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ワールド・ティーチャー -異世界式教育エージェント- 作者:ネコ光一

十四章 女神教

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俺が許せない事

 女神ミラ教。

 この世界に存在する宗教の一つらしく、アドロード大陸へ来てから聞くようになった宗教だ。
 それなりに熱心な信者はいるようで、女神ミラ教のシンボルである太陽をイメージした紋章が描かれているペンダントを着けた信者が奉仕活動を行っている姿を偶に見る。

 女神ミラは愛の女神とも呼ばれ、人々に愛を与え、優しく見守る慈愛の女神様らしい。
 実際、今まで見てきた信者は善意者が多く、女神ミラ様の愛を……と、笑みを浮かべながら困った人達に手を差し伸べているので、その名に相応しい誠実な宗教に見えた。
 悪意にあっさりと騙されそうだが、不思議と被害は少なく、これもまた女神ミラ様の加護だと噂され徐々に浸透しているとか。

 とまあ、俺がわかるのはその程度である。
 宗教に関しては個人の自由だと俺は思っているので、大して興味が無いとも言うが。

「そして……私はフォニアにある、女神ミラ神殿で聖女をしていた者です」

 そんな女神ミラ教の発祥地であるフォニアの……更に聖女だと名乗る女の子が目の前にいるのだ。
 しかし聖女のわりには重罪人を裁く使徒だとか名乗っていた奴等に追われているし、着ている服も全体的に薄汚れているので、問題事が起きているとしか思えない状況だ。

 もう一つ気になるのは……何故ここにクリスがいるかって事だ。
 わからない部分が多いが、そろそろ日が落ちて暗くなり始めている。二人は疲れているようだし、一度馬車に戻ってからにしようか。

「聖女……か。まあそれは置いといて、とにかく一度休むとしよう。あっちで野営の準備をしているから二人もくるといい」
「えっ!? は、はい。何と言いますか……凄く冷静ですね」
「言っただろアシェリー。先生は特別だって」
「聖女だろうと俺には何も関係ないからな。休んで落ち着いてから、詳しい説明を頼む」

 俺達は縛った男達を引きずりながら馬車の下へと戻った。





「……初めて食べますけど、これ凄く美味しいです!」
「やっぱり先生の料理は美味しいな」

 いざという時は逃げられるように半ば片付けていた野営準備を再び済ませ、俺はクリスとアシェリーにうどんを振舞っていた。
 二人は箸を知らないのでフォークを使ってうどんを食べているが味は好評らしく、二人は笑みを浮かべながら食べていた。
 聞けば、あの男達から逃げるのに夢中で碌に食べていなかったらしい。遠慮なく食べろと伝えながら追加のうどんを茹でれば、食事が中断されて腹八分だったレウスとリースも器を差し出してきたのは言うまでもない。

 そして食事を終え、エミリアが淹れてくれたお茶を飲みながら本題へと入った。

「落ち着いたところで状況の説明を頼む。君達を保護した以上、何もせずさよならってのも夢見が悪いからな」
「先生、俺達は追われている身なんですが、説明すれば力を貸してもらえるのでしょうか?」
「内容次第だ。二人の話を聞いて、手を貸すかどうかを決める」

 短い期間だが俺の教え子でもあるクリスが関わっているので力を貸してやりたいところだが、流石に無条件で助けるわけにはいかない。
 クリスの事はわかっても、俺はまだアシェリーの事を何も知らないのだ。もしクリスがアシェリーに騙されていると判明すれば、俺は非情だとしてもアシェリーを始末する可能性だってある。

「それでもいいと思うなら話してくれ。どうしても説明出来ないなら、何も聞かず近くの町か村まで連れて行ってやるさ」

 聖女相手に上から目線で言うが、俺達は女神ミラ教の信者でもないし、人に助けを頼むならしっかりと説明して頭を下げるのが筋だと思うからだ。
 俺の言葉に戸惑っていたアシェリーに、クリスは笑いかけてから肩に手を乗せていた。

「アシェリーは何も悪くないんだから正直に話せばいい。それにもし先生が力を貸してくれたら、きっと何とかなる筈だ」
「シリウスさんは誠意を持って話せばわかってくれる人よ」
「クリス君、リースさん……わかりました。何かできるなら、やらないと駄目ですよね」

 治療した時に話して仲良くなったのだろう、リースの安心させるような笑みを向けられたアシェリーは覚悟を決めたように頷いた。

「まずはー……何から話すべきでしょうか?」
「俺とアシェリーが出会った頃からー……いや、順番が違うかも」
「じゃあ、俺が質問するから答えられる範囲で答えてくれ。アシェリーが女神ミラ教の聖女なのは聞いたが、その聖女ってのはどんな立場なんだ?」
女神ミラ教の中では上から三番目の地位となります。聖女は女神ミラ様の神託を受ける事が出来る唯一の存在ですから」
「ふむ……ではその聖女が何故同じ女神ミラ教の信者に狙われている?」

 気絶させてから猿轡を噛ませ、縛ってそこら辺に転がしている男達に視線を向ければ、アシェリーは悲しげに俯き涙を零しそうになっていた。

「それは……私が女神ミラ様の教えに背き、背教した重罪者だという神託を受けたからです」
「教えに背いた……ね。自分で自分を追い詰める神託を発表するわけないよな?」
「元より、愛の女神である女神ミラ様がそのような神託を授ける筈がないのです。ですが……その神託を受けたのは私ではないのです」

 女神ミラの神託を受けられるのは聖女だけだと言った筈だが、どういう事だ?
 俺と同じ考えなのか、隣で話を聞いていた弟子達も首を傾げながら顔を向かい合わせていた。

「質問だが、どうやって神託を受けているんだ?」
「神殿内部に祭壇がありまして、そこで祈りを捧げれば女神ミラ様の神託を授かる事ができるのです。そしてその神託は聖女のみしか授けられなかったのですが……」
「アシェリー以外に神託を受けた奴がいるってわけか。つまりそいつがー……」
「はい。神託を受け、私は女神ミラ教の敵だと宣言して裁こうとしたのです」

 そいつの名前はドルガーと言い、聖女であるアシェリーと近い権限を持つ大司教だそうだ。

「理由はわかりませんが、聖女しか受けれなかった筈の神託が、数ヶ月前から大司教も受けれるようになったのです」

 最初の頃は怪しまれたそうだが、神託があった際に発生する現象どころか、神託通りの事件がしっかりと起こったそうだ。例えば、近くの川が氾濫するとかの自然災害でさえも予期した事もあるそうだ。
 アシェリーより具体的な神託なので周囲から信頼されるようになり、それに連れて聖女であるアシェリーの立場が徐々に悪くなり、神殿内の味方が減っていったそうだ。

「それでも私は構いませんでした。大司教様の神託でも多くの者が救われ、女神ミラ様の愛を知ってもらえればそれで良かったのです。ですがー……」

 一ヶ月前……一年に一度行う、神殿関係者を集めて神託を授かる大きな祭が行われたそうだ。
 神託を授かるのは聖女しか出来ないので今まではアシェリーが行ってきたのだが、今回は周囲の要望から大司教が選ばれたそうだ。
 そして神殿関係者が見守る中、神託を受けたドルガーは高らかに叫んだそうだ。


女神ミラ様の神託である! 聖女……いや、アシェリー・ミラ・ローデンハイドは女神ミラ様に背く背教者であり、裁かれる存在であるとのお告げだ!』


 アシェリーは当然反発したが、すでに彼女の味方はほとんどいなかった。それでも僅かに残っていた味方の手によって神殿を脱出し、町からも逃げ出したそうだ。

「私を逃す為に、慕ってくれていた大勢の信者が犠牲になりました。それから残った信者と共に、ここより離れた港町まで逃げたのです」

 そのまま別大陸まで逃げれば良かったのだろうが、アシェリーは女神ミラ教の聖女であり、それ以外の生き方を知らなかった。
 いずれ無実が証明されて帰れる日が来ると信じ、港町に潜伏して情報を集めていると、女神ミラ教の信者に変化が起きたそうだ。

女神ミラ様へのお布施が大きいほど良い神託を授けられる。または幸せになれると、以前まで存在しなかった女神ミラ教の教えが増えていたのです。女神ミラ様は人々に愛を平等に注いでくださる太陽のような女神。そのような教えは絶対にありえないと言うのに……」
「何だそりゃ? 平等の愛ってわかっているのに、何でそんなの信じられるんだよ」
「お布施が多ければ女神ミラ教から優待されるので、暮らしが楽になった信者が多かったようなのです」

 それが周囲に広まり、自分もそうなりたいとお布施は増え、変わった教えも受け入れられた……というところだろう。
 しかし出せるお布施があればいいが、生活によって出せない者は当然いる。そんな人達は女神ミラ教だけでなく周囲からも冷遇され、精神的に追い込まれていく。
 その為、現在のフォニアは不穏な空気を漂わせていて、町を出て行った者も少なからずいるそうだ。

「残念だが人は周囲の環境や、優れたものに流されてしまうものだ。だけどそうじゃない人もいたんだろう?」
「はい。純粋に女神ミラ教を思い、異を唱えている者もいます。ですがそういう人達は忽然と姿を消したり、不自然な死を遂げているので、自然と口を噤むようになっているそうです」
「こんな状況なのに、君より上の人達はどうしているんだ?」
「一番上である教皇様は、一年前から女神ミラ教を広める為に大陸各地を巡礼しています」

 トップ自らが巡礼とは……中々自由な教皇だな。そんな教皇で大丈夫なのかと思ったが、アシェリーの仕方なさそうな笑みから日常茶飯事らしい。

「その下である枢機卿様ですが、数ヶ月前から原因不明の病によって床に臥せったままなのです。もし枢機卿が御壮健であれば、こんな事には……」

 つまり実質のトップは大司教であるドルガーと聖女のアシェリーなわけだ。
 ふむ……自分にとって都合の良い人材だけになっている大司教のドルガーが怪し過ぎて仕方がない。
 アシェリーの話だけで、実際の現場を見ずに決めつけるのは良くないのだが、アシェリーが女神ミラ教から追われている現状からして可能性は高いだろう。

「私は女神ミラ教が汚されていくのをこれ以上見ていられませんでした。女神ミラ教を知る者を集めて戦おうとし覚悟を決めた時、私を探していた大司教様の近衛に見つかってしまったのです」

 もしドルガーが元凶だとすれば、敵となるのは教皇と、神託で陥れても味方が残るカリスマを持つ聖女くらいだろう。
 その聖女であるアシェリーを完全に始末する為、敵は躍起になって探していたに違いあるまい。

「私は……神託を授かる以外に何も出来ません。相手の数は多く、慕ってくれていた信者が再び囮になって私だけ逃がしてくれたのです。ですが逃げた先でも近衛の一人に見つかってしまい、もう駄目だと思った時……クリス君が助けてくれたのです」
「仕事をしていたらアシェリーが追われている姿を偶然見つけて、思わず飛び出してしまって……」

 その近衛はたかが小娘一人と侮り、かつ手柄を独り占めしようとして仲間を呼ばずアシェリーを追いかけてきたらしい。
 そして袋小路に追い込んだところで……クリスが颯爽と現れて敵を倒したわけだ。
 頬を赤くしながらクリスに熱い視線を送っているアシェリーを見て、そういう事なのだと察した。

「私とほとんど変わらないのに、クリス君は自分より大きな相手に素手で立ち向かって倒したんです。凄く……格好良かった」
「近衛っていうとあそこで転がしている奴等だろ? 一人で倒すなんてやるじゃねえかクリス!」
「いいえ、先生に色々と教わった御蔭ですよ」

 レウスに肩を叩かれたクリスは照れくさそうに笑っていた。ふむ……先程の治療時に見えたクリスの筋肉からして、訓練は怠っていなかったようだな。
 商人の仕事もあるのにあそこまで鍛えているとは、予想以上に努力家な男だったようだ。

「そこで助けられたのはわかったが、何故こんな所で追われていたんだ?」
「クリス君の御蔭で私は助かったのですが、仲間は捕まってフォニアに連れ戻されてしまったんです。今の女神ミラ教では、背信者に対して何をするか想像もつきません。いてもたってもいられず、クリス君が止めるのを聞かずフォニアに向かったのですが見つかってしまい……」
「そして逃げている最中に先生と出会ったわけです。本当に助かりました」
「……クリスは何故ここにいる? ガルガン商会はどうした?」
「それは……」

 ばつが悪そうに視線を逸らしている時点から言いにくい事なのだろうが、俺達にとって馴染み深いガルガン商会の事なのでしっかりと聞いておきたい。
 しばらく何も言わず待てば、クリスは言い辛そうにぽつぽつと語り始めた。

「俺は……ガッドさんと一緒にアシェリーと出会った港町に来ていたんです」

 クリスは商人の勉強として、商売拡大と未知なる商品を求めてきたガッドに連れられてきたそうだ。
 そして一通り港町を見て回った後に、ガッドと別れて行動している時にアシェリーを助け、彼女の事情を聞いたクリスは……アシェリーを助ける事を決めたらしい。
 確かクリスは奴隷として売られていた時にガッドに救われ、多大な恩があると言っていた。そしてアシェリーと共に行くという事は、ガッドの下を去るという意味だ。彼女は追われている身なのだから、商人としてやっていける筈もない。

「拾ってもらった恩を仇で返す酷い奴だって……わかってはいるんです。でも俺、アシェリーがどうしても放っておけなくて」

 その後アシェリーを連れて事情をガッドに説明すると……ガッドに本気で殴られたそうだ。


『拾った恩を忘れる貴様なんかもう知らん、どこへでも行くがいい。せいぜい野垂れ死にしないようにするんだな!』


「俺はあの人に買われた奴隷だったのに……何も請求されず、後腐れなく別れさせてもらいました。俺……本当に素晴らしい人に拾われたんだって……」
「クリス君……ごめんね……」
「いいんだ。アシェリーが気にする必要はない。俺が君を守るって決めたんだから」

 ガッドの下を飛び出すって事はそれだけアシェリーの事を気に掛け、本気で守りたいと思っている証拠だろう。

「なあクリス、本気で彼女を守りたいのか?」
「守りたいです。俺はまだ力が足りませんが……彼女を守る為なら何だってするつもりです」

 なるほど……事情はよくわかった。
 色々と偶然が重なったとはいえ、二人を助けられて本当に良かったし、俺としては教え子に再会できて嬉しいと思う。

 だが……二人にはまず言っておかなければならない事がある。

「馬鹿者が!」

 俺はゆっくりと立ち上がり、クリスとアシェリーの脳天に拳骨を落としていた。
 教え子であるクリスはいいとして、初対面のアシェリーを叱る資格は無いと思う。大変な目に遭って可哀想だとは思うが、俺は見過ごす事ができなかった。

「あうう……」
「せ、先生!?」

 俺に殴られるとは思っておらず、二人は少し涙目になりながら俺を見上げていた。
 仲間達の戸惑う視線も突き刺さっているが、気にせずにアシェリーを睨みつけた。

「まずはアシェリー。志は立派だが、策も何も用意せずに敵陣へ向かうなんて無謀過ぎる。君が無駄死にしたら、助けてもらった人達の思いを踏み躙る事になるんだぞ?」
「でも、私一人じゃ何もできなくて……もうどうすればいいのか……」
「相談できる相手が、クリスが隣にいただろう? それにクリスは止めようとしたのに、耳を貸さないのが更に悪い。自分の決めた行動で知人を殺してしまえば……君は死ぬまで後悔するぞ?」
「あ……う……」

 本当はもっと大司教の行動に疑問を持てとか、味方が減っている状態に気付いていたのなら何かしらの行動を起こせと言いたいところだが、すでに過去の話だし、彼女はまだ若いのだから仕方があるまい。
 だが焦っていたとはいえ、クリスの制止を聞かずフォニアへ向かったのは流石に目に余る。反省はしているだろうが、己の迂闊さをしっかりと理解させる為に誰かが怒らなければならないのだ。

 今にも泣きそうなアシェリーから視線を外し、今度はクリスを睨みつけた。 

「クリス……彼女を守りたいなら、何故体を張ってまで止めなかった? お前ならこうなるってわかっていた筈だ」
「ま、待って下さい! クリス君は何も悪くありません! 私がどうしてもって強引に……」
「君は黙っていなさい。短い間だが、俺はお前に訓練以外にも生きる術を教えただろう? それが活かされていないぞ」

 つまり、クリスには状況判断できる能力があった。
 用意もなく敵陣へ向かうには無謀だと判断し、無理矢理でも彼女を止めるべきだったのだ。守りたいなら、己が泥を被る行為ぐらい平然としてみろと言いたいのである。
 おそらく理解はしていただろうが、彼女の押しに負けて流されるようについて行った結果が……これだ。

「もし俺達がいなければ、お前達は確実に奴等に捕まっていただろう。関係のないクリスは殺され、アシェリーは見せしめとして何をされるかわかったものじゃないぞ」
「……返す言葉もありません。俺は確かに甘かったです。先生が教えてくれた事を……役立てませんでした」
「ああ。己の失敗を認め、反省できたのならそれでいい。こうしてお前達は生きているし、次で活かせばいいのだからな」

 状況にもよるが、生きている限りやり直せる事は多い。失敗しても経験にはなるのだから、それを積み重ねて成長していけば良いのだ。
 歩みを止めず進み続け、倒れるなら前のめりに……それが俺の教育方針でもある。
 そして、一番伝えておくべき事を口にした。

「だがな……俺は失敗は許しても、無駄死にする事だけは決して許さん! 今回お前達がしたのは正にそれだ。二度とこういう事をするんじゃないぞ! 勿論、お前達もだ!」
「「「「「は、はい!」」」」」

 全員が返事したところで、俺の説教は終わりだ。大事な事は伝えたし、傷は癒えても疲労は残っているのだから、これ以上疲れさせるのも酷だろう。
 説教した俺が近くにいれば二人は落ち着かないだろう。俺が背を向けたところで、エミリアとリースと視線が合うなり、任せてと言わんばかりに頷いてくれた。
 同じ弟子で女性とあればクリスもアシェリーも落ち着くだろう。後は弟子達に任せ、俺はその場から静かに離れた。

 二人の視界に入らない少し離れた木の根元に座ると、フィアがやってきて俺の隣に座り、肩に手を乗せながら微笑んできた。

「お疲れ様。貴方が怒る姿なんて初めて見たけど、中々良い先生だったわよ」
「流石に見過ごせなくてな。あれは全員に言える事だから、さっきみたいなのを何度も言わせないでくれよ」
「わかっているわ。貴方が怒るって事はそれだけ本気だって事もね」
「それがわかるなら特に言う事もないか。ところでクリス達の事だがー……」
「手を貸すんでしょ? 皆の事は気にせずに貴方のしたいようにすればいいわ。私達はシリウスについていくだけよ」
「すまない。死ぬとわかっている教え子が目の前にいれば流石に……な」

 先程の会話中、弟子達がずっと何とかしたいという無言の圧力をかけてきたからな。話を聞いて同情した他に、過去に同じ訓練をした弟弟子のようなクリスが放っておけないらしい。
 そんなに甘くて大丈夫かと思うが、過去の経験によって敵を見分ける鼻は持っているようなので、そこまで心配する必要はないかもしれないが。

「それにこのまま放っておいたら、二人はまた敵陣に乗り込みそうだ」
「そうね……良い子なんだけど、アシェリーは責任や重圧から前しか見えていないようだし、クリスは彼女に目が向き過ぎて全体が見えてないわね」
「手を貸すといっても、そのドルガーとやらが話通りの下種だと判明したらの話だけどな」
「ええ、わかっているわ。あの子達の状況からして可能性は高いと思うけど、一方だけ信じていたら冒険者なんか続けられないもの」

 エミリアとリースと話すのは和むが、やはり人生経験が豊富な分、フィアとの会話はテンポ良く進んで心地よい。
 その後、フィアとこれからの予定を話し合いながら時間を潰したのだった。




「シリウス様。二人とも落ち着きましたので、もう大丈夫ですよ」
「わかった、戻ろうか」

 しばらくしてエミリアが呼びにきたので、俺は全員の前に戻った。
 アシェリーだけいなかったが、弟子達と話している内に安心し、突如気絶するように眠ったらしい。

「肉体的な疲労もあるけど、ずっと気を張っていたので精神的な疲労が大きかったみたい」
「今は馬車の中で眠っています」
「お疲れさん。それよりクリスの方は起きていて大丈夫なのか?」
「俺はある程度慣れていますから、まだ大丈夫です。それよりも先生、改めてお願いします。俺達に力を貸してください! もう俺達には後がー……」
「その件だが……俺達はこれからフォニアに向かい、補給の為に数日程滞在する予定だ。その間であれば手を貸してやろうと思う」
「ほ、本当ですか先生!?」

 クリスは大声を出して喜んでいたが、アシェリーが寝ているのを思い出して慌てて口を押さえていた。

「疲れていたから起きはしないさ。それより、彼女が寝ている間にやっておかなければならない事がある」
「シリウス様、何をされるのですか?」
「あの捕まえた男達を尋問して情報を得る。愛の女神を信仰している彼女に見せるのは酷だからな、寝ている内に済ませておきたい」
「そうですね。アシェリーに見せたくありませんし、私もあまり……見たくないです」
「ああ、だから尋問は俺とレウスとクリスでやる。三人はここでアシェリーの様子を見ていてくれ」

 尋問なんて眺めていて気持ちの良い光景ではない。特にリースは傷つける側ではなく癒す側だから、そういうのは見せたくない。

「わかりました。アシェリーはお任せ下さい」
「怪我はなるべく避けてくださいね」
「行ってらっしゃい」

 エミリアは粛々と頷き、リースは安心したように息を零し、フィアは軽く片目を閉じながら頷いてくれた。





 野営地から離れ、彼女達に声が届かない場所まで男達を連れてきた俺達は早速尋問を始めた。
 連れてきた時点で男達は目覚めていたが、口に猿轡をしているので何か唸っているようにしか聞こえない。
 男達を地面に転がし、俺達とホクトで挟んだところでレウスに猿轡を解くように頼んだ。

「さて、俺達の質問にー……」
「貴様ぁぁぁっ! 女神ミラ様の使徒である私達にこのような事をしてー……」
「うるせえぞ!」

 喋れるようになった途端に叫んできた男目掛け、レウスは容赦なく大剣を振り下ろしていた。勿論寸止めだが、刃が首へ僅かに触れる絶妙な加減は見事と言えよう。
 しかしだ……レウスと尋問するのは初めてではないが、こんなやり方教えた覚えはない。もしかしてあの変態爺さんの影響だろうか? 後で確認しておかねば。

「ひいっ!?」
「いいか……今から兄貴が質問する事は素直に答えろ。逆らう度に剣を首に抉り込ませるからな?」
「わ、わかった……」

 レウスから放たれる死の恐怖に立場を理解したのか、他の四人も激しく頷いていた。
 前門のレウス、後門のホクトに挟まれた状態で俺は質問を繰り返し、ある程度の情報を得られた。

 男達は大司教直属の近衛だが、実は女神ミラにそれほど思い入れはなく、大司教に雇われて甘い蜜を吸っている小物らしい。
 その割に女神ミラ様の使徒だとか口にしながら武器を振るっていたが、それは大司教にそうしろと言われたからだそうだ。
 そう口にする事により大義名分が生まれ、武器を振るう側の罪悪感も薄れるわけだ。そこまで考えているか知らないが、大司教はそれなりに知恵が回る奴だと認識しておいた方がいいかもしれない。

 更なる情報を得ようと尋問を続けたところで、俺とレウスの背後で黙って成り行きを見ていたクリスが困惑気味に声を掛けてきた。

「あの……先生。どうして俺を連れてきたのですか?」
「お前はこいつ等に追われていたんだが、仕返ししたいとか、殺したいとか思わないのか?」
「確かにアシェリーを捕えようとした酷い奴等ですが、殺したいわけじゃありません。それに、こういう光景を見ると嫌な記憶が蘇って気分が悪いんです」

 この光景によって奴隷時代を思い出すのかもしれない。クリスは顔を青くしながら、視線を横へ向けてなるべく見ないようにしている。

「レウスさんはどうして平気なんですか? 貴方も元奴隷なら、こういうのが嫌な筈です」
「確かに好きじゃねえけど、こいつ等は俺達の敵だってのが確実にわかっているからな。それに俺は兄貴が敵だと認識したら迷わないようにしているんだ」
「そんな理由で!?」
「俺の事はいいんだよ。クリスは嫌だろうけどちゃんと見ておけよ。兄貴が連れてきたって事はそれ相応の理由がある筈なんだ」
「えっ!?」

 一緒にいる期間が長いので、レウスは俺の事がよくわかっているようだな。
 レウスの言葉にクリスがこちらに視線を向けてきたので、俺はゆっくりと頷いた。

「辛いだろうがしっかりと見ておけ。お前には必ず必要になる」
「これが……必要? こんな、奴隷にするような行為を見て何を学べばいいんですか?」
「この男達は女神ミラ教の暗部だ。アシェリーが言う女神ミラ教に相応しくないが、実際に存在し、お前だけじゃなく聖女の命を狙ったんだぞ?」
「っ!?」

 どれだけ表が綺麗だろうと、裏では悪意を持つ者が現れるものだ。
 今回の事件はその裏が猛然と牙を剥き、表を完全に乗っ取ったわけだ。おまけに諸悪の根源は大司教らしいから、相当計画的に行われたと思われる。
 そしてクリスは、何があっても聖女であるアシェリーを守ると言いきったのだ。

「例えばだが……この事件が解決し、再びアシェリーがフォニアに戻れたとしよう。その後、今回みたいな事件は二度と起こらないと思うか?」
「それは……」
「思えないだろう? 特に、奴隷を経験して人の醜さを知っているお前ならな。だが、未然に防ぐ事はできる」

 今の状況は簡単に覆す事はできないが、初期ならば何とか出来たかもしれないのだ。
 それを前以て感知する為に、非情な行いでさえ目を逸らさず、裏の世界を見る広い視野が必要というわけだ。だから俺はしっかり見ろとクリスに言うわけだ。

「彼女は表舞台でのみ輝く聖女だ。まだ若く、優し過ぎる性格によって裏まではきっと目が届かないだろう。だが、お前なら出来る筈だ」
「俺が……守るんですね」
「そうだ。勿論裏の敵だけじゃなく、表の敵からも守れるようにな。だから目を逸らさずに学べ。そして強くなれ。何がお前を駆り立てているのかは知らんが、それくらいの覚悟はあるんだろう?」
「当然です! 俺は……絶対にアシェリーを守るんです!」
「その調子だ。とはいえ、いきなり尋問をやれとは言わん。やり過ぎれば、お前の知るアホな連中と一緒だからな」
「そうですね。加減については勉強させていただきます」
「あまり基準にされても困るがな。さて……そろそろ次の質問といこうか」

 ずっとレウスとホクトの放つ殺気に揉まれていた男達は、かなり精神にダメージを受けている。
 その弱った精神を揺さぶり、大司教の戦力を聞いたところで……何かに気付いたリーダー格が突如笑い始めたのである。

「は……ははは! もしかして貴様等、大司教様に挑むつもりなんだな?」
「そのつもりだけど、何がおかしいんだよ? 兄貴と俺がいればお前等みたいなのが百人いたって無駄だよ」
「いや……終わりだよ。お前達は聖騎士様の精霊魔法によって焼き尽くされるのだからな」
「精霊魔法だと?」

 よほど俺達がやられるのが楽しみなのか、リーダー格は聞いてもいないのにポロポロと情報を漏らしていた。

 火の精霊魔法が使えるその聖騎士はドルガー大司教の子飼いで、精霊魔法が使えるのを大々的に公表しているそうだ。
 ドルガー大司教を守るだけでなく、その圧倒的な力を使って女神ミラ教を脅かす存在と戦う最強戦力らしい。

「確かにその獣人は強いが、聖騎士様には遠く及ばんな。愛だのとくだらぬ事ばかりほざく、間抜けな聖女と共に炎で焼かれるだろうさ、ははは!」
「ふむ……その聖騎士様が強いってのはわかったが。今のお前達がそれを言って何になる?」
「は?」

 俺達の仲間には精霊魔法を使える者がいるので、精霊魔法の恐ろしさはよくわかる。
 だからリーダー格が強がる理由はよくわかるのだが……。

「その強い聖騎士様とやらはここにいるのか? 今から颯爽と現れ、縛られて動けないお前達を助けてくれるのか?」
「い、いや……聖騎士様は……」
「立場を理解出来ず、口だけで語っているからそうなる。それに今の言葉で聖女様の騎士にスイッチが入ったぞ」
「アシェリーを馬鹿にするなぁ!」

 余裕ぶった笑みが一転し、血の気が引いた顔になったリーダー格は怒った聖女の騎士、クリスによって殴り飛ばされていた。

「アシェリーは間抜けじゃない! アシェリーは女神ミラを信じて困った人の為に心を砕いているんだ! お前達みたいな、奪う事しかできない奴等に笑う資格はない!」
「き、貴様ぁ……」
「その辺りにしておけクリス。そしてお前達はもう用済みだ。その拘束を解いてやるよ」

 俺が目で合図を送れば、ホクトは頷いて前足の爪を振るい、男達を縛っていたロープだけを切り裂いていた。

「は、はは! 何を考えているのか知らんが、わざわざ縛っていたのを解く馬鹿がー……」
「もう一度拘束させてもらうけどな」

 すでに魔法陣を描き終えていたので、俺が魔法陣に魔力を流すと同時に男達の足元から土や石が盛り上がって体を覆い始め、男達の顔だけ飛び出している土のオブジェが五つ完成した。
 リースの魔法で、大きな水の球体で相手を包み込んで身動きを取れなくするのがあったが、これはその土バージョンだな。

「何だこの魔法は!?」
「隊長、身動きが!」
「くそ! 俺もだ!」
「先生……先程の学ぶという意味はわかりますけど、今は殺すのだけは止めてください。アシェリーが悲しみます」
「だから拘束で終わらせているんだ。一晩そこで反省してろ」

 この土の拘束は明日の昼ぐらいには自然と崩れ、自由になれるように設定してある。そう伝えると、クリスは渋々とだが頷いて納得はしてくれた。

「さて、情報も得たところで戻るとしようか。お前も疲れているだろうし、見張りは俺達に任せてゆっくり休め」

 周辺に魔物がいると思うが、そこまで面倒は見切れないけどな。
 俺も鬼じゃない。それ相応の実力があれば抜け出せる拘束だし、すでに夜だが運が良ければ誰か通るかもしれない。
 助けろと騒ぐ男達を背にし、俺達は野営地へと戻るのだった。





「あの……本当に手を貸して下さるんですか? 火の精霊魔法を使う聖騎士様までいるんですよ?」
「ああ、承知済みで手を貸すんだよ」

 次の朝……俺達はフォニアに向かいながら、昨夜寝ていたアシェリーに手を貸す事について説明をした。
 ちなみに捕まえた男達は馬と一緒に野に放ったと伝えたが、彼女は無事ならばそれで良いと笑みを浮かべていた。己を殺そうとしていた奴等なのに、聖女の名に相応しい優しさである。
 そして手を貸すと聞いた最初は喜んでいたが、聖騎士の存在を思い出したのか、笑みから一転して顔を青褪めさせていた。

「ですが、聖騎士様の炎は途轍もない威力を持っています。私達が背信者として逃げる時に、その人の手によって信者が炎に焼かれるのを見てしまいました。皆さんがそんな事になるなんて……絶対に嫌です」
「大丈夫だ。そこでアシェリーに聞いておきたいんだが、その聖騎士はどんな奴なんだ? 少しでも情報が欲しい」
「えっと……私はあまり関わった事がありませんが、とにかく怖い人です。大司教様の命令を受けて、敵を容赦なく焼き尽くすその姿は恐怖の象徴にもなっています」

 かなり大雑把で身勝手な性格らしく、周囲を気にせず炎を放って関係のない家屋を焼いた事もあるそうだ。
 それでも大司教の下の地位である聖騎士でいられるのは、大司教が庇っている他に、それだけの実力を持っているからである。聞けば聞くほど面倒な相手だな。

「力に溺れた者の末路だな。二人も気をつけてほしい」
「当然です! 精霊をそんな風に使うなんて……許せません!」
「精霊は武器じゃなく友よ。一度痛い目に遭わせないと駄目なようね」

 同じ精霊魔法を使える二人は、聖騎士の身勝手な使い方に怒りを覚えていた。

「ですから、私達をフォニアまで連れて行って下さるだけで十分です。私が神殿の前に立てば、真の女神ミラ教信者が立ち上がってくれるかもしれません」
「だからそれは駄目だって言っただろうが。確かに強いようだが、大司教の命令は聞くんだろう? その大司教を先に押さえれば何とかなるかもしれん」
「兄貴なら勝てるんじゃねえか?」
「流石に正面からぶつかれば分が悪い。色々と対策を考えておくが、お前達は間違っても一人で挑むんじゃないぞ」
「特にレウスは気をつけなさいね」
「わかってるよ姉ちゃん。兄貴の言う事は絶対さ!」

 このペースで行けば、フォニアには昼前には到着する予定だ。
 何かあった時に備えて今日は訓練を中止とし、町に到着した時の流れを話し合いながら俺達は馬車を走らせる。
 今から渦中に巻き込まれるとは思えない、まるでピクニックへ行くような雰囲気を出している俺達を、アシェリーは呆然と眺めていた。

「凄い人達だろ、アシェリー」
「う、うん。どうして……笑っていられるのかな? 死ぬかもしれないんだよ?」
「それが先生達なんだ。俺が尊敬する人達だよ」
「うん。その気持ち……わかる気がする」
「そんな人達が手を貸してくれれば、きっとアシェリーは神殿に戻れるさ。勿論俺も頑張る。君を……守ってみせる」
「うん……ありがとう、クリス君」

 見つめ合い、良い雰囲気になっている二人を、女性陣は穏やかな目で見つめていた。

「うーん……こっちも負けていられないわ。シリウス、ちょっと隣座るわね」
「張り合う必要ないだろ。って、エミリアもか」
「私はシリウス様の従者ですから」
「リース姉、前が空いてるぜ?」
「それはちょっと……恥ずかしいよ」

 下手すれば町一つ相手にする可能性もあるというのに、俺達はいつも通りであった。



 こうして全く緊張感がないまま、俺達は女神ミラ教の聖地でもあるフォニアに到着した。

おまけ


 シリウス教の入信者、募集中。


・資格

 シリウス様を敬い、一切逆らわない奉仕の心を持つのが条件です。



・入信後の活動

 シリウス様の為に心を砕くのみ。それ以上も、それ以下もありません。



・特典

 美味しい御飯を食べられます。
 撫で撫で、ブラッシングしてもらえます。
 幹部となり、許可を貰えれば、マスコットであるホクトさんに触れられる権利がー……




「熱心に何を書いているかと思えば……没収!」
「ああ!? そんな御無体なシリウス様!」








 後始末のホクト

※ 普段のホクトと違い、残虐な面があります。
  可愛さは一切ありませんので、ホクトのイメージを壊したくない人はご注意ください。




 深夜……男達の尋問を終え、土で拘束された男達の前にホクトが現れた。

「な……何だ!? 俺達を食うつもりか!?」

 ホクト以外に誰もおらず、男達は食われるのではないかと怯えていましたが、ホクトから敵意を感じられないとわかると安堵の息を漏らしていました。

「な、なあ、狼ちゃん。この土……崩してくれねえかな?」
「馬鹿野郎! 魔物に言葉がわかるかよ!」
「いや、こいつは賢い魔物だよ。あの男の言う事を完全に理解して動いていたし、話せばわかるかもしれん」
「本当か? いや、このまま何もせずにいるよりましか」
「よし。なあ狼ちゃんよ、俺達もう何もしねえから……これ壊してくれねえか?」
「俺達もう十分反省したからよ。だからー……ん、何だそりゃ?」

 男達が懇願してくる中、一人の男はホクトが何かを咥えているのに気付きました。

「……獲物? お前のご飯か?」
「もしかして満足に食べさせてもらってないんじゃないか? 大きいから、食事量が多そうだし」
「そ、そうか。なあ、俺達を解放してくれたら腹一杯食べさせてやるよ」
「腹一杯食わせてくれない、あんな主人についていくのは大変だろ?」
「俺達なら金が一杯あるからよ、満足させるまで食えるぜ?」

 男達はホクトの微妙な変化に気付かないまま、必死に説得を続けています。
 そしてホクトは、おもむろに獲物を地面に落としー……。

「なっ!?」

 爪で一閃し、獲物を引き裂いていました。
 男達は驚きましたが、ホクトはそれ以上何もせずに背中を向けるだけでした。

「何だ……一体?」
「ま、待て! 血が……」

 獲物を引き裂くという事は、血を撒き散らすという事。

 そして血の匂いは……捕食者を呼ぶのです。

 男達がそれに気付いた時……ホクトはすでに立ち去っていました。




 ホクトはご主人様の相棒であり、忠実な僕。

 命令を受け、ご主人様の障害にしかならないだろう相手を始末するのも仕事の一つです。

 たとえ悪だと見られようと、ご主人様の為なら一切躊躇いません。

「オン!」

 それがホクトの生き様ですから。










 説明と先生っぽい事ばかりで、話がほとんど進みませんでした。
 本当はもっとあっさりと流すつもりだったのですが、どうも調子が悪く、今回の話は妙に苦労してしまいました。
 書いては消し、書いては消しの繰り返しで、おそらく載せなかった文字が五千字くらいあったかもしれません。

 この話を投稿する日が、なろう小説に投稿を始めてちょうど一年ですが、ちょっと締まらない気分です。
 次はもうちょっと話が進む予定ですので。


 本日の夜に活動報告を挙げます。


 次回の更新は六日後です。
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