よん
バーでそんな話をした日から10日くらい経って、今なら話して過去にしちまえる気がして、足を向けることにした。
ちょっとずつ踏ん切りがついたのか、寝れるようにもなったし姿を探すこともなくなった。
慣れってのは恐ろしい。
てもあいつもあいつで次に行ってるみたいだったから、別に構わないだろう。
「祐希さーん、政也さーん」
「ちょっとすっきりした顔になったじゃねーの」
「祐希ちゃんって呼んでっていってるじゃないー」
「ごめん、祐希ちゃん。ちょっと整理ついたから、話聞いて欲しい」
「お安い御用よー!」
「尚のことだけど、別れたからもう一緒には来ねぇ」
祐希ちゃんがすっげー傷ついたような顔した。
「もう会わないの?完全に距離おいちゃうみたいな言い方だけど」
「尚はもう、進んでる。俺が出しゃばる事はあっちゃいけねぇんだよ」
「尚ちゃん浮気したの?それで別れたの?」
「いや、尚はそんな人間じゃないだろ。なぁ春?」
「うん」
踏ん切りつけたから話に来たつもりだったけど、話してると苦しくなってくる。
浮気されて別れた方が数倍マシだった。んだと思う。
別れを切り出した理由は、聞かれても分かって貰えないんだと思う。
ただ、あいがそれをすんなり受け入れた理由は分からない。あいつが何考えてるかなんて、いつだって分からないままだった。
祐希ちゃんが、自分の事みたいに感情出してくれるのが、すごくありがたい。少し気分が軽くなる。気がする。
「春、1個だけ聞かせろ。お前からか?」
政也さんは本当に鋭い。初めてこの店に来た時に、ゲイだって気づいて、初めて尚を連れてきた時も、一発で恋人だって気づいて。
この人には敵わないなーって思う。
「俺から」って答えれば、分かってたと言わんばかりにため息をつかれた。
「腹割って話せば良かったんじゃないのか?」
「どこまでお見通しなんですか政也さん」
本当にこの人は、敵わないなぁ。
「ちょっと春ちゃん、政也、どういうこと?」
「祐希、ちょっと外せ」
本当に、政也さんには敵わないなーって思った。
お読みくださりありがとうございました。
前回から少し空いてしまいましたが、なけなしのストックすらなくなりましたので、次回しばらくかかるかもしれません。
最後までは書ききりたいなーとは思っておりますので、気長にお付き合い下さい。




