表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
547/550

7-1-57(第546話) 虹無対戦~無の国編その20~

「「「!!!???」」」

 突如、声が聞こえた。この声に聞き覚えがあったが、誰の声かは分からない。

「ムーア!やはりそいつの中に隠れていたか!?」

「ムー、ア?」

 どこかで聞いた・・・あ!?

(ムーアじゃなくて、カラトムーアか!!??)

 ということはつまり、こいつは・・・!?

(カラトムーガの、兄弟・・・?)

 そして、カラトムーガの発言から推測するに、こいつはずっと俺の中に隠れていたのだろう。

(ということは、この【超繋虹】に関するアドバイスをしたのもこいつ、ということか)

「もう辞めるのだ。お主も薄々気づいているのではないか?このようなことをしたところで・・・、」

「黙れ!!!貴様に何が分かる!?」

「!?」

 俺はカラトムーガの怒気で怯んでしまう。

「貴様はいつも、周囲の人間に囲まれ、幸せに暮らしていた。それに対して我はどうだ!?どうだったか!!??言ってみろ!!!」

「それは・・・、」

「我はいつも、いつも独りだった!我が話しかけただけで周囲の人々は我を避け、魔法を見せただけで逃げられた!!」

 ・・・。

「それに対して貴様はなんだ!?村や町に入るだけで周囲の人々は貴様に近づき、一挙一動に拍手を送られていたな!それだけ称賛を受けてきた幸せ者が、笑顔を向けられた貴様に何が言える!!??」

 ・・・・・・。

「だからこそだ」

「なんだと!今まで幸せに生きてきた奴が、何も苦しんでいない奴が我に何を言うというのだ!!??」

「だからこそ、お主が抱いている感情を危惧していた。我が周囲の者達と話をする度、お主の感情の影が濃くなっていった。誰もがお主を怖がっていたから、我がお主と周囲の者達を繋げようとしていたのだ」

「嘘だ!そんなこと、我は一切知らぬぞ!」

「それはそうだろう。お主を驚かせたくて、内密に進めていたのだからな。もう少しで準備が終わろうとしていた時、お主が暴走し始めたのだから知らぬのも無理はないだろうがな」

「・・・信じぬ」

「・・・」

「そんなこと、我は信じぬぞ!何を今更そんなことを言っている!?遅い!何もかもが遅過ぎるのだ!!」

 カラトムーガの掌に魔力が集中し始める。

(少しやばそうだ)

 俺もカラトムーガ同様、掌に魔力を溜めようとした。だが、俺の肩に掌が置かれる。置いた者を見ようと、俺は後ろを見る。俺の肩に手を置いた者の正体は、リーフだった。

「あの魔力の方は、私達がなんとかします。だからアヤトは・・・、」

「分かった」

 俺は、あのカラトムーガを直接叩いて止めるとしよう。

「・・・やはり、我に味方は誰一人いなかったのだ。ならば、こんな世界など、不要!不要だ!!」

 そう言い、カラトムーガは掌を地面に向ける。

(まさか、あの魔力を地面に直接撃ちこむつもりか!?)

 あの高密度の魔力の塊を地面にぶつけたら、絶対碌なことにならない!

(リーフ達は自分に任せろと言っていたが、一体何を・・・!?)

 そう考えていた直後、俺の後ろから莫大な魔力を感じた。後ろを見てみると、クリム、イブ、リーフの三人が一か所に魔力を集中させていた。

「二人共、力の出し惜しみなんかしないでよ?」

「当然です!クリムこそ、手を抜いたら承知しませんよ?」

「・・・二人共、魔法に集中する」

(この魔力、何かやばそうなことが起きそうだな)

 だが何故だろう?どこか見覚えがあるような、以前にも似たような光景を見たような、感じたような気が・・・!?

(・・・そうか。あの三人はあの魔法を使うのか)

 なら大丈夫だ。俺は三人に背を任せる。

「・・・私も、やろう」

「!?」

 ここでさきほどまで俺と戦っていたセントミアさんが出てくる。

(さっきまでボロボロだった・・・ああ、そういうことか)

 時間経過により魔力が回復し、回復した魔力で体力を回復させたのか。

(正直、戦力としては嬉しい。嬉しいのだが・・・、)

 セントミアさんの言葉をそのまま信じていいのか分からない。俺だったら、こう言って相手を信じ込ませた後で不意打ちを食らわせて・・・と、そんな可能性を考えていたからである。

 だが、そんな不安を吹っ切らせてくれる者がいた。

「いいんじゃない?」

「!?」

 その者はルリだった。

「その人から悪意?なんか悪いものを感じないし、協力してもらおうよ。ね、クロミルお姉ちゃん?」

 ルリがクロミルに話を振るや否や、クロミルはセントミアさんに白魔法をかけ始める。

「ご主人様のこと、お願いいたします」

「・・・ああ」

 そして、モミジは俺達に近づく。

「私が植物さん達の力を借りて、近くまで送ります。どうかご無事で」

 俺はモミジの言葉に頷く。セントミアさんも俺と同じように頷く。

「それじゃあ行きます。ルリさん、手伝ってくれますか?」

「もちろんだよ、モミジお姉ちゃん!」

 そう言い、ルリもモミジみたいに、地面に手を置く。

「それでは、二人共お願いします」

 モミジがそう言った後、地面に違和感を覚える。地面が突如盛り上がり始める。

(植物が俺達を押し上げているのか)

 後でここの植物達にもお礼を言わないとな。

 俺は神色剣を強く握り締め、【超繋虹】を発動させる。

「!!??」

 七種類の【色気】と七種類の【色装】を同時発動しているからか、【六色気】を使用している時以上に重い負担だ。

(正直、連続使用は控えたいところだな)

 そんなことを脳の隅で考えつつ、カラトムーガとの距離は近くなっていく。

「!?あの魔力・・・いいだろう。まずは貴様らからだ!」

 カラトムーガは三人の膨大な魔力に気づき、視線を三人に向ける。

(注意がリーフ達に向けられたな。今の内に近づけられるな)

 あの魔力は三人に任せて、俺はセントミアさんと共にカラトムーガを叩く!

「貴様らが死ぬことで、あ奴の絶望した顔を拝んでやろう」

「私達が死ぬ、ですって?」

 カラトムーガの言葉に、リーフは笑みをこぼす。

「・・・何がおかしい?」

 リーフの笑みに、カラトムーガの機嫌が悪くなる。

「だってあなた、私達が死ぬ、なんてありえないことを言ってきたのですからね。つい、」

 リーフの言葉に、クリムとイブも笑みを表情に浮かべる。

「そうね。私達が死ぬなんてありえないわ」

「・・・ん、激しく同意」

「私達はこの魔法で、あなたを倒すのだから!」

 リーフ、クリム、イブは以前放った魔法、【殲滅熱光線嵐(デストロイヒートレーザーストーム)】をカラトムーガに向けて放つ。

 そして、カラトムーガの魔法と三人の魔法が激突する。周囲に大きな衝撃波が起こり、常人なら立っていられないほどの強風がリーフ達を襲う。

(これほどの魔法をあの三人が・・・!?)

 リーフ達、凄いな。

(俺も、やらないと)

 その一方で、

(互角、ですか・・・)

 リーフは現状に内心焦っていた。

(出来ればこの魔法で倒したかったのですが、難しそうですね)

「・・・大丈夫」

「!?」

 イブはリーフの様子に気づき、声をかける。

「そうです!私達なら、いけます!」

 リーフはイブとクリムの言葉に安心する。

「ありがとう」

 そして、感謝の意志を伝える。【殲滅熱光線嵐(デストロイヒートレーザーストーム)】の威力が更に強まる。


「・・・まさか?いやあり得ん!」

 カラトムーガは自身の魔法の威力を強めたが、少しずつ、少しずつ押されていることに怒りを覚える。

「我は神なのだぞ!神ゆえに最強!!誰にも負けないのだ!!!」

「それは違います」

 カラトムーガの言葉を、リーフは即座に否定する。

「独りだと、どうしても限界が来てしまいます。独りだったら、限界が来たら終わりですが、仲間がいたら違います。仲間がいれば・・・、」

 リーフ、クリム、イブ。それぞれの体から血が流れ始め、苦痛の色が顔に出始める。

「・・・」

「・・・」

「・・・」

 互いが互いを見る。その後、三人は同じ笑顔を顔に浮かべ、再びカラトムーガを見る。

「イブ?まさかこの程度で根をあげる、なんて馬鹿な事は言わないでしょうね!」

「・・・そっちこそ、魔力が弱まっているのでは?もしかして、怖気ついた?」

 互いの言葉に怒りを覚えた二人は、

「「絶対、こいつには負けない!!」」

 自身の力を更に強める。

「この我が、押されているというのか・・・、」

 カラトムーガは、三人の魔法より自身の魔法の方が劣勢なのだと自覚し始める。

「お主、もう意地を張るのはやめようではないか?一緒に我も謝ろう。だから・・・、」

「うるさいと言っておろうが!!!」

 カラトムーアの言葉をかき消すように、カラトムーガの魔法の威力を強める。

「我には誰もいなかった!貴様のように、常に誰かが一緒にいた、幸せ者には分かるまい!」

「・・・我は、お主が思っていたほど幸せではなかったぞ?それに・・・、」

「だから何度もうるさいと言っておろうが!!!」

 カラトムーガの言葉の強さとは対照的に、カラトムーガの魔法は三人の魔法に押されていく。

「あり得ない!この我が、何も残っていないこの我が負けるなど、絶対にあり得ない!!」

「いえ、あなたの負けです!」

 三人の魔法は、徐々にカラトムーガに近づく。

「やめろ。くるな、くるなーーー!!!」

 カラトムーガに三人の魔法が激突する。

「ふぅ」

「やった、わ・・・、」

「・・・もう、無理・・・、」

 リーフ、クリム、イブの三人は力を出し切ったからか、その場にへたりこむ。

「・・・だ」

「?」

「まだだ!」

「「「!!!???」」」

 土煙の中、カラトムーガは三人に向けて直進し始める。

「貴様らを殺して・・・!?」

 ここでカラトムーガはあることに気づく。

(あ奴は!?アヤトはどこにいる!!??)

 彩人の存在である。カラトムーガは彩人を探そうと、周囲を見渡し始める。その様子に、

「もう遅いですよ」

 リーフは口角を上げて答える。

「!?まさ・・・!!??」

 カラトムーガの死角から、彩人とセントミアが現れる。

「やられ・・・!?」

「今です!」

 リーフは誰かに声をかける。

「な!!!???」

 ここでカラトムーガは何者かに行動を阻害される。

(この氷・・・あの人化した魔獣か!)

 その者の正体はルリだった。

(だが、我が氷だけで行動を止められるとは・・・!?)

 その氷には、植物が一部骨組みとして使われていた。

(まさかあの植物・・・!?)

 カラトムーガはモミジを見る。モミジは懸命に植物達に魔力を送り、力を借りている。

「小癪な・・・!」

 カラトムーガは攻撃しようと、なんとかルリとモミジの拘束を外そうと奮闘する。

「!?」

 ここで更に拘束が強まる。

「【牛封・牛麟結界】です。そして、」

 クロミルはカラトムーガを指さす。だが、指をさしていたのはカラトムーガではない。カラトムーガの近くにいたある者をさしていた。

「今です、アルジン!」

 今の今まで身を潜め、時期を窺っていたレンカが行動に移す。その行動が、カラトムーガの行動を妨害する。

「貴様・・・まさか魔道具か!!??」

 カラトムーガはいきなりのレンカの登場に驚き、心を揺らす。その揺らぎが大きな隙を作ってしまう。

(ありがとうな)

 俺はクロミル、レンカだけでなく、リーフ、クリム、イブ、ルリ、モミジに感謝する。

(これで・・・決める!)

 俺は全身全霊でカラトムーガに攻撃する。

「!?」

 セントミアさんは俺に合わせて同じタイミングで攻撃してくれた。そのことはいいのだが、俺がカラトムーガに攻撃を当てる直前、何者かが俺とカラトムーガの間に割って入ってきた。

(・・・恨むなよ、カラトムーア)

 俺は乱入してきた者、カラトムーアの存在に気づいたものの、剣の勢いを殺すことが出来ず、カラトムーアごとカラトムーガを切ってしまう。

「ど、どうし、て・・・?」

 俺以上にカラトムーガが驚いていた。それはそうかもしれない。

 なにせ、さっきまで敵だと思っていた奴がいきなり庇ったわけだからな。

「・・・我は、お主を独りにしたくない。ただ、それだけのことだ・・・、」

 そう言いながら、カラトムーアは地面に膝をつく。

(そういえばこの剣、霊体にも攻撃出来たんだな)

 今更だが、さっきまでカラトムーガを説得していたカラトムーアに実体はなかった。つまり、幽霊みたいな状態ということだ。そんな状態のカラトムーアにダメージを与えられたということは、この剣にはまだ俺が知らない効果を秘めている、ということなのだろう。前にこの剣を視たと思うのだが、この剣にはまだまだ秘密がありそうだ。

「言っておくが、俺を恨むなよ?」

 俺はカラトムーアを切りたくて切ったわけじゃない。いきなり俺とカラトムーガの間に割って入ってきたため、剣の勢いを殺すことが出来ず、カラトムーガと共に切ってしまったのだ。

「分かっておる。この傷は、我の身勝手な行動でつけたものだ。決して、お主を恨みはしない」

「そうか」

 ならいいか。

「お前、どうして・・・?」

 そして、カラトムーガは未だにカラトムーアの行動に驚いているようだ。このカラトムーアの行動の理由、流石の俺でも分かる。

(どうして分からないのだろうか?)

 ・・・もしかして、第三者目線じゃないと伝わらないのだろうか。俺は我慢出来ずに伝える。

「さっきもこいつが言っていたじゃねぇか。こいつは、お前を独りにしたくない、それが理由なんだよ」

「な!?う、嘘だ!!」

 カラトムーガは自身の体をおさえながらも、俺の言葉を即座に否定する。

「真偽なんか本人に聞け。だが、自分がやられると分かっていても俺の剣をその身に受け、お前を庇った。その事実は真摯に受け止めとけ」

 俺は警戒しつつ、神色剣をしまう。こいつにはもう戦闘する気はないだろう。

「・・・」

 カラトムーガは無言でカラトムーアを見つめる。カラトムーアはその視線に気づいたのか、無言でカラトムーガを見た後に近づく。

「どれほど愚かなことをしていても、お主は我にとってたった一人の弟だからな。見捨てることなど出来ん」

 カラトムーガは悲しげな笑みをカラトムーアに向ける。

「そんな・・・まさか我は、本当に・・・?」

 この言葉を聞き、ようやくカラトムーガが止まったのだと安堵する。

「セントミアさん、ありがとう。おかげで助かった」

 俺はセントミアさんにお礼の言葉を贈る。感謝の気持ちはしっかり伝えないとな。そんな俺の言葉を無視しているのか、セントミアさんは上を向いていた。 

「いや、なに上を向いて・・・、」

 俺もセントミアさんと同じように上を向いたら、上空に何か黒い球が浮かんでいた。

「なんだよ、あれ・・・、」

 どうみても嫌な予感しかしなかった。

「・・・まさか、お前の仕業か?」

 俺はカラトムーガに視線を向ける。

「あ?・・・あ、ああ。あれは我の魔法だ」

 カラトムーガは俺の質問に対し、なんの抑揚もなく返答する。

「なら消してくれよ。あんな魔法、いつまでも残しておくなよ」

「うむ」

 そう言い、カラトムーガは黒い球に向けて手を伸ばし、何かし始めた。

 ・・・。

(あれ?)

 あの黒い球を消す為にしているはずなのに、なにか大きくなっていないか?

(というかあの黒い球、カラトムーガは制御出来ているのか?)

 そう考えていたら、

「お兄ちゃん、あれ、なんだか凄く嫌な感じがする」

 ルリが俺に話しかけてくる。

「ああ、俺もだ」

 ルリの感想に俺は同意する。

「アヤト!あの黒い球って・・・!」

「やばそうな予感がしているけど、大丈夫なの?」

「・・・なんとかなる?」

 リーフ、クリム、イブが俺の元へ近づき、それぞれ自身の感想を述べる。

「アヤトさん、あの黒い球から凄く嫌な感じがします。大丈夫ですか?」

「ご主人様、私に何か出来ることはあるでしょうか?」

「アルジン・・・、」

 モミジ、クロミル、レンカもリーフ達同様、俺の元へ近づいてくる。

「あれ?」

 そして、カラトムーガの方から不穏な言葉が聞こえてくる。

「・・・どうして消えない?我の魔法だぞ?」

「?どうした?まさか、なにかあったのか?」

「・・・我の魔法が、我の制御から外れた」

次回予告

『7-1-58(第547話) 虹無対戦~無の国編その21~』

 カラトムーガの魔法が、カラトムーガの制御下から外れてしまい、暴走を始めてしまう。暴走し始めるカラトムーガの魔法を止める為、彩人はある魔法を発動させる。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ