第221話【妄想】魔物ハーレムを選んだら 魔界に堕ちた瞬間、俺の運命は決まってしまったのかも知れない。
「ラスロ、やっぱりこっちが落ち着くわね」
「ああアスト、結局は俺の棲家は、魔界のこのアジトになってしまった」
「今日からここは正式に『ラスロ城』よ、魔界で一番のお城にしましょう」
魔物ハーレムを選んだ俺、
気分的には『人間界を救うための生贄』になった気分だ。
「やっぱりここだと、のびのびできるさね」
「カミラ、カミラはいいのか、この城の方で」
「見つかった同族の棲家を、この城の近くに造れば良いさね」
アストという名の椅子に、
いやベッドに座る俺に絡みついてくるナルガ、
続いてリムリアも本来の大きいサキュバス姿で飛んできた。
「ふふ、こっちに戻る覚悟を決めたのなら、
貸し借りの最後の一回で殺さないでおいてあげるわ、
もっとも死んだ方がマシだった、なんてことになるかもね」
続いてコウモリ姿から変身するヴァンパイアのカミラ。
「一刻の里帰りはいたがだった? 私が命を張った甲斐があったわ」
「いやカミラは死んでるだろう」「そうね、お互い死んでからが永遠の本番よ」
「ラスロ、里帰りで思い出したというか改めて言うけど、人間界の城はそのままよ」「ああ、知ってる」
今後も未来永劫、人間界と魔界が揉めないとは限らない、
なのである意味、大使館的にあそことラグラジュ大森林は、
ごく少数のドリアードが交代で住んで管理やら情報交換やらをする。
「あたしとしてはラスロの居る所が棲家さね」
「まあ、たまにまた里帰りするさ、用事もまったく無くなった訳じゃないだろう」
「ふふっ、本当に良いの? 人間のハーレムを捨てて」「ああ、全てを清算するには、もう、こうするしかない」
ベッドで取り囲まれる俺、
左右から、下から、上から……
そう、俺は覚悟を決めたんだ、全ての魔王を倒す協力、その対価に人間界として……俺を差し出すと。
「ではラスロ、私はラスロの正妻となってエルフの子を産む、それで良いわね?」
「ああ、それで話は詰め切ったことになるんだな」「そうね、子は成長したらラグラジュ大森林へ」
「ラスロ、あたしとの子供も沢山作るさね」「好きにしてくれ」「相性が良いからきっと沢山産めるわ」
アストが正妻ということは、
ナルガは側室か、そしてこのふたりも……
「ふふ、ラスロ、サキュバスの本気を甘く見ちゃ駄目よ、覚悟してね」
「ああ、わかっている」「私は死ぬ前のつまみ喰いよ」「カミラ」「量は貰うけどね」
「ということでラスロ」「お、おうアスト」「人間として、何か言う事は無いのかしら?」
人間として、かあ。
「うーん、ていうかなぜ今更」
「そうね、おそらくというか遅かれ早かれ、ラスロは人間じゃなくなるわ」
「魔物になるのか」「そうさね、あたしたちと毎晩することし続ければ、そうなるわさ」
そのあたりはまあ、
覚悟を決めるしかないと。
「ふふふ、魔物どころか魔王になるわよ」
「元人間の魔王、その死体はさぞかし美味しいでしょうね」
「リムリア、カミラ……」「それでラスロ、言いたい事は?」
そう微笑むアストに、
俺は人間として、いや、ラスロとして告げる。
「アスト、ナルガ、リムリア、カミラ……ありがとう、愛してるよ」
「私もよラスロ」「あたしもさね」「ふふふ、大好き」「もう私達のものよ」
「それじゃあ、その、なんだ」「ええ、やっとね」「するさね」「肉体同士は初めてね」「体温も嫌いじゃないわ」
こうして俺は魔物ハーレムに包まれ……人間を、辞めた。
回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回
……という妄想をしてみた。
(いやこれ、ハッピーエンドなのか?!)
まあ俺の魔物に協力して貰った事を、
全て清算したらこうなるのは仕方がない、
と言いたいが俺も俺で力を貸したぞ、結構。
(それを、俺が一方的に犠牲になるのはなあ)
まあ犠牲っていう言い方はアスト達に失礼か、
自分の捲いた種なのは間違いないことなんだし、
ここまで妥協というか自分を差し出すのは、行き過ぎかも。
(じゃあ最後だ、いや想像して良いものか)
でも流れだ、それにもう立派な候補だ、
どうせ単なる妄想、あくまでも想定に過ぎない、
選ぶかどうか、いや、本当に選択肢になるかも含めて考えよう。
(まさかと思うが、選ぶのが、禁断の子供ハーレムとしたら……)
十一歳を正妻としたお子様ハーレム、
彼女達を選ぶというトリッキーな選択をした場合、
その生活、日常はどうなるのか、ちょっと真剣に、想像してみよう。




