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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第65話 叔母のヤンデレ魔女を分析する姪 すべてに全力なのは良いが間違えると取り返しがつかない例となる

 魔界ゲートの仮封印を終え王都に帰還、

 陛下に報告の後、新ハーレム組と城の応接間へ入り、

 改めて、旧ハーレム組についてどう思うか話を聞いている所だ。


(で、最後に魔女ネリィについて、姪のハミィから素直な感想をだな)


 その結果が、『のし』つけて魔導都市へ帰せと。


「まず、完璧な封印ないし元凶の魔王討伐にはネリィの力が」

「はい、間違いなく必要ですね、それは否定しませんというか、

 その後の事で、用が済んだらとっとと七人の子供の世話に戻っていただきましょう」


 その言い方だと、

 利用するだけして捨てるみたいだな、

 まあこの場合は俺というよりハミィが叔母を、ネリィを要らないのか。


「ネリィは俺とハミィとの子を育てる気満々みたいだぞ」

「やめて下さい、なぜ奪われないといけないんですか、私とラスロお兄様の子供ですよ?」

「まあそうだよな」「たとえ叔母より子だくさんになっても、誰一人として叔母には渡しませんから」


 そんな攫っていく訳じゃあるまいし、

 とはいえ俺そっくりな男の子が生まれたら……

 俺がネリィと結婚するのを拒んだら、俺とハミィの子を狙ったりしたりして。


(ありうる、あの暴走ヤンデレ魔女ならば)


 うん、彼女の止まらない魔法と性格は十二年前によく知っていた、

 魔物退治に山越えしようとしたら道が壊されていて『なんとかんらないか』と、

 ネリィに言った結果、魔法で勝手にトンネルが作られてた事があったな、事後報告で陛下は褒めていたが。


「今のネリィって、姪から見てどうだ」

「ラスロお兄様がお亡くなりになられて、いえ、亡くなったと勘違いされて」

「そこは実際に起きた事を知りたいから訂正しないで、死んだとして話を続けて」「はいぃ」


 魔女帽子も魔女杖も、

 俺の知らないデザインだ、

 やはり最近のやつなんだろうな。


(そしてよくよく見ると、普通に可愛い)


 いや、十二年前のネリィも『地味かわいい』感じだった、

 それを言ったらハミィもか、あくまで年齢一桁(当時)に対する『かわいい』だが。


「叔母さんが急に王都で男あさりをしはじめて、ラスロお兄様が亡くなっておかしくなったのだなと、

 ラスロお兄様一筋だった訳ですから、その対象が死んだとなるとヤンデレはどうなるのか幼いながらに心配してたら、

 あっという間に新しい男性を引っ掛けて、その時は私は叔母らしいと感じました、当時は細かく理解できませんでしたが」


 まあアリナに唆されたというか、

 正妻に命令されたっていう部分があるんだろうな、

 ハーレム主の俺が死んだら、頼れる信頼できる者となると。


「今は理解できるんだ、ハミィなりに」

「はい、亡くなった人を一生想い続けて悔やみ続ける、

 そんな風にじっとしていられるような叔母ではないので」


 だからってなあ、

 七人の子作りは、じゃあ俺を忘れるためか。


「だとしたら、ネリィの行動は仕方ないと」

「そうですね、ただ、それとラスロお兄様が生還なされて戻ってこようとするのは話が別かと」

「別なんだ」「ある意味、自分の子供の『人生』そして『命』が掛かっている話ですから」


 そうだよな、

 他の三人もだけど、

 突然、母親が昔の男に走って行っちゃうんだ。


「ハミィはそれを許せないと」

「これがまず、叔母が自作のぬいぐるみに『ラスロサマ』と名付けて十二年間、独身のまま、

 抱きしめ続けていたとしたら、さすがにそれには敬意を表していたと思います」「敬意?!」「はい敬意です」


 ヤンデレ、対象が死しても極めたりって感じだな、

 その姿を想像すると相当怖いが、いやネリィは元々怖いヤンデレだった。


「でも違ったと」「ラスロ様を全力で愛していたように、

 その代わりに愛する事になった方をそれはもう全力で愛したのでしょう、

 愛される方も受け入れたからこそ、七人もの子を……その責任は取るべきです」


 うん、ヤンデレが判断を誤ると、

 間違えると取り返しがつかなくなるっていう例みたいだな。


「……だがネリィの性格だと、十二年ぶりに帰ってきた俺に責任を取りたいと」

「ですからこの私ハミィが、そして陛下から指名された新しいハーレムが責任を持って」

「そこに俺の意思は」「選んで下さるのでしたら、さあどうぞ、私達の方を……遠慮なく」


 いやはや、

 新ハーレムは本当に真っ直ぐ、

 俺を愛してくれている、いやこれから愛する気で満ち溢れているな。


「わかった、みんなの意見、

 新しいハーレムとしての意見もあと客観的にもよくわかった、

 ただ、俺には俺ももう少し、考えたい部分はある」


 そこでスッと立って近づくミオス。


「ラスロ様の事ですから、またアリナ様達の意見を聞いてみたいとお思いですね?」

「ま、まあな」「公平性を期すため……そうするとまた、昔のハーレムに心が寄せられるでしょう」

「そこは、聞いて見ないと」「そして更に私達の意見を聞けばこちら側に……これだと、いつまで経っても結論が出ないのでは?」


 まあ、確かにな。


「だが、この国を再び平和にした暁には……」

「とりあえずこうしましょう、手っ取り早い方法です」「はあ」

「私達を……今夜にでも、抱いて下さい」「えええ」「話はそれからにしましょう」


 強硬手段に打って出たーーー!!


「い、いや、それはまだ早い」

「ラスロ様、ご年齢は」「いや俺はおっさんだが」

「私達は成人ですよ? 十二年前のあの頃とは違います」


 知っているのはミオスとハミィだけだが。


「それはだな、さすがに……」

「わかりました、デートからですね」「え」

「では今から早速、五人で街中を、デート致しましょう!!」


 何この展開はーーー?!?!?!

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