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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 エルフに嫁いだ弓使い しかし本当に愛する人が戻ってきた以上、抱きしめずにはいられない!

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第90話 到着したラグラジュ大森林 原因を探るためのとっておきの矢をエミリが放つ!

「おっ、馬車が止まった」


 降りると星空の下、

 大森林の影が見える……

 入口の村というか建物群は作業員の詰所か。


「ラスロ、この中は虫の巣になっているみたいよ」

「あーエミリ、わかるのか」「下手に焼くと森に燃え移るわね」

「それこそ燻すか、ナタリ」「森に使う分がもったいなくなるかと」


 うーん、

 馬を安全に保護するため、

 この詰所にある馬小屋で虫から防ぎたかったのだが。


(馬車の灯りを消したとはいえ、馬の体温に虫が寄ってきている)


 普通の大きさの虫じゃないからなあ、

 俺たちはヨラン、ロズリが前で払ってくれているから良いが、

 どうしたものか、と思っているとエミリがリンダディアさんに指示を。


「森をまわって、風上まで行きましょう」


 再び灯りをつけた馬車に乗って、

 あまり道と呼べないようなルートで森の周辺を走る、

 その間も運転席の両隣でエミリとナタリが大き目の虫を退治してくれている。


(森に向かう途中も、ずっとああやって倒してくれていたのか)


 中で呑気に休んでいて申し訳なく思う、

 そうこうしてぐるりぐるりと大森林周囲を回り、

 ようやく再び馬車が止まった、おそらく風上に来たのだろう。


「エミリ、そこまで強い風は感じないが」

「それでも煙を進めるには良い感じよ、そうでしょナタリさん」

「はい、それでまず最初は」「あれを使いましょう」


 馬車から出したのは大きな土の塊り、

 馬車の上に台座を置いて、そこに火をつけると、

 みるみるうちに煙が出てきた、これは虫よけか。


(そして森の中へと入っていく)


 馬車の灯りでわかるが、

 ゆっくり、ゆっくり燻している感じ、

 大量の虫が上空へ逃げて行っているのがわかる。


「すごいな、こんなのがあったんだ」

「私とナタリさんの共同開発よ、朝までもつわ」

「これで馬は大丈夫と思います、匂いは嫌がるかも知れませんが」


 それでも巨大な虫に襲われる事を考えたら……

 あっ、大きな虫がこっちにも出てきた、飛ばない系!

 それをヨランとロズリが斬る、容赦なく斬って斬って斬りまくる、て俺もやらなきゃ。


(煙の発生源に突っ込んでくるとか、馬鹿な虫だな)


 いや、馬車の灯りに引かれたのかもしれない、

 ってこの黒い煙の中だと見え無さそうなんだがな、

 しばらくして虫も出てこなくなった、すると今度はエミリが……!!


「これはアリナ様達に作っていただいたものです」


 馬車から今度は大きな矢を出してきた、

 先端がこれは魔石か何かかな、人の頭くらいの大きさ、

 矢自体も太い、あと先に何もついていない同じ矢も手にした。


「一応、予備もありますが、ここは一発で」


 そう宣言すると大森林の上空に向け、

 弓を引いてその矢を放った、どうなっているのか暗くて見えない、

 そして続いて先の無い、尖った矢を放つと……バシュッ、と当たった音がした!!


 ピッカーーーーッ!!!


「ま、眩しいっっ?!」

「光魔法です、これで敵の正体がわかるかと」

「えっ、どういうこと?!」「もしダンジョンから魔物が出ているなら、その方向に吸い込まれます」


 ……あっ、眩い光が、

 大森林の奥の方へ吸い込まれていく、

 やはり原因は魔界との繋がりだったのか!!


(いや魔界ゲートが増えたとなると、やっかいだぞ)


 そして光がどんどんどんどん暗くなって……

 あれ? 止まったぞ、ちょっとした室内の灯かりくらいになった、

 そしてそのまま今度は空に溶けるように光が消えて行って……夜に戻った。


「エミリ、これは」

「魔界との出入り口を防げたようです、

 しばらく待って予備を打ち上げましょう、それで吸い込まれなければ」「封印成功か」「とりあえずは」


 もしそうなら、

 一安心と言いたいがあの封印はいつまで持つのか……

 まあとりあえず今回は、あくまで『調査』だからな。


「ラスロ」「ヨラン、虫も来なくなったな」

「見張りを立てる必要はあるが、馬車で朝まで休もうか」

「わかった、じゃあまずは俺から見張りを」「勇者は最後だ」「いやいやいや」


 リンダディアさんもやってきた。


「原因が魔物であれば、こちらのダンジョンも封印ですか」

「そうですが、この森ってちょっとした小国くらいあって、

 ダンジョンの場所も相当な奥ですからね、朝になったら攻略という訳には」


 こっちも段階を踏む必要が、

 封印が二か所となるとますますきちんとした結婚が遠のく、

 まあそれだけ諸々の解決、特に新旧ハーレムをどうするかの猶予が生まれる訳だが……


(早く対処しないと、魔界ゲートがまだまだ増える気もする)


 このあたり、

 アリナやミオスとも早く相談したい、

 うん、朝になって色々と様子を見たら、出来ればすぐに帰ろう。

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