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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第53話 ようやく戻って来たルバークの街で封印についてのおさらい そしてやって来たのは……!!

「聖女ハンナ様、ただいま戻りました!」

「ラスロお帰りなさい、それで封印の方は」

「とりあえずはまあ、一か月以上は持つとは思いますが」


 遠回りしたが何とか戻ってこられた、

 いや魔界ゲートから出てきた魔物の群れが拡散していないか、

 あちこち探し回って大き目の街まで行ったら予想外に遅れてしまった。


「ではやはり、完全には封じられなかったと」

「はい、やはりあれを消滅させるには、考えられる方法は……」


 とまあルバークの街まで無事帰還、

 教会で詳細な説明をしている所だが、

 あの魔界ゲート、きちんと封印させる方法は大きく三つ考えられる。


「まあ、中からゲートを完全に閉じると」

「はい、でもそれだと入った人が出られなくなります」

「犠牲が必要なのね」「結果的に俺が出てこなければ良かった、と言えなくも無いですが」


 俺の手を取るアリナ。


「そんな事は、言わないで下さい!」

「いやしかし、実際の所、あのままだった方が」

「ラスロ様がそこまで犠牲になる必要はありません!」


 落ち着かせて話を続ける。


「後は本当に超強力な、絶対に魔物が、魔王クラスでさえ近づけないような結界をあそこに張る」

「しかし、よほど高度で難しい結界魔法を、新たに開発する必要があるわね」

「はい、下手をすると年単位……それまで蓋をし続けるのが、もつかどうか」


 封印に対する耐性も出来るだろうから、

 その結界すらも、いつかは破られる危険性がある、

 まあ二百年持つ結界が完成すれば、後は未来に任せれば良いか。


「あとひとつは?」

「はい、これはあまり現実的では無いかもしれませんが、

 軍を率いて魔界に攻め入り、完全制圧をしてしまう……ようは戦争です」


 普通ならとんでもなく犠牲者が出そうだが、

 魔王と呼べるクラスは俺ひとりで全部倒せた、

 その後の新しい魔王については当然、知らないが。


(なので、今このメンバー、九人全員で行けば……!!)


 ダンジュくんは、ごめん。


「なるほどね、わかりました、ではいざとなったら私が犠牲に」

「いやいやハンナ様、そんな事をお願いするために相談した訳では」

「この老いぼれの命ひとつで世界が救われるのであれば、お安いものですよ」


 俺のせいで隠居の聖女様を死なせる訳には、いかない。


「あの、ラスロ様」「ああどうしたミオス」

「ラスロ様は魔界で十二年間、過ごされていたのですよね、おひとりで」

「ま、まっ、まぁな、うん、ひとりで、なんとかひとりで」「それは具体的にはどうやって」


 言えない事だらけだ。


「つまりミオスはハンナ様に中で、ひとりで生きていけと」

「可能でしょうか」「いや、それ以前の問題としてなのだが、

 内側から魔界ゲートを閉じるとなると魔力どころか全生命力を使う、まさしく犠牲が要る」


 ここで挙手したにはハミィ。


「どうした」「あの、ひとつ疑問なのですが、お兄さ、ラスロ様が魔王と一緒に魔界へ落ちた後、

 世界は平和になった、という事は魔界とのゲートが閉じられたという事ですよね?」

「ああ、それなら魔王の仕業だ、あの強大な魔力があってこそ出来る芸当だ、人間がやるには命の対価が必要だろう」


 そしておそらく、

 俺を逃がさないために魔界ゲートを閉じた事で、

 あの魔王は魔力を大きく消費した、そのおかげで俺は勝てたのかも知れない。


「では、今現在の魔王にお願いして閉じて貰う訳には」

「いう事を聞くと思うか? 討伐かこっちが服従するかの二択になると思うが」

「そ、そうですか、申し訳ありませんっ」「もう、ウチの姪が余計な事をヲヲヲ」


 ……ただ、ひとつとんでもない対処法が頭を過ぎったが、

 これについては黙っておこう、うん、新しい魔王を創るという方法だが。


(いっそ俺が魔王に……いや、人間を辞める気は無いぞ!)


 という感じで情報を整理し、

 教会を後にするのだが最後にハンナさんが。


「良い感じでまとまりそうね」

「ええっと、魔王討伐がですか」

「貴方たちのことよ、後は幸せになりなさい」


 と、言われてもですね……

 そんな感じで夜となりさあ夕食、

 と思っていた所へ目の前にひとりの少年が現れた。


「母上……母上ですよね?!」


 そう言ってヨランの前に立つ貴族の坊ちゃん、

 予想していたのか、ふうっ、と大きなため息をついたヨラン。


「……もう私は、母では無い……とは言えないわね」


 そりゃそうだ、母は母だ、俺の推測が正しければ……いや、これは間違いないな。


「父上が」「ごめんなさい、忙しいの、さあラスロ」

「……ふたりっきりで話すか?」「ええ、私とラスロで」

「いや、そうじゃなくって」「ではこの子は、私が」「アリナ……」


 なんという連携よ。


「ではラスロ、行きましょう」「母上!!」

「……ヨラン、ここは」「ラスロ、一旦ここは、ね?」


 アリナの判断は、

 俺とヨラン、アリナとこの子でまず会話ってことか、

 でもなあ、俺としては母子でしっかり会話をして欲しいのだが……よし、こうしよう!!


「ここは、みんなで飯を食おう」


 情報の共有だ。

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