いち
手放した方が幸せになれると思った。
今思えば軽率な判断だったと分かるけれど、あの頃はそれが最善だと信じていた。
手放してから後悔した。
嗚呼、もう戻らない...と。
隣にいることが当たり前で、笑いかけてくれる顔が大好きで、それならどうして手放したかなんて問われれば、彼の幸せを願ったからとしか言えない。
思えばそれが間違いだった。
なんて気づけたのは随分あとになってからだった...
久しぶりに見かけた彼は、とても晴れ晴れとした笑顔で、すごく幸せそうにしていた。なんていうのはただの僕の妄想で、実際の彼は、一目見てあまり寝れていないんだろう。そんな印象を受ける程に弱々しく見えた。
どうして?僕から離れたのに、君がそう願ったから、君の幸せを信じて僕もそれを受け入れたのに、どうしてそんなに弱っているの?
「春飛」と呼ぶ声は雑踏にかき消されて彼に届く事は無い。
呼び止めたところで、僕に何が出来るのか。そんなことを考えたところで、何一つ浮かばない。会ったところで、別れた事実は変わらない。
ふと考えて、メールだけ、それだけなら許されるだろうか。そんな考えが頭をよぎって、
『最近どうしてる?』
とだけ送ろうとして、そんなことを気にする権利がもう僕にはないと気付いてやめた。
そんな葛藤をしてる時に、彼がこちらを見ていたなんて思いもせずに…
Twitterで流れてきたタグをしたあとに、1本書きたいなーって思いからとりあえず書き始めてみることにいたしました。
春飛で(はると)と読んでもらえるとありがたいです
名前ルビふれました(2016.04.22)




