
ナハナさんは自信ありげにそう言った。
「そうですね。
頼りにしてますよ。」
一方で俺もトレントに向けて練習をしていた。
武器の持ち替えはしなかったが、それでもトレントと戦うにあたり、前衛は必要になる。
特にトレントの攻撃を防ぐためには剣や盾で防ぐ必要がある。
オークの攻撃を真正面から受けることは出来ないが、俺が攻撃の注意を引き、ナハナさんが後ろから魔法で攻撃することでトレントとの戦いを想定して狩りを行った。
「今日は上手くいきましたね。」
「そうね。
この調子でいけば来週あたりにはトレントに挑戦できそうね。」
「はい。
頑張りましょう!」
今日の戦いは上手くいった。
オークの肉は多少焦げてしまったが、魔法の攻撃のみで倒しきることができた。
ナハナさんも得意げな顔をしている。
「じゃ、ギルドに帰りますか。」
俺たちはギルドに帰ってから報酬を受け取った。
火魔法によって焼けてしまった部分は売ることができなかったので、自分たちで宿に持ち帰った。
宿の店主に渡し、今日のご飯にしてくれと言うと
「わかったよ。
美味しくしてやるから、待ってな。」
そう言って厨房に入っていった。
夜ご飯にはいつもの量のおかずに加えて、オーク肉を使った料理が出てきた。
幸いにも今日の本来のメインがオーク肉ではなかった為、完食することができた。
「う、もうお腹いっぱい。
セイタ、ちょっと食べてくれない?」
俺はすべて食べることができたが、ナハナさんには少し多かったようでそんなことを言ってきた。
「ま、まあ食べることは出来ますけど、いいんですか?」
「うん。
残すのももったいないし、食べて頂戴。
何なら食べさせてあげようか?」
ニヤニヤとしながらそんなことを言っている。
「だ、大丈夫です。
自分で食べますよ。」
「まあ、照れちゃって。
アハハハハ。」
うぐ、なんて人だ。
でも、もしもお願いしたら食べさせてくれるんだろうか。
ま、そんなことをお願いするような勇気はないがな。
俺はナハナさんのお皿を受け取ると、残っていたご飯を平らげた。
それでもよく考えると、これはナハナさんとの間接キッスではないか。
ナハナさんとの間接キッス。
「おい、セイタ。
顔がにやけてるぞ。
何を考えているんだ?」
「え、いや別に何もか、考えてませんよ。」
「嘘をつけ。
今の顔は絶対に何か考えていたぞ~。」
「考えてたとしても、絶対言いませんから!」
まったく、ナハナさんは男の子の心が理解できていないな。
俺はにやにやとこちらを見いているナハナさんを見ないようにしてご飯をすべて食べきった。
ご飯を食べた後寝る準備をさっさと済ませた。
「じゃあ、もう僕は寝ますからね。」
「はいはい。
お休みなさーい。」
「おやすみなさい。」
俺は一足先に部屋に戻り、布団に入った。
布団に入って目をつむっていると、廊下をナハナさんがご機嫌に鼻歌なんか歌いながら通っていった。
まったく美人の癖にやけに距離が近いから困る。
もう少し自分の魅力に気が付いてほしいものだ。
こんな感じだといつか悪い男に引っかかってしまうのではないかと心配してしまう。
って、俺はナハナさんのお父さんでもなければ、彼氏でもないのだから、過度に心配必要はないのかもしれないが・・・
俺は再び目をつむると、トレントの狩りのことを考えながら眠るのであった。
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