1-3-13(第63話) 彩人とルリの目覚め
すいません。
まだ、事後処理の段階です。次話こそ…!
「……んん。ここは…?」
俺はゆっくりと目を開ける。
「…知らない天井だ」
「ここは医務室ですよ、アヤトさん?」
「うひゃあぁ!!?」
ええ!?クリム王女がなぜ俺の寝ている横にいるんだ?
俺は理由を考えようとすると、
「いっ!」
ちっ。まだ体の痛みが完全に引いておらず、その影響が頭にまで及んでいた。
「アヤトさん!?」
クリム王女はさらに顔を近づかせる。
ちょ!?近いんですけど、近いんですけど!?
「ちょっ!?クリム王女、近いです、近いです!」
「もっと近づきましょうか?」
「離れてください!」
クリム王女は嫌々俺から離れる。
何故そんなにも嫌々なんだ?
「…今後のことをお話ししますが、いいですか?」
おそらく、あの決闘のことやあのくそ公爵の対応ってところかな。
「わかった」
俺はクリム王女の話に耳を傾けた。
まず、エン公爵は爵位剥奪だそうだ。今後は国のために農地を開拓したり、馬車馬の馬の如く働かされるらしい。いい気味だな。
そして、ガドン伯爵?も爵位剥奪だそうだ。何故?って聞いたのだが、詳しい理由を聞こうとしたが、
「これ以上聞くなら、そのお口を私の口で塞ぎますよ?」
俺は即座に聞くのを止めた。
まぁ、そもそもガドン伯爵?が誰なのか俺にはどうでもいいし。
次に、俺の対応だ。
まず、この決闘が、赤の国全土にまで話がいき、俺の戦いっぷりが有名になったそうだ。
俺、そういう目立った行動をした覚えがないんだけどな…。
幸い、俺の顔まではばれておらず、
「公爵殺し」
という二つ名ができたそうだ。
別に全ての公爵を殺す、なんてことはしてないのに…。
特に貴族の間では顔ばれしているので、貴族達が怯え、家の中に塞ぎこむ者がいるほどだ。
それって、完璧に自業自得だよね?俺のせいじゃないよな?挑んできたのはくず公爵からだったし。
そしてそれらのことをクリム王女は嬉々として語った。
ちなみに、アヤトが気を失ってから後の出来事、ガドン伯爵の暴走の事を一切話していない。
「…今のところはそんな感じですかね」
「…そうか…」
俺は今までの話を頭の中で整理していたころ、
「…ん、んん。お、にいちゃん?」
「あぁルリか。おはよう」
「ここは?」
「医務室、だそうだ」
「それってつまり、…」
「あぁ、俺達があのバカどもに勝ったんだよ」
名前は……なんだっけ?まぁ別にいいか。
「…よかった。よかったよ、お兄ちゃん!!」
ルリは俺の胸に抱きつく。
俺はそれを体で受け止める。
「あぁ、そうだな」
「うん!!」
ルリは最高の笑顔で俺を見て、返事をする。
その笑顔はどんなアイドルの笑顔より、輝いて見えた。
いつも読んでくれてありがとうございます。
次こそ日常編に突入します。
感想やレビュー、お待ちしております。




