第222話【妄想】子供ハーレムを選んだら 伸びしろしかない、そして育て放題なのだが
「勇者ラスロさま、おはようございます」
「ああおはようマンヌ、ていうかなぜ俺の身体に乗っている」
「男の方はこうして起こされると喜ぶと」「……完全に娘だな」「妻ですよ?」
教会兼新居で起こされた俺、
重すぎず軽すぎず、十一歳の体重……
そして幼いながらも満面の笑み、眩しい聖女の顔で目を醒ます。
「添い寝は早いって追い出したはずだが」
「ですから朝まで待ちましたわ、もうよろしいですわよね?」
「ちょ、潜り込もうとするな、起きる、起きるからっ!」「んもう」
ベッドから降りると、
他の三人が扉から覗き込んでいた。
「ラスロ殿、ラスロ殿のために今朝も、皆で食事を作りました」
「サラダは私が盛りつけました、人もエルフも、喜ぶ味付けです」
「魔導都市にだけ伝わる秘伝の胡椒も、隠し味にこっそりと入れておきました」
ルキア、ララル、アインの三人、
子供の作る料理、たまに味があれっ? てこともあるが、
日に日に上達しているのがわかる、これもまた楽しみのひとつか。
「それで本日の予定ですが」「ああ」
「まずは朝から孤児院への慰問、そして王宮騎士団への指導、
昼食を挟んでエルフ集落でマザーツリーの確認、夜は王宮魔術師団と夕食会です」
十一歳ながら怖いくらいしっかりしているマンヌ、
すでに聖女の称号を貰えるくらいには魔力があって更に伸び続ける、
また頭も良く知識も、そして知識欲も凄い、うん、将来が恐ろしい正妻だ。
(だからこそ、なぜだろう、勇者として『育てたい』と思ってしまう)
目覚めの紅茶を持ってきてくれた ルキア。
「空いた時間で、また剣技の稽古をつけていただけますか」
「ああ、十年後か二十年後かに、封印がほころび始めた時のためにな」
「その頃は、ラスロ殿は後ろでゆっくり見ていて下さい」「そうなるかな」
まだ十二歳の、勇者の後継者……
すでに俺と同等の技を持っているというか、
もちろん力は俺のが上だが、全ての総合得点という言い方をすれば、横に並ぶだろう。
(現時点でだからな、俺はもう抜かれる未来しかない)
それは良いのだが、
ハーフエルフのララル、
魔女っ娘であるアインの背後が気になる。
「また来たのか、エミリ、ネリィ」
「これは母として、保護者としてですね」
「あくまでも、見守りですデスうウぅゥっッ」
どさくさまぎれに入り込んでくる母親ふたり、
隙あらば俺をと狙って来てきるのはわかるのだが、
もう正式に彼女達を迎え入れてしまった以上、そういう関係を持つ気は無い。
(そう、三、四年はお預けだとしても)
むしろ十五歳でいただかなければならないのかと、
もちろん俺の年齢を考えれば早ければ早い方が良いが、
一応、成人するための見張りという建前でこの二人が監視に来ている。
「そういえば勇者ラスロ様、アリナさんですが」
「どうした」「先日、ドリアードさんとデートしていましたよ♪」
「……それ、一緒に歩いていただけだろう」「私から見ればデートですね」
子供っぽい、
十一歳っぽい事を言うなあ。
「それでラスロ殿」「どうしたルキア」
「私が三連勝したら一緒にお風呂に入ってくれるという約束は」
「あ、ああ、そうだな、昨日負けたからな、寝る前の運動で」「楽しみにしています」
その言葉に集まってくるララルとアイン。
「では私はお背中を流す係で」
「私はママが入ってこないかお風呂の中で監視を」
「ララル!」「アイン、お尻ぺんぺんですよおぉオォ」
なんだかんだで正式な結婚は十五歳になってから、
それまでは婚約者、伸びしろしかない若い少女たち、
だからこそ、その成長が楽しみだし、ゆっくり、ゆっくり一緒に歩もう。
「勇者ラスロ様」「な、なんだマンヌ」
「子作りの方法は、もうきちんと教えておきましたから!」「おいおいおい」
「後は実技だけですね♪」「……なんだか恐ろしいのだが」「大丈夫です、頑張って学習しますから!」
そっちの伸びしろも、
覚悟しないといけないのか。
(子供ハーレム、と思って侮るなかれ、だ)
まあいい、選んだ以上は真面目に向き合おう。
「マンヌ、この国の未来のためにも頼んだぞ」「はいラスロ様!」
「ルキア、次の勇者として背負わせてしまうが、幸せな時代の勇者にしてみせる」「もう幸せですよ」
「ララル、アイン、一緒に歩いて行こう」「はい、光栄に思います」「嬉しいです、ずっと一緒ですから!」
こうして俺は、
若すぎるハーレムを育てながら愛する、
という道を選んだのだった、そう、五人一緒に……。
回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回
……という妄想をしてみた。
(いや、良い話風にしても犯罪の匂いが凄い)
これでも俺なりにマイルドにしたのだが、
まあいいや、とりあえず四種類のハーレムについて、
それぞれ想定はした、そして結論を出す材料は揃った。
(ただ、それで選べるかというと……)
うん、最後にもうひと押し、
助言が欲しいな、よしここは、
あのお方に自ら会いに行ってみるか!
「思い立ったがってやつだ、今から行こう」
と呟いた俺が、
向かった先はというと……!!




